⭕ 第6回、動画撮影 3
マオ
「 ………………他の部屋にも有るのかな? 」
セロフィート
「 有るかも知れませんね。
建て替える前に旅館について詳細に調べる必要が有りそうです。
如何わしい部屋を利用した御客を調べて動画にアップしましょう♪ 」
マオ
「 それはプライバシーの侵害ってヤツになるんじゃないのか?
炎上しちゃうかも知れないぞ? 」
セロフィート
「 マオ、犯罪者にプライバシー等無いです。
彼等は人権とプライバシーを守る権利を自ら放棄し、犯罪者となったのです。
自業自得です 」
マオ
「 そ…そうなのかな~~ 」
セロフィート
「 慎ましく誠実に暮らしている善良な国民を理不尽な事から守る為の人権とプライバシーです。
自らの意思で善良な国民である事を捨て、犯罪者になった者には適用されません 」
マオ
「 本当に適用されないのか? 」
セロフィート
「 さて、どうでしょう?
人間ではないワタシ達には関係無い事です。
気にせず人間で遊びましょう♪ 」
マオ
「 セノコン、此処の会話はカットな~~ 」
セノコン
「 はいですエリ。
放送禁止用語として “ ピー ” しときますエリ★ 」
マオ
「 “ ピー ” じゃなくて── 」
言っても無駄なんだな?
はぁ…………。
オレは大炎上したって知らないからな!!
そんなこんなで、セロと撮影係りのセノコンと一緒にマオキノとは別行動した。
マオキノが入って物色した部屋のドアは壊されていた。
壊れているドアは鍵が掛かっていた部屋だけみたいだ。
キノコンは可愛い容姿をしてるけど、物凄い怪力なんだ。
軽くグーパンしただけなんだろうけど、ドアが部屋の壁にめり込んでいるのが分かる。
いやはや、おっかない怪力だ。
セロフィート
「 ──マオ、来てください。
バスルームです 」
マオ
「 えっ、地下室にバスルームが有るんだ? 」
オレは転ばない様に気を付けながら、セロの隣へ向かう。
一通り荒らされているらしく、歩くのも一苦労だ。
セロフィート
「 マオ、見てください。
壁や天井にスプレーで落書きがされてます 」
マオ
「 えっ?!
これって落書きなのか?
飛び散った血が黒ずんでる様に見えるんだけど?? 」
セノコン
「 マオ様、空のスプレー缶がバスタブの中に捨てられてますエリ 」
マオ
「 スプレー缶が? 」
オレはバスタブの中を覗いてみると、確かにスプレー缶が捨てられている。
かなりの数だ。
バスタブをゴミ箱代わりに使ったんだろう。
セロフィート
「 スプレーを使い殺害現場風にしたかったのかも知れませんね 」
マオ
「 紛らわしい事をするんだな……。
じゃあ、此処にも不良達は来てるって事だよな 」
セロフィート
「 先へ進みましょう 」
マオ
「 もう、十分なんじゃないか?
残りは昼間になってからって事で── 」
セノコン
「 マオ様、昼間でも地下室は暗いと思いますエリ。
電気,水道,ガスは止まってすエリ 」
マオ
「 …………はぁ…………分かったよぉ~~ 」
セロに手を引かれて先へ進む。
マオ
「 セロ、このドアは未だ壊されてないみたいだよ 」
セロフィート
「 入ってみます? 」
マオ
「 そ……そうだな? 」
ドアには鍵が掛かってなくて、ギギギ──と鈍い音を立てながら開いた。
マオ
「 此処は──トイレみたいだな?
──うわっ、最悪じゃんか!
便器の中に “ ブツ ” が残ってる!! 」
セノコン
「 マオ様、“ ブツ ” なんて言ったら麻薬と勘違いされちゃいますエリ 」
マオ
「 トイレから麻薬なんて出て来ないと思うけどな? 」
セロフィート
「 水で流せないから残っている様ですね。
おや──、使用済みの注射器も何本も落ちてます 」
マオ
「 ………………何でトイレに空の注射器なんかが落ちてるんだ?? 」
セノコン
「 此処なら薬物を思う存分に使う事が出来ますエリ 」
セロフィート
「 真新しい注射器みたいですし、最近のでしょう 」
マオ
「 良くもまぁ、排泄物が残ってる場所で注射なんて出来るよな?
イカれてんのか?? 」
セロフィート
「 先へ進みましょうか 」
セノコン
「 この注射器は地元の警察署へ届けますエリ。
使用者の指紋がベッタリと付いてるかも知れませんエリ 」
マオ
「 そだな…… 」
オレはセノコンから撮影用カメラを受け取る。
セノコンは笠の中からジッパー付きの袋を取り出すと落ちている注射器を器用に拾う。
ジッパーを閉じたら笠の中へ注射器入りの袋を入れた。
セノコン
「 マオ様、有り難う御座いますエリ 」
セノコンに撮影用カメラを返して先へ進む。
セロフィート
「 マオ、ドアが有ります 」
マオ
「 今度の部屋は何だろうな? 」
セノコンがドアを開けてくれる。
中を見ると急騰室みたいだ。
マオ
「 従業員用の急騰室だったのかな? 」
セロフィート
「 おや──、何か落ちてますね 」
マオ
「 近くにゴミ箱が有るのに床に捨ててるな。
ゴミ箱の意味ぃ~~。
四角い袋だけど、何が入ってたんだ? 」
セノコン
「 男性器に被せるコンドームですエリ。
此方にも落ちてますエリ 」
マオ
「 …………………………何で急騰室の床に捨ててあるんだ?? 」
セロフィート
「 古い袋も有りますけど、真新しい袋も有りますね。
急騰室の奥に部屋が有るのではないです? 」
マオ
「 ──あっ、仮眠室みたいな? 」
セノコン
「 マオ様、襖が見えますエリ。
開けてくださいませエリ 」
マオ
「 オレかよ…… 」
オレは嫌だけど急騰室の奥に有る襖を開けた。
スムーズに開かないから苛々しちゃったよ。
襖の奥には畳の部屋があって、布団が敷かれていた。
その上には、使用済みのコンドームとやらが大量に置かれている。
意味が分からないな……。
マオ
「 何で敷布団の上に──。
然も液体みたいなのが出てるし…… 」
セノコン
「 使用者の精液ですエリ。
ばっちいから触っちゃ駄目ですエリ 」
マオ
「 触るかよ! 」
セロフィート
「 真新しい使用済みですね。
後でゴミと一緒に持ち主へ返してあげましょう。
持ち主が使っている布団の中にしましょうか? 」
マオ
「 ははは……。
寝てる顔の上で良いんじゃないか?
口の中でも良いと思うけど、窒息死しちゃうかも知れないからな~~ 」
セロフィート
「 眠っている顔の上にしときましょう 」
セノコン
「 次に行きますエリ 」
マオ
「 未だ有るのか?
もう、十分だと思うけどな~~。
処でさ、配信する時はモザイクを入れるんだよな? 」
セノコン
「 修正版と無修正版を同時配信しますエリ。
無修正版は20歳以上の強者視聴者のみ視聴可能な制限を付けますエリ 」
マオ
「 そうなんだ……。
無修正版を見たい視聴者って居るのかな?
通報されたり削除されたりしないかな? 」
セノコン
「 無修正版を見たくない視聴者は修正版を見れば良いですエリ。
その為に一般向けに配信しますエリ。
態々無修正版を見てコメント荒らしする様な非常識はボク達が美味しく頂きに行きますエリ★ 」
マオ
「 ………………喰べる気満々かよ… 」
セロフィート
「 先へ進みましょう 」
マオ
「 未だ先が有るのかよ?
もうさ、次で最後にしないか?
オレ、旅館から出たいよ…… 」
セロフィート
「 マオ──、今回はマオに活躍してもらう為に出張動画の撮影を計画しました。
確り役目を果たしてください 」
マオ
「 うげぇ~~~~ 」
オレは嫌々セロと一緒に先へ進む事になった。
セノコン
「 ──セロ様、此方に部屋が有りますエリ 」
セロフィート
「 入りましょう 」
マオ
「 お、おぅ…… 」
ボロボロの襖にはスプレーで卑猥な落書きがされている。
マオ
「 …………この襖にもモザイク確定だな~~ 」
オレは襖を開ける。
マオ
「 襖を開けた先は別世界でした──なんちゃってな! 」
なんて笑いながら部屋を見たら────。
マオ
「 きゃあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーっっっ!!!! 」
オレは悲鳴を上げてセロに抱き付いた。
セノコン
「 今のマオ様、めちゃんこ良かったですエリ★
面白い爆笑映像になりますエリ 」
マオ
「 今のは絶対にカットしてくれよな!! 」
セロフィート
「 これは神棚ですね。
随分と粗末になってます。
マオ、離れてください 」
マオ
「 嫌だよ!! 」
セノコン
「 マオ様、三面鏡が有りますエリ。
三面鏡を開けてくださいませエリ 」
マオ
「 何でオレ? 」
セノコン
「 マオ様の勇猛果敢な勇姿を視聴者に見せたいですエリ 」
マオ
「 三面鏡を開けるだけなのに大袈裟だな~~ 」
オレは嫌だけど、仕方無いから三面鏡を開けた。
三面鏡には御札がビッシリと張り付けられている。
気味が悪い。
セロフィート
「 ははぁ……。
これは曰く憑きの三面鏡ですね 」
マオ
「 曰く憑きって?? 」
セロフィート
「 セノコン、この三面鏡は持ち帰りましょう。
霄囹さんへの贈り物にします 」
セノコン
「 畏まりましたエリ! 」
マオ
「 こんな御札だらけの不気味な三面鏡を貰ってシュンシュンが喜ぶかな? 」
オレはセノコンから撮影用カメラを受け取る。
セノコンは三面鏡を閉じると、開けた笠の中へ器用に入れた。
マオ
「 セロ、この小汚なくて埃まみれのボロボロな神棚はどうするんだ? 」
セロフィート
「 神佛の御神
マオ
「 入
セロフィート
「 人
マオ
「 でもさ、能力
セロフィート
「 “ 生かされている ” という現状で存在を把握しているだけです。
このまま神
持ち帰り、綺麗にしましょう。
新しく建てた健康ランドに取り付け、お祀
マオ
「 そうだな。
神
セロフィート
「 神
御
御
不運や不幸,病気,事故,事件,災難等
き
マオ
「 でもさ御
セロフィート
「 知った事ですか。
セノコン、神
セノコン
「 畏
セノコンは笠