表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まおうさまの勇者育成計画  作者: okamiyu
第一章:覚醒せよ、灰かぶりの勇者――ゴーストタウンに隠された声
23/167

第十九話:魔王、走る。そして死ぬ

「勇者パーティーの日常――

それは戦いと笑いと、

時々魔王の危機(?)に満ちている。」

勇者一行の前に現れたのは、

五体の巨大なオーガだった。


レン

コマンド選択:

•戦闘    :月閃

•スキル▼  :影月翔

•魔法    :満月斬華

•道具    :月華一刀▼

•逃げる   :秘剣・朧月の舞


レンは「月華一刀」を使用した!

【Cut In!】

•オーガAに9876ダメージ!

•オーガBに9315ダメージ!

•オーガCに9542ダメージ!

•オーガDに9634ダメージ!

•オーガEに9992ダメージ!


戦利品:

•オーガの肉×5

•オーガの棍棒×2


「最高!この剣で肉を断つこの感触――たまらないね。この一切のために生きているぜ。」


血飛沫の中で微笑むレン。

満足げだった。


「……まるで変態殺人鬼のセリフだな。これだから人間は」

マオウが呆れたように言う。


「マオウさん!失礼です、お肉屋さんかも知れませんよ?」

セリナの天然ボケに、

レンはさらに表情を歪めた。


「失礼のは、ふたりともよ」


これが、新たに結成された

“勇者パーティー”の、

いつもの日常である。


「へぇ、この娘に剣を教えたいの?」

レンがセリナに目を向ける。


「はい! 私、強くなりたいんです!」

セリナが真っ直ぐに返した。


「じゃあ、まずは体力作りからだ。あんた、戦士としての筋肉が足りてないだろ。そんな状態じゃ、剣を何度も振ったらすぐバテるぞ。今日からランニングだ」

「了解です、教官!」


「おい、そこの魔法使いもついてこい。逃げようとすんなよ」

「魔法使いに体力なんて必要ないだろ?」

「お前はこのままだと、ただ丸くなるだけだ。ダイエットしろ」


そして走った。


「ああ、いい汗かいた~。よくついてこれたね。初心者にはハードなメニューだったのに」

レンが驚く。


「はい! 教官! 普段から家事をしているので、体力には自信があります!」

セリナは満面の笑み。


「偉いな。細くてか弱そうに見えたけど、見直したよ……って、あいつは?」

「れ、レン君! マオウさんが……死んでます!」


マオウは全身から湯気を立て、

地面に倒れていた。


どうやら、魔法なしの運動は、

魔王様には過酷すぎたらしい。

だが、誇りをかけて完走はしたようだ。


今この瞬間が、

人類が魔王を倒せる最も現実的なタイミングだった――

とは、誰も気づいていない。


「さて、運動の後のご飯って最高だよね♪」

「レン君、お風呂には入りましたか?」

「いいじゃん、一日くらい入らなくても。今はご飯ご飯~♪」

「不潔です。汗をかいたら、ちゃんと洗い流さないといけません」


珍しく、セリナが怒気を込めて睨んだ。

その気迫に、レンも押される。


「……えぇ~、セリナだってまだ入ってないじゃん」

「私は皆さんの汚れた服を洗っていたので、残念ですが、最後に入ります。はい、お風呂に入らない子は、ご飯抜きですよ」

「ぐぬぬ……なんかセリナにこう言われると逆らえない……」


そのころ、

完全に力尽きたマオウは寝転がっていた。


「……マスター、生きてる?」

「……」


返事がない。

ただの屍のようだ。


「マスターは僕と千年戦っても平気だったのに。やっぱり魔法が使えないと弱いね。でも、そんな弱点も僕は好きかも」


ルーはくすりと笑い、

マオウの背中に座った。


「僕の羽、洗ってくれる? 毛玉の姿で」

「魔王をタワシ扱いするな……それに、そん姿で誰かに見られたら……!」


悶えるマオウだったが、

それでもルーの羽を丁寧に手洗いしていた。

身内に甘いのは、魔王の性分かもしれない。


しかし、静かな湯船のひとときは――

突如、崩れた。


「な……なぜ、あんだがここに!?」


湯に浸かるマオウの前に、

石鹸の泡に包まれた“姫”が現れた。


「マオウさん、先に入ったんですね。でも、レン君も男の子ですし、裸の付き合いで仲が深まるかもしれませんね」

無邪気に言うセリナ。


「……私も男の子だったら、一緒に入れたのに。残念です」


夕食の準備をしながら、

セリナはこれから起きる風呂場の惨劇を、

まったく知らなかった――。

「勇者パーティーのほのぼの(?)日常、

どのシーンが一番面白かったですか?

ぜひご感想をお聞かせください♪」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ