表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

1


 お母さんっていつ死ぬんだろう。


 カレンダーを見ながら私は考える。

 今日は2025年1月21日。私は10歳で、お母さんはぴったり40歳。そこから簡単な足し算をして、私は考える。


『お母さんはねぇ、48歳まで生きるのが当面の目標!』


 あと8年か、と思う。

 あと8年で、お母さんが目標にしてる48歳。


 でもそれよりもっと早く。私のお母さんは、死んでしまうかもしれなかった。






「見た? 授業参観のお知らせ! も〜やだ! なんでお母さんと味噌汁なんか作んなきゃいけないの!」

「普通に国語とか算数やって、後ろのほうで見ててもらえるほうが楽だよね」

「ほんとそれ! やだな〜」


 友達がわいわい話すのを、私はどこか遠くでぼんやり聞いていた。

 話題の中心にあるのは、来月――10月にある予定の授業参観について。『ご家庭の味を知ってもらいましょう』なんて名目で、おうちの人を呼んでそれぞれの家の味噌汁を作らされるらしい。


結衣(ゆい)もそー思うでしょ?」


 仲の良い子に突然話を振られて、びくりと肩が跳ねた。


「あっ……うん、えと、……うちは、多分、おばあちゃんが来る予定で」

「えっ? そうなの? お母さん仕事?」

「う、うん。なんか……来月はちょっと忙しいみたいで」

「そっか〜大変だねぇ」


 授業参観の話はそれでおしまいになって、今度は今流行りのユーチューバーの話に移り変わる。

 胸を撫で下ろしなが会話に参戦して――けれど私の胸に渦巻くのは、お母さんのことだけだった。


 私のお母さん――は、全然普通の、お母さんだ。

 怒りっぽくて、でもちゃんと優しくて。スーパーでレジの仕事してるお母さん。

 そんな私のお母さんは――この前、乳がんって言われた。

 ステージ1。トリプルネガティブ、というやつらしかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ