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まだ憶えていたい

人をちゃんと好きになったという自覚があるのはいつだろうか。

多分小学3年生〜中学3年生だったと思う。計6年同じ人が好きだった。

中学生の時、人生の半分の時間をその人が好きだったという事実がなんだか誇らしかった。

歳を重ねるごとに自分の中でその人の大きさが小さくなっていくのが怖かったし、寂しかった。

18歳の時は人生の3分の1、24歳の時は人生の4分の1、30歳の時は人生の5分の1。


人を好きになるということがこんなにも苦しくて、嬉しくて、寂しくて、切ない、それを実感した。

その後に出会う人たちはそこまで自分の感情が揺るがされることもなく、可もなく、不可もなく。

いい人そうだと思っても、心がぎゅっとすることがなくなった。


生きている間に性格が大きく変わってしまった、と思う。

自分を犠牲にしても良かったし、周囲の人が幸せならそれで良かった。

好きな人はとてもモテる人だった。容姿が格好良くて、頭が良くて、足が早かった。

ただ、愛想が良いとはいえないけど仲良くなったらよく話してくれる人だった。

その懐いてくれる感じがすごく嬉しかった。


私は、今はもう自分を犠牲にすることはできない。

どうして私のために生きられないのか、わからなくなる。

自分のために生きていきたいと思う。


でも、あの人のことが好きだったことは忘れたくない。

忘れたほうがもっと楽に生きていけるんだろうけど、まだ憶えていたい。


ただ6年間ずっと片思いをしていて告白もしていない、付き合ってもいない。

学生の頃のただ、1人のひとを思っていただけの時間。


もしあの人が私の前に今現れたとしたら、一緒にいて欲しいと思う。

まだこれは好きだってことなんだろうか。

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