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✒ 配信動画 4


 練習を始めてからだいぶん時間がったけど、オレはひょうじょう滑り続けていた。


 そとと≪ ダンジョン ≫との時間の流れが違うから、なん時間≪ ダンジョン ≫にても問題無いんだ。


 ≪ ダンジョン ≫で過ごす1時間(60分)は、そとでは1秒になっているからだ。


 セフィからさま(さま)な技を教えてもらいながら、1つずつ確実にクリアして行く。


 コツを掴んで完璧に出来るようになると、セフィがスタンプ帳にセロカくんスタンプを押してくれる。


 オレが技に挑戦して失敗したり、転んだりするたびにキノコン達のテンションが異様にがる。


 カシャカシャ,パシャパシャとシャッターおんとフラッシュが激しくて、失敗したオレの姿を嬉しそうにレンズにおさめるキノコン達。


 「 もっと、おかわりほしいエリ~~♥️ 」「 マオ様ぁ~~、おかわりくださいエリ♥️ 」と喜ぶキノコン達に、一寸ちょっとだけはらたしさを感じる。


 “ おかわり ” がなんなのか、オレには分からない。


 オレが技を成功させたときよりも失敗したときほうが盛りがるのって、あんまりだと思う!!






セフィ

「 マオ、だいぶん自然に滑れるようになっててるね 」


マオ

「 そうかな?

  セフィの教えかたいからだろ(////)」


セフィ

「 マオが頑張れてるからだよ 」


マオ

「 セフィ~~♥️ 」


 やっぱ、このセフィ好きだぁ~~(////)


 抱き付いて押し倒したい──。


セフィ

「 色んな技も出来るようになってたから、滑りながら棒術をしてみようか 」


マオ

「 棒術?

  抜刀術を披露するのにかなたじゃなくていのか? 」


セフィ

「 マオ、慌てないで。

  真剣はだ早いよ。

  ずは棒術で試し打ちをするよ 」


マオ

「 分かった。

  滑りながら棒術か──。

  出来るかな? 」


 という訳で、真剣を使った抜刀術の練習をするまえに、セフィと棒術をする事になった。


 棒術に使う棒はセフィが用意してくれた。


 最初はく棒術が出来なくて、おぼつかい感じだったけど、セフィと打ち合っているあいだだん(だん)さまになってた。


 しっかりと地面に足を付けてする棒術とは違って、滑りながらの棒術はむずかしい。


 “ さまになってた ” とは言え、フラ付いたり、バランスを取りそこねる事がしば(しば)有る。


 オレがなんとか棒術の形をたもてているのは、セフィがオレに合わせて手加減をしてくれているからだ。


 本気のセフィと打ち合ったら確実にける。


 キノコン達の声援の中には「 おかわりくださいエリ~~ 」の “ おかわりコール ” がと多くて、オレが失敗する瞬間を今か今かと心待ちにしている。


 どんな宣伝動画を作ろうとしてるのか不安でならない。






 結局、オレはセフィと30時間もひょうじょうで棒術をしていた。


 そとの時間では30秒しかっていない事になる。


 30時間も棒術を続けていれば、それなりに上達する。


 セフィに認めてもらえたから合格スタンプを押して貰えた。


 棒術をクリア出来た事もあり、次は竹刀しないでセフィと打ち合う事になった。


 セロからスパルタ稽古を受けていた事もあり、剣道も経験みだ。


 滑りながら打ち合うなんて初めてのこころみだから、慣れる迄は大変だな。






──*──*──*── 30時間後


 竹刀しないでの打ち合いもセフィから合格をもらえた。


 次はぼくとうを使っての打ち合いだ。


 ぼくとうでの打ち合いが終わると、もっけんを使った打ち合いをするみたいだ。


 たっぷり,じっくり,しっかりと30時間ずつ打ち合いをする事になる。


 もっけんの打ち合いが終わったら、いよいよ真剣でり合う事になるかも知れない。


 抜刀術じゃなくても居合い術でもじゅうぶんなんじゃないかって思うんだけど……。


 セロが決めた事だし、なにか意味が有るのかも知れないな。


 オレは慣れる為に練習するだけだ。






──*──*──*── 60時間後


 ぼくとうでの打ち合いともっけんでの打ち合いが終わった。


 上達が早い事をセフィに褒められた(////)


 次からは真剣を使ってのり打ち合いになるだろうから、緊張する。


セフィ

ずはさかとうを使うよ。

  そのあとに真剣でりち合うからね。

  さかとうは本番まえのリハーサルだと思うようにね 」


マオ

「 本番さながらのリハーサルが真剣のり合いって事だな 」


セフィ

「 準備はいかな 」


マオ

でもいぞ 」


 手渡されたさかとうは、ずっしりと重たい。


 セロがオレの為に用意してくれている重さの感じないさかとうとは違う。


 なんちゃってさかとうじゃなくて、これは本物のさかとうだ。


 このあとに使う真剣も、ずっしりと重たいんだろうな。


 本来なら両手で使うかたなを片手で振るわないといけないんだから、相当な腕力が必要になるよな……。


 昔のさむらいって凄いっ!!


 かたなの扱いかたも振りかたいろんな時代劇をさん(ざん)見ててるから、だいたいは把握している。


 折角の機会だからな、いろんな斬りかたに挑戦してみようと思う。


 重たいさかとうを腰にげた状態で構える。


 オレと向き合うようにセフィもさかとうを腰にげて構えている。


 オレとは微妙にかたが違う。


 なにも言わない。


 たがいに見つめ合い、視線だけで合図を交わす。


 キノコン達の黄色い声援も不思議と聞こえ無くなるせいじゃはいった瞬間──、セフィとオレは同時に鞘からさかとうを抜いた。


 いや、同時じゃない。


 セフィのほうが一瞬だけ早かった!!


 ほんの1秒差で勝敗が決まってしまう事も有る剣術の世界──。


 1秒差でいのちを落とす事になりねない死と隣り合わせな危険をはらむ剣術の世界──。


 一瞬の迷いがいのち取りになりねない真剣勝負の世界──。


 容赦無くり込んでるセフィのさかとうを受け流し、オレも反撃とばかりにり込む。


 たがいに1歩もゆずらない攻防戦がラリーのように続く。


 セロは強い。


 オレのレベルに合わせてわざ(わざ)セフィ(器人形)を使って相手をしてくれているけど、それでも本来の強さを完全にセーブが出来ていないのが分かる。


 今でもオレの為に加減をしてくれているのがいやってほどに伝わってる。


 くやしいなぁ…………全力をしてもなお、セフィに手加減をさせてしまっている自分の弱さとさがくやしくてたまらない。


 もっと強くなりたい。


 セフィが手加減をしないで、オレとり合えるぐらい、強くなりたい──。


 セフィとオレは30時間、みっちりとさかとうでの合いをした。

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