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名前②

また好きな作家さんに自分の名前を書いてもらう機会があった。

それはそうだ。私はトークショー&サイン会のチケットを支払ったのだから。


名前①の記事で話したとおり自分の苗字が好きではない。

最近読んだ本によると、


「名前なんて読むんですか?苗字珍しいですね〜。

出身地は?あ〜珍しいから沖縄の方かと思っちゃいました。

地元ではよくお会いするんですか?

地元でも会わないんですか〜。

いいですねえ、私なんてありきたりな苗字なもんで・・・」


上記のようなやり取りを一生涯の人生で出会う人にことごとに同じ話をした場合、その人の人生の107日分他人よりも時間を損しているらしい。私はずっと損をしているらしい。

こんなつまらないことのためだけに・・・。と思う。悔しい。


例の如く、作家さんに名前と伝える際に、珍しいんですが・・・と前置きをして、伝えたところ漢字の表記が分からない。

あ、もう下の名前でいいです!とお手を煩わせたくないが故の投げやりな感じになってしまった。

でも作家さんは、いや!大丈夫ですか?苗字で書きますよ!と言ってくださり、実際に書いてもらった。

その後、あだ名を聞かれ「え!〇〇って私も呼びたい!友達になりたい!」と言ってくださり、心の中で大号泣した。


いまだにプライベートでこれからの人生に交わりのない人たちに苗字を教えるのはとてつもなく嫌ではあるが、好きな人に呼ばれる、興味を持たれる瞬間があると思えば悪くないのかもしれないと、そう思いたい。

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