⭕ 第6回、動画撮影 2
──*──*──*── 地下階段
マオ
「 ──うわっあぁ~~。
全然、掃除されてないじゃんかよぉ~~~~!!
埃っぽいし、クモの巣も張ってるじゃんか!! 」
セロフィート
「 雰囲気は有りますね 」
マオキノ
「 今にも霊的存在が現れそうですエリ~~ 」
マオ
「 何で楽しそうなんだよぉ~~。
♪と♥️を飛ばさないでくれよ!! 」
セロフィート
「 マオ──、離れてください。
階段が下り難いです 」
マオ
「 良いじゃないかぁ!
怖いんだからさぁ!! 」
マオキノ
「 ──セロ様ぁ~~,マオ様ぁ~~、広間に出ますエリ 」
マオ
「 広間??
地下って広間になってるのか?? 」
マオキノ
「 これは凄い惨状ですエリ 」
マオ
「 す…凄い惨状って何だよ…?? 」
セロフィート
「 マオの怖がりさん。
白骨死体が転がってるかも知れませんね? 」
マオ
「 言うなってばぁ!! 」
階段を下りた先には確かに広間だった。
──*──*──*── 広間
マオ
「 旅館の地下に広場が在るなんて── 」
セロフィート
「 これは──、随分とゴミが多いですね。
落書きも酷いです 」
マオキノ
「 どうやら此処は不良の溜まり場に使われてるみたいですエリ 」
マオ
「 不良の溜まり場ぁ? 」
マオキノ
「 この土地は《 セロッタ商会 》が買い取りましたエリ。
金輪際、不良の立ち入りは出来なくなりましたエリ~~ 」
セロフィート
「 落書きは治安の悪くする引き金となる迷惑行為です。
旅館を建て直し、健康ランドとして流行らせるなら、落書きをする不良達を掃除しなければいけませんね 」
マオ
「 掃除ぃ?
始末の間違いだろ~~ 」
セロフィート
「 マオ、撮影中です。
滅多な事はオブラートに包んで発言してください 」
マオ
「 セロがオレに言うのかよ!?
逆だろぉ~~ 」
セロフィート
「 “ スプレーアート ” と称して落書きをする行為は違法ですし、立派な犯罪行為です。
何処の壁や道にも “ 持ち主 ” が必ず存在します。
持ち主に許可なく壁に描いた時点で立派な犯罪者の仲間入りをする事になります。
米●町内の落書きは、落書きをした本人達に掃除してもらうとしましょう 」
マオ
「 元通りになる様に消させる──って事か。
良いんじゃないか?
まるでボランティアだな 」
セロフィート
「 持ち主に許可を貰わず、壁や道に落書きをした際には、両腕を壊死させるとしましょう。
流石に両腕を無くせば、“ グラフィティライター ” や “ スプレーアート ” を悪用した迷惑な落書き行為を繰り返す輩が一時的にでも減少はするでしょう。
足や口を使い落書きをする強者が出て来ないとは限りませんけど、数は少ない筈です 」
マオ
「 酷いな……。
確かに壁や道持ち主が居るのに許可を得ないで落書きするのは道德的にも人道的にも良くない事だし、迷惑がる住人が圧倒的に多いのは分かるけどさ──、両腕を壊死させるってのは…… 」
セロフィート
「 マオ、犯罪天国都市である米●町で、両腕が壊死する奇妙な事件が起きたとしても、誰も気には止めません。
その程度の事件等何処かで必ず起きてますし、然して珍しい事件でもないです。
然も被害者は “ グラフィティライター ” や “ スプレーアート ” を悪用し、治安を揺るがし悪化させ、犯罪を誘発する切っ掛けとなる迷惑極まりない落書きをコソコソ隠れて続けていた犯罪者です。
一体何処の誰が、彼等に同情すると? 」
マオ
「 ……………………家族……とか?? 」
セロフィート
「 知った事ですか。
此方には犯罪者に報いを与える大義名分が有ります 」
マオ
「 何が大義名分だよ。
暇潰しに人間で遊びたいだけだろ~~ 」
マオキノ
「 セロ様、義手を付けて落書きを始める不届き者が現れるかも知れませんエリ。
義手を付けれない状態に壊死させる必要が有ると思いますエリ 」
セロフィート
「 その通りです、マオキノ。
義手を付けれない様に骨と神経には細工するとしましょう。
落書きの常習犯が減ると良いですね 」
マオキノ
「 はいですエリ。
またまたボク達のオヤツが増えますエリ♥️ 」
マオ
「 セノコン、分かってると思うけど、編集する時にカットしてくれよ。
こんな問題発言を配信したら大炎上間違い無しだからさ…… 」
セノコン
「 心得てますエリ。
視聴者受けしてバズる動画に編集しますエリ★ 」
あ──、これは駄目なヤツだ。
セノコン、カットしないで使うかも知れないな……。
マオ
「 それにしても──、こんなにポイ捨てして行くなんて、酷い不良達だよ。
結局は住居無断不法侵入罪──っていうのになるんだろ? 」
マオキノ
「 “ 無断 ” は付かないと思いますエリ~~ 」
マオ
「 自分が出したゴミをポイ捨てして知らん顔する奴等も許せないよな!
セロ、此処に落ちてるゴミだけど、捨てた持ち主に返してやれないか? 」
セロフィート
「 ふふふ…。
良いですよ。
どうせなら米●町内に捨てられているゴミも持ち主へ返すとしましょう 」
マオ
「 それが良いよ!
そうだ!
時期外れになるけどさ、サンタクロースからのプレゼント風に返さないか? 」
セロフィート
「 はいはい。
マオの好きにしてください 」
マオキノ
「 米●町が綺麗になりますエリ。
反対にゴミをポイ捨てした人間にとっては気味の悪い現象ですエリ 」
マオ
「 目が覚めたら、サンタクロースから季節外れのクリスマスプレゼントだもんな!
【 ゴミは捨てずに持ち帰りましょう 】って書いたメッセージカードも付けてやろうよ。
これ、ニュースに取り上げられるんじゃないかな? 」
マオキノ
「 マオ様は新しい事件を考える犯罪コーディネーターを目指されますエリ? 」
マオ
「 なっ…何言ってんだよ──。
犯罪コーディネーターって何だよ?? 」
マオキノ
「 推理小説のシャーロック・ホームズに登場する悪役のモリアーティ教授ですエリ 」
マオ
「 御免な、知らないや…… 」
セロフィート
「 マオ──、奥に続く通路があります。
先へ進みましょう 」
マオ
「 未だ先があるのか?
何の為に使われてた広間かも分からないのに── 」
マオキノ
「 宴会場だったのかも知れませんエリ。
下は床ではなくて畳ですエリ 」
マオ
「 畳ぃ?
そう言えばツルツルしてないよな?
でもさ、何で態々地下に宴会場なんて作ったんだ?
旅館の間取りにも描かれてないなんて、おかしくないか? 」
マオキノ
「 おかしい──と言うより、怪しいですエリ。
きっと訳ありですエリ 」
マオ
「 良くない訳だったりするのかな? 」
セロが見付けた奥へ続く通路の中へ入って進む。
途中から階段になっていて更に地下へ下りる事になった。
マオ
「 階段の横幅は広いけど、足元に障害物が有って歩き難いな…… 」
──*──*──*── 通路の先
マオ
「 ──ますます汚ない場所じゃないかよ?
どうせなら昼間に来たかったな~~ 」
マオキノ
「 怪しい雰囲気ですエリ。
ヤバい気配がプンプンしますエリ 」
マオ
「 マオキノ!
そういう事を言うなよぉ!! 」
セロフィート
「 ドアが幾つも有りますね。
1室ずつ開けてみましょう 」
マオキノ
「 怪異と “ こんにちは ” するかも知れませんエリ 」
マオ
「 今は夜だから “ こんばんは ” だろ…… 」
セロフィート
「 マオ、開けてください 」
マオ
「 嫌だよ!
セロが開けたら良いだろ! 」
セロフィート
「 今回はマオが活躍する為の動画です。
さっ、開けてください 」
オレはセロに促されて、汚ないドアノブを掴んでドアを開ける。
軍手くらいは用意してほしかったよ!!
マオ
「 う~~ん?
特に何も…………って、うわっ!?
何だ…………鏡かよ……。
はぁ~~~~~~吃驚したぁ~~ 」
マオキノ
「 壁に取り付けられていた鏡みたいですエリ 」
セロフィート
「 ベッドも有ります。
おや、これは── 」
マオキノ
「 それは “ いけない大人の玩具 ” ですエリ。
此処は──良い歳をした大人が “ 厭らしい卑猥な玩具 ” を使って様々な羞恥プレイを楽しむ為の部屋ですエリ!! 」
マオ
「 決め付けるのが早過ぎやしないか?
“ 大人の玩具 ” は偶然かも知れないだろ? 」
セロフィート
「 箱に入ってベッドの下に隠されてましたけど? 」
マオ
「 態々見付けなくて良いだろ!
使用済みでばっちいに決まってるんだから、セロは触ったら駄目だからな!!(////)」
セロフィート
「 はいはい。
触りません 」
セノコン
「 マオキノ、大人の玩具は戦利品として回収するエリ。
後で綺麗に洗って動画に上げるエリ 」
マオキノ
「 了解エリ 」
マオ
「 ばっちいのに持ち帰るのかよ?! 」
マオキノ
「 セロ様、ボクは他の部屋を確認して来ますエリ 」
マオキノは笠からスマホを取り出すと意気揚々と部屋を出て行った。