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天使さんち

「いやー ようやく大連休だ」

天空警備軍の一般隊員そして一般男子であるヒカルは遂に1年間の大連休を手に入れた

天空警備軍の仕事は対立した存在である悪魔の排除である

天空警備軍は皆能力を持っている

ヒカルの場合は1日後までの未来を見ることができる能力だ

「説明に余計なことが書いてある気がするな」

「ただそんなことより家まで遠いな」

少し歩いてヒカルは家の扉を開けた

「あ やべ」

「は?」

ヒカルに至らなかった部分があるとすれば

今未来を見なかったことだろう

家の扉を開いたそこにいたのは悪魔の少女だった

「どうしよ武器家の中だわ」

「…言い訳をさせてほしい」

「だめです」

と言いつつも武器がないから戦えないため一旦話を聞いた

「実はむこう追い出されまして …住まわせろ」

「情緒どうなってんの?」

いくら言っても出て行く素振りすらなかっため

仕方なく了承することにした

「了承するし隠すとはいってもバレたら自己責任な」

「はーい」

「タメ口になるの早いな」

ヒカルは悪魔を仕方なく家へ招き入れる

「名前は何ですか 14文字以内で答えなさい」

「コハルだよ」

「普通の名前で助かった」

「何でも聞いてくれ 悪魔といえ今は仲間だ」

コハルが少し考えた末ヒカルに話す

「…寝室」

「あー…俺床で寝るから大丈夫」

「わかったー」

少し話すとヒカルは空腹を感じた

ヒカルでさえここまで空腹なのだからコハルはもっとだろう

「よし ご飯を作ろう」

ヒカルがキッチンにむかうとコハルがこっちをキラキラとした眼で見てきた

「卵を程よく炒めて…具材を入れて…米を入れて…完成!」

「できた…これが自家製天界チャーハンだ!」

コハルが食べ始めたためヒカルも食べることにした

コハルはすぐに食べ終わりおかわりをよそりにいった

ヒカルも想像以上に美味しくてすぐに食べ終わった

ヒカルはコハルが風呂から出てきた後風呂に入り

寝室までコハルを案内してそのまま床に寝袋を敷いて眠りについた

すぐにコハルもベッドの上で眠りについた


ー次の日の朝

コハルが朝ごはんを食べ終わった時

ヒカルの通信機に連絡がはいった

「よう 久しぶり」

「なんだ アキラかー」

「なんだってなんだお前」

「で?要件は何だ?」

「昨日そこらへん悪魔出たらしいからお前の家にいないか探すわ」

通信が切れた

「コハル ベッドの中隠れとけ」

「…了解」

コハルを隠れさせたヒカルはアキラが来る時を待っていた

いつもはヒカルととても仲がいいアキラも今は敵として認識されていた

玄関をノックする音が聞こえた

ヒカルは鍵が閉まっていることは知っていたがあえてそのままにした

「あけてくれほんとにー」

「はいはい」

ヒカルは玄関を開けた

「ひさしぶりだなぁヒカル」

「さっさと確認終わってくれ」

アキラが一階を見回す

「いない!次二階にレッツゴー」

「…やばいかもな」

ヒカルは心底2階には行かないで欲しかった

それは寝室 すなわちベッドは2階にあるため

アキラにばれる可能性があるのだ

アキラは目の前の寝室の扉を開けて周りを見渡した

「よし 誰もいないな」

「…ポンコツで助かった」

その後も適当に見ていって一階に戻ってきた

「ところでヒカル…どういうつもりだ?」

「…え?」

「寝室にいたろ 悪魔」

「…………あぁ」

「友達だからな 上には言わないしヒカル達の味方をする」

「なんで?」

「はっきりいって悪魔が攻めてきたのは昔の話だからな」

「…」

ヒカルはそのままアキラを見送った

しばらくしてコハルが降りてきた

ヒカルはコハルにアキラのことを話した

「私の…せい?」

「俺たちが選んだことだから気に病むことはない」

「そう…」

そのまま二人は1日を終えた


ー次の日

「ヒカル起きて」

「はーい……って誰だ貴様」

「貴様はないでしょ貴様は」

それもそのはずだヒカルが起きて目の当たりにしたのは

明らかに天使のコハルだった

「…その見た目どうしたんだ?」

「外出たすぎて自分で作った天使化キット」

「わー悪魔こっち来放題なっちゃった」

「髪は黄色 服も天使服 これは勝ったな」

「俺の隣に女子がいるだけで怪しまれるんだが?」

しばらく沈黙が続いた後

二人は食事にすることにした

しかしなぜか三人分用意されていた

「何で三人分?」

「未来見たからですね」

玄関のチャイムが鳴る

コハルは焦ったがヒカルは大丈夫だといい鍵を開けた

「…アキラだろ」

「正解でーす」

「料理準備してあるからこい」

アキラとヒカルがリビングに入った時

アキラとコハルの眼があった

硬直しているコハルに対してアキラが話しかける

「あれ 天使なの?」

「一応悪魔です …今は天使の姿ですが」

「…アキラはよく聞いてて欲しいんだがいいか?」

「え?…..あ はい」

「コハル」

「なんですかヒカルさん」

「どうしてここにきた? 事情があるんだろ」

「…わかった 話すよ」

ー話を聞くにコハルはもともと普通に生活していたらしい

そんなある日 コハルのところに手紙が届いた

それは明日の夜一人で近くの空き家に来てくれというものだったらしい

次の日の夜言われた通り空き家に向かった

すると急に天使の兵隊に捕まえられて気がついたら天界にいたという

そのまま誰にもばれないようにしていたらこの家にいたの

「そこに俺が来たと」

「はい」

「どういうことだ? 天空警備軍だろそれ」

「…アキラ 行こう俺らの基地へ」

「わかった」

「コハルは家で待っててくれ」

「待ってる」

「じゃあ行こう」

「レッツゴー!」

…そこからかなり歩いた

ヒカルが見上げたそこには

[天空警備軍]の本部基地があった

ヒカルとアキラは扉を開けてすぐ本部長室に向かった

…少し歩いたのち ヒカルが本部長室の扉を開けた

それと同時にアキラが言った

「どういうことですか 本部長」

「どうしたんだ二人とも」

「正直に答えてください あなたは悪魔が天界に来たことに関与していますか?」

「ほう…つまりそれは君たち二人が悪魔に接触したということだな」

その言葉を聞いたアキラが刀の鞘に手をかけた

「関与しているんですね」

「あぁ …そして君たちは今から裏切り者だな」

本部長がテレポートを使いどこかへ離れた

すると部屋が地下へと移動し始めた

すぐにヒカルが短剣を構え未来を見た

「! ! 何でみんな…」

その瞬間二人の戦闘員がヒカル達のところに現れた

「ヒカル アキラ 何で裏切った」

「…信じてたのに」

「やるしかねぇか なぁヒカル」

「あぁ」

ヒカル達の前にいたのはキセキとスバルだった

キセキとスバルはヒカルとアキラの同期だった

キセキが大剣使い そしてスバルは槍の使い手だ

そしてヒカルが後に飛ぶと同時にスバルはヒカルに攻撃していた

「さすが [未来視]って便利だな」

「明日までしか見れないんですが?」

「しかもすぐ未来変わるし」

ヒカルがスバルに上から斬りかかる

だがスバルも槍で短剣を弾いた

その衝撃でヒカルがよろついたところにキセキが大剣を振り下ろす

だがそのキセキの大剣の側面をアキラが蹴り飛ばす

そのままアキラは空中で刀を構えキセキを斬り裂く

だがキセキは能力を使用して高速でアキラに対して斬り返す

大剣を刀で受けたアキラを見ていたヒカルが考える

(何だあの能力は? …動き的に[高速化]みたいな感じか?)

「…よそ見してる場合じゃないよ」

「大丈夫だよ攻撃の軌道わかるから」

「…わかってるだけでしょう」

スバルが飛び上がり天井を斬り裂いた

天井が崩落してヒカルのところに落ちてきた

「避けられるから大丈夫」

ーその時ヒカルが観たのは自分が潰される未来だった

ヒカルはこれを避ければいいと思っていた

…だがヒカルが避けた時 その先の未来が変わった

すぐに落ちた岩石をスバルが槍で砕いた

砕かれた岩石が散らばり飛んで行った

全方位に飛んでいったため避ける場所なんて残っていなかった

「やっば…! !」

ヒカルに岩石が命中する

攻撃を避けるため極限まで軽くしたヒカルの戦闘服では

岩石の欠片ですら防ぐことができなかった

ヒカルは倒れてしまったが一瞬だった

だがその一瞬でスバルがヒカルの脚を斬り裂いた

ヒカルもすぐに切り返したがヒカルの方がダメージを負っていた

「…はぁ…はぁ…はぁ」

「やっぱり一回攻撃を当てたら簡単だった」

壁にもたれかかるヒカルにスバルが槍を向ける

「さよなら………」

「…残念それはさせねぇよ」

アキラがスバルに斬りかかる

アキラがスバルを刀で斬り裂く

スバルはそのまま崩れ落ちた

ただ最後にスバルは能力[自爆]を使い爆発した

爆風の影響でヒカルが気を失った

だがアキラが刀で爆発を受けたためヒカルは生きている

そこへ瓦礫を超えてきたキセキがたどり着いた

「スバル…!?」

「キセキ 生きてたんだ」

「アキラお前……許さない」

「さっさとこいよ」

アキラが刀を構えた


ーだが この時ヒカルの家に危機が訪れていた

玄関の前で天空防衛軍の歩兵二人が話していた

「この家の中に悪魔がいるらしいぜ」

「よし 早速行こう」



ー刀を構えるアキラは最早皆が知るアキラではなかった

目の前で一人の信じ合えるパートナーが殺されそうになったことでアキラの本性が現れた

キセキが上から飛び降りて大剣を振り下ろしたがアキラが刀で受け流した

そのままアキラが刀で斬り掛かった

だが寸前のところでキセキが空中を通り元の位置へと戻った

(キセキの能力は[逆再生]といったところか……なら)

キセキが降りてきてアキラに斬りかかる

アキラは華麗に避けて攻撃を仕掛けた

キセキが能力[逆再生]を使い斬り返したが当たらなかった

そのまま戻って行ったがアキラが追いかけて追撃を仕掛けた

アキラがそのままキセキを斬り裂くとキセキは崩れ落ちた

アキラはヒカルを抱えて家へ戻った

玄関の扉が開いていたことにアキラは嫌な予感がした

すぐに中に入った すると声が聞こえた

「本当にこいつが悪魔なのか」

「あぁ 眠らせたからそのまま運ぶぞ」

その瞬間ヒカルが起きた

[未来視]が作動した瞬間ヒカルは扉を壊して歩兵を蹴散らした

「逃げられた…!!!」

アキラは前方に運送機が走っていることに気づいた

「あの運送機だ!」

ヒカルは駆け出し運送機の上に飛び乗った

中からコハルの声がする

ヒカルが天井を斬り裂き歩兵を蹴散らした

すぐにコハルのロープを外し コハルを抱えて運送機を飛び降りた

「ヒカル…」

「大丈夫か?」

「あ…ありがとう」

ヒカルはコハルを抱えて歩き出した

しかしヒカルはコハルにさえ言わなかった

運送機の運転手に気づかせないよう戦ったこと

そして運送機の内部に大量の爆薬と爆弾を仕込んでおいたことを

そしてその爆弾の起爆条件が運送機が止まることということを

だが運送機の向かう先がどうなったかはヒカルすら知る由もなかった

ただとんでもないことになるということだけはわかった

なぜなら悪魔と天使合計四人と同じ重さの分爆薬を仕込んだためだ

家に着いて全員は考えた

「…ここからどうしよう」

とりあえずアキラは家に泊まることになった

しかし天空防衛軍を敵に回してしまったのはとても危険なのはよくわかっていた

「あの…悪魔達って別に危害を加えるつもりのない天使は嫌いじゃないんだって」

「「まさか!」」

「私達のところ来ませんか?」

ー 色々話した末 悪魔達のいる場所には行かないことにした

「何でですか?」

「あっち行くために通るゲートは警備が厳重なんだよ」

「事実俺も近寄ったことない」

「わかった」

「…ただ そうするとこれからどうしようかな」

「もう天空防衛軍潰せば良くない?」

「そうすれば悪魔とも仲良くなれるよ」

「「名案だぁ」」

「…コハルは戦える?」

「戦えるよ」

「よし 天空防衛軍潰そう」

ヒカルとアキラとコハルは天空防衛軍の本部基地に着いた

作戦はただ奇襲するだけだが最善は尽くした

「行くぞ……せーの」

奇襲は成功した

そのまま歩兵を蹴散らし奥へと進んだ

すると大広間に本部長が座っていた

周りには歩兵と戦闘員が四人集まっていた

「行くぞ 突撃ー!」

コハルが弓を放ち アキラとヒカルが暴れまわった

歩兵全員と戦闘員を一人倒せたが残りの戦闘員は生き残っていた

「お前らは終わりだ 能力発動[爆弾魔]!」

「キセキとスバルの仇 能力発動![創造神]」

「… 能力発動[再試行]」

「やるしかない…能力発動[未来視]」

「ここで終わらせる…能力発動[神格化]」

「みんなのために 能力発動[時停止]」

(未来を見たら敵の能力がわかってしまった)

([爆弾魔]が爆弾を生み出す能力 [創造神]は物体を作り出す能力)

([再試行]は指定した動作を一回だけもう一回繰り返させる能力と言ったところか)

(そしてアキラの[神格化]は自身を強化するみたいなものだな)

(…コハルの[時停止]は名前からして時を止めるみたいなもんかな)

すぐに爆弾と刃が雨のように降ってきた

だがすぐに敵の攻撃を含むコハル以外の全てを静寂が包んだ

コハルの能力[時停止]によるものである

コハルの体感時間15秒までに矢が14発放たれる

時が動き出し 矢が敵を貫いた

しかしどれも致命傷とはならなかった

すぐに[爆弾魔]と[創造神]がコハルに攻撃を仕掛ける

「残念でした失敗です」

能力[神格化]を発動したアキラが爆撃を防ぎ刃を弾いた

すぐにヒカルが[創造神]に斬りかかった

しかし全く同じ攻撃を二回してしまったため

ヒカルに[創造神]の攻撃が当たってしまった

「…!!」

ヒカルはかなり吹っ飛ばされた

だがその隙をついてアキラが[爆弾魔]を倒した

そのまま[創造神]に斬りかかるがいなされてしまった

そこにヒカルが戻ってきた

「[未来視]!!」

未来を見てすぐヒカルは[再試行]に斬りかかった

[再試行]が少しよろけたところにコハルが矢を放った

すぐに[再試行]に矢が命中した

ヒカルがそこに斬りかかると[再試行]は倒れた

ヒカルがアキラの方を向いた瞬間アキラに刃が命中した

「アキラ これで終わりだ」

「……」

アキラは二枚目の刃が命中すると気を失ってしまった

そこにヒカルが駆けつけ [創造神]を斬り裂いた

「…アキラ」

ヒカルがアキラに呼びかけるとすぐに意識を取り戻した

「やられた でもヒカルは本部長を倒せ」

「コハル アキラをよろしく」

「…わかった」

するとアキラは気を失ってしまった

まだ座っている本部長にヒカルは掴みかかる

「話なら君が生き延びれた時教えよう」

「ヒカル……!!」

ヒカルは手を離すがもう遅かった

本部長がテレポートした ヒカルもそれに巻き込まれた

「さて 頑張ってくれたまえ」

ヒカルの周りを戦闘員が取り囲む

しかしこうなることをヒカルは知っていた

「じゃあ これからの天使の将来に向かって…全員で爆ぜようか!!」

「こいつ…ヒカルじゃない!」

ヒカルの姿の能力者は[神格化]を発動し 爆薬に火をつけた


ーコハルがアキラの手当をしている時

アキラの身体が変なことに気づいた

「ん?なんか剥がれる」

「…..!! ヒカル!?」

倒れているアキラの姿はヒカルの姿に戻った

「….あれ? なんでここにコハルが……アキラ まさか」

ヒカルが起き上がると轟音が鳴り響いた

外を見ると近くの倉庫が爆発していた

ヒカルとコハルは向こうで起きたことを悟った

仲間がもうこの世にいないことを

「天界での死は完全消滅だ もう生き返ることはできない」

ヒカルは静かに泣き崩れた

コハルの頬が濡れた


ーそれから天界は悪魔達とも仲良くしようという方針に変わった

天界の変わり身に 悪魔達は疑っていたが

今ではとても仲良くしている

その後天界の王となったヒカルがコハルと結ばれるなど色々あったが

[神格化]の能力の持ち主のことを二人とも忘れなかった

そうして一年後ヒカルの二十歳の誕生日の日

ヒカルの家にヒカルの同期の中で本部長に敵対していた人達が集まった

ヒカルはうまく笑えずにいた

それを見たミカサがヒカルに話しかけた

「アキラのことがあるからな 無理して笑わなくていい」

成人のパーティーがそろそろ終盤というところで玄関をノックする音が聞こえた

皆がなぜこんな時にと文句を言っていたがヒカルは未来を見ずに扉を開けた

その場の全員が玄関を向いた

すぐにヒカルは自分の頬をつねった

コハルが誰がきたのか覗き込むとすぐに涙が溢れてきた

それもそのはず全員の前にいたのは

かつてヒカルを救った[神格化]の能力者だった

「久しぶりだな ヒカル コハル」

その名前はー

「「アキラ…!!!」」

ヒカル達英雄の最後の一人が揃った瞬間だった

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