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君の(脳内)本棚を見せて欲しい

人の趣味はその人の性格をとてもよく表していると思う。

私は流行っている邦楽ロックよりもインディーズのロックの方が好き。

歌詞が暗くて、頑張ることを無理強いしてこないところがとても落ち着く。

私の心の拠り所になってくれているような気もする。

高校生からそういう生活をしているからそれが癖になっているし、それで十分に満たされている。


といったようにその人が歩んでた人生や、その人の性格がよく出ているように思う。

やっぱり明るい音楽が好きな人はミーハー心があるし、スクールカーストでは上位にいた。


以前、マッチングアプリで本が好きな人が私のことを好きになってくれた。

その人は本をたくさん持っているというから、じゃあ本棚を見せて欲しいと私がお願いをした。

私は年間200冊くらい読むから流石に経済状況として全ての本を購入することはできないけど、文芸誌やなかなか手に入らないものはもちろん購入している。

だから人に見せるほどの私の人間性は現れていないような気がする。


その人の自宅へ行った時、気難しい外国人作家(日本語訳あり)の本と、日本人作家は村上春樹しかなかった。いわゆる「ハルキスト」だった。

村上春樹はノルウェーの森しか読んだことがなかったし、それも人から借りて読んだものだった。

その時の印象としては何も覚えてなくて、とりあえず映画化して北乃きいが出演していたなくらいだった。


その人に村上春樹のおすすめの本貸してあげるから読んでみてと言われ、借りたら返さなきゃいけないじゃんと色気のないことを言ってしまった。

それがINTJ(建築家)の性分なきもしなくもない。

その人はまた会う口実になるでしょとわかりきったことを言ってきた、あぁ、と思った。

結局本を数冊借りた。何を借りたかもう覚えていない。

久しぶりに読んだ村上春樹の印象は「とにかくくどい」だった。

同じことを似た文体で繰り返しているような印象でそれを友人に話したところ、やっぱりそうだったらしい。

それが村上春樹の良さだと思うし、特徴だと思う。

でも私は同じことはあまり言われたくないなと思うし、すらすら読める本の方が好きだった。


その人に本を貸してくれてありがとうと一応連絡をしたところ、もう会いたくなってると返信をしてきた。

私は1人の時間が大事だし、会いたい=時間を作れと言われているような気がしてそういうことを言われるのがあまり好きではない。

それについて私が既読スルーしていたところ(普段からそういう節がある)、次の日も昨日会ったのに会いたいと連絡があり、次の日も同様だった。

あ、くどい。この人村上春樹くらいくどいと思った。

だから、好きなものに性格が表れているなと感じたし、むしろハルキストになってそういう性格になったのか、どっちが先かわかんないけど、この人と私は合わないなと思った。


それからマッチングアプリで本が好きという人に会うたびに、好きな作家を聞くようにしているし、アプリに載せている本棚の写真があれば、作家を目で追って村上春樹がないか無意識で探すようになってしまった。

一種のトラウマになった。その人のせいで。


かくいう私はというと、木爾チレン、伊坂幸太郎、朝井リョウ、河野裕、くどうれいん、小原晩などが好き。

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