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料理王子の謎解きレシピ  作者: 地野千塩


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お茶会とマリッジブルーの謎(10)

 明日香と勇人の一件が解決して数日たった。


 勇人の風邪は軽症で、数日で治ったそうで、秋人の屋敷に再びやってきたようだ。


 しかも秋人に料理を教えてほしいと頼み込んでいた。忙しい秋人は困ったが、土下座をして頼み込む勇人が可哀想になったらしい。


 結局、週に一回だけ秋人が勇人に料理を教える事になった。ちなみに美月は、その味見係にもなり、今日もタダ飯を秋人の家のリビングで食べていた。


「ちょっと、これちゃんと分量測りました? この味噌汁しょっぱいですよ!」


 タダ飯といっても料理初心者の勇人が作った味噌汁は、不味かった。野菜の切り方も雑だし、じゃがいもは一部皮が残っている。


「まあまあ、美月ちー。勇人さんは、料理初心者だからさ」

「それにしたって不味いですよ!」


 秋人は宥めていたが、美月はハッキリと言ってしまった。これだと食材を作った農家が可哀想になってくる。


「面目ない」


 涙目で言う勇人は、今日はフェイスシールドはしていなかった。マスクはしていたが、あの一件以来、意識高い行動はやめ、ほどほどに生活するようになったらしい。


 明日香との仲も元通りになったと言うが、今は完全に彼女の下僕状態らしい。結婚後も、勇人が家事をする事に決まったという。なぜか勇人は、ヘラヘラと笑いながら語っていた。


「しかし、料理ってこんなに面倒だったんだな。実際、やってみないとわからなかったよ」


 勇人はしみじみと呟き、味噌汁を啜った。その不味さに顔を顰めていたが。


「でも以外と料理も楽しいでしょ? 味噌汁が以外と難しいが、レンジで作るカレー、カルボナーラは上手くできてたよ」

「本当ですか、師匠!」


 勇人は、秋人の事を師匠なんて読んでいた。あまりにも勇人は調子がよく、明日香が愚痴っていた理由もよくわかってしまった。


「私、こんな大人にだけはなりたくない……」


 ヘラヘラと笑う勇人に、美月はつい本音が溢れる。


 その言葉に秋人は、大笑いしていた。勇人はなぜ秋人が笑っているのか理由がわからなず、瞬きを繰り返していた。


 こうして明日香と勇人の一件は解決したが、美月は勇人と会うたびに、死んだ目をしていた。


 ちなみに彼の料理スキルは、あまり上達せず、明日香を怒らせていた。


 明日香も見た目は可愛らしいが、真澄、藤部、丸山と全く変わらない妖怪女子だと思い、美月は深いため息をついた。

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