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異世界攻略RTA  作者: ぞうさん
5/5

曇天

今日は早起き出来た。


朝を無駄にすると良い依頼にありつけないと聞いたので、チップを払って朝起こしに来るように頼んだからた。


急いで身支度して、冒険者ギルドにむかう。


昨日とは異なり、朝はすごい人だかりができている。冒険者の朝は早いんだな。


受付の前でごった返しているなかに参戦して、何とか取ってきた依頼。


アザリの討伐

アザリという硬いからをもつカイの魔物を間引いて欲しい。

条件 アザリ最低1上限5匹の討伐

報酬 アザリ×300G


討伐依頼か。アザリってどうなの?今やったら危険?


『いえ。いい依頼を持ってきましたね。アザリは固いですが動きは遅く、向こうから滅多に攻撃してこないので、初心者の練習にもってこいの魔物です』


おぉ、それはラッキーだな。


『はい、ですがすぐには出発せずに簡単な装備だけ揃え、魔石を買ってから行きましょう』


了解!





俺は市場に着いた。市場はインドなどの香辛料市場が1番想像つきやすいかなって感じで、雰囲気とかはよく似てる。


ただ置いてあるものはまちまちで、武器、なんやらよく分からない薬品、食べ物、フルーツや野菜、肉など、生活に必要なものは全てここで手に入りそうな勢いだ。


 阿頼耶識さん、どこの魔石を買えばいいとかある?魔石ってモノを見たことないからカモにされるかもしれない。


『はい、おすすめはあちらの黄色の布で覆われた屋台です。魔石とただの石を混ぜて売ってるタチの悪い店ですが、本人も見分けが付いていないので鑑定持ちや、私が付いている場合はむしろこっちがカモにできますね』


サラッとすごいことをいってる。というか、阿頼耶識さんは鑑定スキルも兼ねてるってこと?


『はい、正確さでいえば鑑定より正確に伝えることができます』


まぁそっか、アーカイブってとこから情報持ってきてるんだしな。そりゃ正確だよな。


そんなこんなで魔石屋に着いた。


「お兄ちゃんうち選ぶとは見る目あるね。たった、300Gで魔石が買えるかもしれないチャンス。どうだい試してみるかい?」


ターバンを巻いた恰幅のいい男が、派手な布を敷いた地面の上に置かれている、様々な色の石を見せた。


「うん、300Gは少し高いから、二個に負けてくれないか?いまとりあえずこれもらおうとしてるんだけど」


俺はそう言って阿頼耶識さんの鑑定でただの石だとでた石を指さしていう。


ターバンの男はあからさまに口角を上げた。


「お、お客さん見る目あるじゃないか。のった、2個で300G。もう一個選びな」


俺が1つ目に選んだのはターバンの男からみてもわかる、絶対のハズレ石。これを選ぶことでこいつには見る目がないんだと思わせる。


そして、次の1個はそれの横に置いてあった似たような石にした。


「これで決まりだなお客さん。毎度ありっ!」


間髪を入れずに麻袋に包んで手渡してくるターバンの男。考える隙を与えたくないらしいがどうやら阿頼耶識さんの完全勝利のようだ。


先程の手順は阿頼耶識が伝えてくれたとおりにかったものだ。


俺はついでの装備を買う前に、人気のないところに行った。


阿頼耶識さん、1つクズ石を買ったんなら、2つに負けて貰う意味なかったんじゃないか?


『えぇおっしゃる通りです。しかし、最初から良いものを選べば怪しまれるかもしれません。それに、それはクズ石ではありませんよ』


そうなのか?クズ石って言ってたよな阿頼耶識さん。


『えぇ。今はまだ、クズ石ですが【即】を使って分離してしまえば、この石は感魔石という魔力に呼応して光る性質をもつ石に変わります』


こんなただの石が?


『一見ただの石に見えるのは不純物を多く含んでいるからです。質の良い2つ目の魔石と並んでいたのもおそらくは感魔石が魔石を感知していたからでしょう』


それがわかっていてのさっきの作戦だったのか。これまで何度阿頼耶識さんに助けられたかわかんないな。


『では、さきに【即】をつかって純化しますね』


俺が手をかざすと、ただの石だった感魔石がみるみるうちに黒曜石のような滑らかな質感の紫色へと変わった。


『ひとまずこれを摂取してください。抵抗があるとは思いますが飲み込めば消化できるはずです』


いや、だいぶ抵抗あるけど、ほんとに石だからな。


まぁそうも言ってられないので、一口で噛まずに飲み込んだ。


以外にも、飲み込んだ瞬間というか舌に乗せた時から、ガラスのような冷たさとほんのりとした甘さがあって抵抗もなく飲み込めた。


『おめでとうございます。スキル【魔力感知】を獲得しました』


スキル【魔力感知】


周囲の自他含む魔力を感知できる。熟練の度合いによって、その敏感さと範囲は変わる。


アナウンスされた時からもうパッシブでスキルが発動してる。さっきまで何も感じなかった魔石が、今は魔力を持っているのがわかる。


例えるなら、炭火の遠赤外線のような触れてはないけどたしかに感じるみたいな感覚だ。


『特に異常はないと思いますが如何ですか?』


特には大丈夫。それより俺には元々魔力は備わっていないんだな。


自分の体内に全くもって魔力を感じない。


『そうですね、元が地球の体ですので魔力機関が体内に存在していません。ですが、魔石を摂取すれば吞喰により獲得できると思われます』


本当に?それなら良かった。やっぱ魔法使うの憧れあるからな。


俺は、魔石を口に含んだ。あんなに鉱石の見た目だったのに、口の中に入れた瞬間シュワシュワと消えてゆく。なんとも言えない果実の風味がする。


それと同時に、胸の右側がジリジリと熱いのを感じる。


阿頼耶識さんこれって……。


『はい、スキル【魔力源】を獲得しました』


スキル【魔力源】


魔力の源が作られるスキル。熟達に合わせて出力が上昇する。


この感覚が魔力か。なんかでも、ちょっと勝手が悪いような感じもするな。


『それは順調な調子です。これから調整を行うため、少し楽な姿勢になって、魔力感知で魔力源を意識し続けてください』


俺はその場にあぐらをかいて、坐禅のような形で魔力源を感知し続ける。


すると、じわじわと魔力の感覚が体幹部を縦に伸びてきて、それらが手足に広がってゆくのがわかる。


冷たい体で湯船に浸かると、体の先からじんわりと身体が温まってゆくが、順序が逆なだけで感覚はすごく似ている。


『スキル【魔力操作】を入手しました』


スキル【魔力操作】


魔力を操作することができるようになる。熟達によって、その操作性は上昇する。


『これで地球人でありながら魔力を扱うことのできる存在へと変わることが出来ました』


魔力があるかないかってこんなに違うんだな。元の全ての身体能力の底上げがされてる気がする。力がみなぎるというか、これまで限界だったところからあともう2、3歩踏み込める感じ。


『はい、事実、魔力をもちそれを循環させるだけで基礎機能が大幅に上昇するので、冒険者には必須と言っていいスキルです。もちろん、この世界の住民はデフォルトで所持している能力ではありますが』


今やっとこの世界のスタンダードな人間くらいの強さってことか。先はまだまだだな。加速して進めて行かなきゃ。


『そのためには今日の任務で新たなるスキルの獲得と共に、毎日魔力の基礎技術を鍛えなければなりませんね』


結局地道な作業はいつ何時でも必要不可欠だな。


その後、武器屋で扱いやすそうな短剣を一振買った。100Gで買えたので、すこし安すぎて不安だが阿頼耶識さんがこれでいいって断言するのでこれでいいのだろう。


これで依頼前の準備は完了だな。依頼の場所は、ええっとたしか、東の川だったっけか。


『はい、マップにルートを表示したので確認ください』


マップの通りに進んだ。片道1時間くらいだった。魔力操作の練習も兼ねて身体に魔力を循環させながら向かったが、スタミナも速さも魔力を通さない時とは比べ物にならない。


ジョギングの気持ちでかなりペースをあげることができるし、何より一度に深く吸い込める。


銀騎士があそこまで容易く魔物を切り伏せたのも、この感覚の延長線上にあるのだと思うと少しだけ強さの一端を垣間見た気がした。


着いたのは草原の端を流れてる川で、河原が広いのが特徴だ。向こうの山が源水らしくそれなりの距離をゆっくり流れている。


着くとすぐに、アザリを見かけることができた。中型犬サイズのタニシと言ったところか、あるいはヤドカリ?


それが数10匹固まって何かを食べていた。俺は慎重に近づくが、全くと言って警戒心がない。


思い切って端の方のアザリの背後から、持ってきた短剣を突き刺してみるが、硬すぎてまるで歯が立たない。手がしびれて痛い。


どうしたらいいんだ?これ。短剣持ってきた意味ないじゃない。


『私に最近頼りすぎていますね。少しヒントを与えるので考えてみましょう。先程どのようにここまで走ってこられましたか?』


走ってる時……あ、魔力を纏ってってことか。


俺は身体に魔力を纏ってもう一度背に短剣を突き刺してみた。表面に軽く傷ははいり、手のしびれは無かったが、有効だとは言えない。


うーん、魔力を纏うのは合ってるはずだよな。素手で殴るとか?でも短剣を持ってきた意味が無くなるしな。


魔力をまとう場所が違うのか?それか、操作が甘くて集中しきれてないとか?


俺は魔力を拳一点に集めようとしたが、なかなか集まらずすぐ離散してしまう。


魔力操作が甘いのは事実だけど、それを織り込み済みで阿頼耶識さんは討伐依頼を選んだんだから、持ち手札で倒せる何かがあるはず……。


あ、短剣に魔力を纏わせることってできるのかな。


俺は、魔力源から出る魔力を右手の方に持ってゆき、手にしている短剣に意識を集中させた。


ブンッと、鈍く昏い光が短剣に宿る。


「おぉ、これっ」


そのままアザリに突き立てると、先程と売って変わって発泡スチロールのような抵抗感でサクッと切れた。


『お見事です。魔力はものにも付与できる。重要な発想のひとつです』


いや、すごいな。ここまで差が出るのか!これはどんなものにでも付与できるのか?


『いい質問です。魔力は基本的にどのような物にでも付与できますが、その効率はまちまちです。付与しやすいものもあれば、しにくいものもあります。また、元々他者の魔力の付与されているものには余程強い力を加えなければ上書きや追加は不可能です』


へぇ、面白いんだな魔力って。そんでこいつら後どのくらい倒してもいい?まだ練習してみたい


『はい、ざっと38匹ほどいるのでほかの冒険者も考慮すれば5~6匹間引けば問題ないかと』


了解!


俺は魔力操作を練習がてら、アザリを倒した。


『それでは、火を起こしましょうか』


俺は言われた通りにアザリの貝殻どうしを打ち付けて火花をだし、簡易的な焚き火をすることにした。もちろん、河原からは少し離れ、アザリの群れからも離れた。


『討伐したアザリのうち1匹を焼いて食べましょう。スキルが得られるはずです』


ちょうど昼食を忘れてるなと思ったところだった。俺はそこらの木の棒にアザリの中身を刺して、焚き火でじんわりと焼いた。


サザエの海くささとはまた違う、あゆのような独特の香り。身は程よく焼け、美味しそうだ。


「いただきます!」


そのまま身にかぶりつく。身は鶏肉のようにぷりぷりで、味は塩っ気のきいた淡白な味。そこに鮎のような香りがふんわりと立ち上ってくる。


「美味いっ!」


俺は夢中で食べた。1匹がでかいのでかなりの量だったが、2匹目に手をかけるほどには美味かった。


『おめでとうございます。スキル【硬化】を手に入れました』


スキル【硬化】


自分の肉体に限り、自在に硬質化することができる。


おぉ、これ使えばもしかして。


俺は右手の一部を変化させ、手刀を作った。そこに硬化。更に魔力操作にて魔力を乗せる。


オーラとしての魔力が暗く揺らめく右手の、刃ができた。


試しに石を拾って横凪すると、ツルツルの断面をしてわれた。


『どうでしょう。これで当面の武力は担保できましたね』


俺は帰り、色んなところを操作して武器として使えないかを試しながら街へ向かった。


鈍器にしてもいいし、弓は体無くなっちゃうから無理だけど間合いを変えるならその場で何も考えずに変形できるまでにはなった。


『ふぅ、RTAの土台作りとしては及第点ですかね』














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