ずっと、友達。
高校入学式に出会った、美波と佳奈。実は、最初は仲良しだった……!?なぜ、仲良しの二人がいじめ関係になってしまったのか……。“美波の無邪気な笑顔を見たかった”佳奈の美波への想いとは?
「あの」
騒がしい高校の入学式後の教室。私は誰かに肩をたたかれた。振り返ると、童顔のかわいらしい女の子が立っていた。
「なに?」
その子は髪を指に巻きつけながら、目を逸らした。
「私、この高校に知り合いがいなくて……。あなたも一人だったから……」
その子の顔が赤く染まる。
「だから……、私と友達になってよ。」
そんなことを言われたのは、初めてだった。嬉しい気持ちを表に出さないように、表情に気をつけながら、
「いいわよ。よろしくね。」
と、答えると、
「あ、あ、ありがとうっ!」
その子は、大きな目を潤ませ、私の手を握り、これ以上ないというように喜んだ。……この子は私と正反対だ。かわいい。
「連絡先交換しよ!ほら、スマホ出して!」
彼女に急かされるまま、スマホを出し、連絡先を交換した。トークに新しく出てきた“☆Minami☆”という名前を確認する。
「あ!名前聞くの忘れてた。私、西浦美波。あなたは?」
「私は綾瀬佳奈。よろしく。」
「うんっ!……あっ!私、この後用事があるの。じゃあ、また明日!」
「う、うん。またね。」
嵐のように過ぎ去ったあの子、美波ちゃん。あんなに可愛いあの子が、一年後いじめっ子になっているなんて夢にも思わなかった。
「佳奈。ごめん、もう一緒にいられない。」
一年後のどしゃ降り雨の帰り道、美波に急に切り出された。私と美波は一年間、親友でずっと一緒にいた。時にライバルとして、お互いのクッションとして。前触れもなく切り出されて、とても驚いた。
「どうして?」
「別にどうだっていいでしょ。」
「どうでもいいわけないじゃん!私、何か悪いことしちゃった?なら、おしえて?言ってくれないと分からないって、いつも言ってるじゃん。私、美波が思ってるより、鈍感な……。」
言い終わってないのに、美波は私を突き飛ばした。反射神経がない私は、あっけないほど倒れ、傘が転がり、雨が私を濡らした。
「……だいっきらいなのっ!」
「……え」
「悪いことされたとかじゃなくて、佳奈の存在が嫌いっ!」
「っ……!」
そう吐き残し、美波は走り去った。人通りの少ない道。ずぶ濡れの私を、誰も助けてくれなかった。
次の日、私は何故かクラスの全員に無視された。もちろん美波も。その次の日、誰かに階段から突き落とされた。日が経つごとに、どんどんエスカレートしていくいじめ。いじめの中心がいつの間にか美波になっていた。
私はそれでも、美波が好きだった。コミュ障の私は、声をかけることが出来なかったが、美波には恩を感じていた。美波は私にもう一度振り向いてくれると思い込んでいた。
不登校になる前日。あの出来事で美波はもう、振り向いてくれないことにようやく気づいた。だから、悔しくて、それに気づかなかった私を殴りたくなって。
美波の無邪気な笑顔が、ずっとずっと、見たかったのに。
彼女の笑顔をあの日以来見ることなく、美波は、死んだ。
衝撃の事実の第3話!
佳奈ちゃんはかわいい美波ちゃんをずっと忘れられなかったんですね……。( *´・ω)/(;д; )
佳奈ちゃんの美波ちゃんへの想い、美波ちゃんは気づいていたのかな?
いきなり、仲良くしていた人が自分から離れていって。
つらかったと思う、佳奈ちゃんは。
佳奈ちゃんは、自分から愛情表現をしなさそうだから、伝えられてなかったからかな、とか思ってたり、するのかな……。
皆さんも、大切な人には、言える時に言ってください。好きな人には、“好きです”を。友達には、“ずっと一緒にいよう”って。
長引かせていたら、いつかタイミングを失います。私もそれは何回も経験してるので。好きな人に“好き”を伝えられない人の背中を押せたら、いいなぁ。
片想い中のみんなと私!頑張れぇー!!!!
あなたと恋物語のつながりを!!!
P.S.これが今年最後の投稿となります!まだ始めたばかりですが、これからも応援、よろしくお願いします!よいお年を!!!