6話 戦争準備
「そうか、では、こうしよう、その依頼を俺が代わりに受ける。ただしその期間中は、安全の為にもここにいてもらう。途中で町に帰り、物資を調達してくるんだ。その間にこちらは戦力を整えておく。2カ月も貰えるなら、何とかなるだろう」
「原因を見つけるだけでいいのよ、別に戦争をするわけじゃないわ」
「その原因がダンジョンであった場合はどうなる?討伐軍が組織されるのではないか?」
「確かにその可能性もあるけど、こんな辺境の土地では可能性は低いのよ」
「やはり可能性はあるのだな?」
「でもあなたのダンジョンはできて、まだ2日目になるんでしょ、きっと相手にされないわ」
「悪いが敵がすぐそばにいるとなると、我らも危ない。それに人間の討伐隊がこちらに攻め入ってきては、こちらも生き残りをかけて戦わねばならい。リリアンヌ。これはすでにダンジョン同士の戦争なのだよ。ジャックの容態が良くなれば一度町に戻れ。君たちをダンジョン同士の戦争になるべく巻き込みたくないのでね」
今現在の1,285DPは貯金しておくか。
それから、はダンジョン内で俺も含めてホムンクルススケルトンに稽古をゴブリン達は着けて貰い。
俺自身もホムンクルススケルトンとホムンクルススケルトンメイジに稽古をつけてもらう。
もちろん擬態した状態で、うまく切り替えながらの特訓だ。
そして2週間がたち、ジャックの容態もよくなってきたので一度町に戻ってもらう。
2週間でDPも29,285ポイントたまった。
まずは、ホムンクルススケルトンの装備付きの召喚陣を15,000ポイント使い設置。
その数を増やす。
更に2週間まち、DPを32,285貯めて、ホムンクルススケルトンメイジの装備付きの陣を設置。
これで残りは17,285DPとなった。
その時には我が陣営にも敵のダンジョン攻撃が始まって来ていた。
主にゴブリンやコボルトの軍勢が攻めて来ていたが、もはや相手にはならない。
おかげでこちらのDPも増えて逆効果になっていることに相手は気づいてないのだろうか?
こちらは、女神さまのおかげで、1日2,000DPがはいる。
そろそろ攻め時かと思い、敢えて全滅させずにこちらの情報を持って帰らせた。
もちろん尾行付きで。
結果的にモンスターの異常発生は、相手側のダンジョンが原因であった。
攻め込む準備をしている時に暫くぶりに4人組も帰ってきた。
「本当に行ってしまうのか?」
とは、すっかり傷も癒えたジャックだ。
「ああ、そのつもりだ。考えたんだが、今回の原因の調査だが、正直にダンジョン同士の戦争と冒険者ギルドに報告してくれないか?」
「そんなことをしたら、こぞって冒険者達が君のダンジョンに攻め入る事になるぞ!」
「何故だ?」
「まったく、これだから新米ダンジョンは困る。いいか本来ダンジョンは人間を引きれるために財宝など、貴重なモンスターなどを配置して、人間が寄り付くように作られているんだ。それこそ貴重なマジックアイテムなども含まれるんだ。そこにダンジョン同士の争いが起きれば、勝った方も疲弊していると考え財宝を奪いにいくんだよ」
「私のダンジョンで貴重なモンスターと言えばラッシュマッシュぐらいだが。それも私達の食用だぞ」
「君のダンジョンが普通じゃないのはわかってる、でも他の冒険者は知らないからな。はっきり言って君のダンジョンには旨味がない。まあラッシュマッシュもレアなモンスターだから、高値で取引はされているが……」
ダンジョンとは本来そのような物だったのか。
やっぱり女神様、説明書は必要です。
「それに……」
「まだ何かあるのか!?」
「ダンジョンコアは普通、ダンジョンからでないよ」
うん、それは何となくわかってた。
「取り敢えず4人にはダンジョンの留守を任せたい」
「留守を任せる?やる事なんか何もないだろ」
「なに言ってんだ?俺の戦勝記念に祝ってもらわないと。それに、調味料も持ってきてるんだろう?」
「もう、勝った気でいるのか?相手はきっと格上だぞ、俺が言うのもなんだが、ダンジョンを甘く見るな」
「じゃあ、ダンジョン攻略の先輩として色々教えてくれ、どうすれば、冒険者達はダンジョンを攻略できたと定義しているんだ?」
「基本的にはお宝を手に入れて無事に帰って来ること。2つ目はダンジョンコアを手に入れることだ」
「ダンジョンコアを手に入れる?」
「そうだ、君の場合は特殊過ぎて意味がないだろうが、ダンジョンコアはモンスターを倒した時に手に入る魔石より魔力のエネルギーが多いんだ。だから最終的にはダンジョンマスターを倒して、ダンジョンコアを手に入れる事が、一番の攻略と言われている」
「基本的な質問なんだと思うんが、人間はモンスターの魔石をどう使っているんだ?」
「生活のほとんどに使われている。基本的にマジックアイテムの動力元だな」
「そうか、じゃあ、調味料等との交易として魔石を使えばいいのか?それとラッシュマッシュも」
「本気で交易を望んでいるんだな」
「当り前だろ?うまい飯を配下達にも食べさせてやりたいし、俺自身も食いたいからな」
「そうか。あと、どれくらいで出発する予定なんだ?」
「後、1カ月ってとこだなそうすれば、戦力も整う。でだ、話しを戻すが今、俺とお前たちが持ってきた調味料や香辛料を魔石と交換できる分はあるか?」
「そう言うと思って、多めに持ってきてるよ」
「流石ジャックだな」
「俺というより、姉貴が用意してくれたんだよ」
「そうだったのか、リリアンヌ。ありがとうな」
「あの時、あれだけ調味料が欲しいと言われたら、自分達の分以上に持ってきてるわよ」
「よし、これで今夜はよりうまい飯が食べれるな。では、まず食材のラッシュマッシュを取らないとな。お前たちも自分で用意するんだぞ。柵を設けているからまだ取りやすいはずだ」
「わかった、自分達でも何とかしてみるよ。でもラッシュマッシュってかなり捕まえにくいはずだよな?」
「そこは経験だな」
俺達は第2階層のラッシュマッシュの召喚陣前に来ている。
俺達が来たことで、ラッシュマッシュ達はすぐに臨戦態勢をとる。
いつでも逃げ切る用意をしている。
「こんなに、高級食材が……」
「基本的に俺達は投擲武器で、ラッシュマッシュを取っている。さあ、好きな物を選びたまえ」
といっても俺の手作りの武器だから結構壊れやすい。
それでも前よりは耐久性にも自信がある。
石斧に短槍に投げナイフも今回は追加している。
「お前たち今日は以前俺が言っていた、調味料がある!これでさらに美味く飯が食べれるぞ!」
「おお、以前マスターが言ってた塩なるものゴブか」
「それは楽しみゴブ」
そう言ってゴブリン達は、投擲を開始する。
ラッシュマッシュは相変わらずの速さで、投擲された武器を避けるが、ゴブリン達も俺も学習したのだ。
こちらは連携してうまく軌道を読んで見事にラッシュマッシュに攻撃を当てていく。
すでになれた物だ。
「ゴブリンが投擲でチームワークを発揮している!?」
「投擲が俺よりうまいんじゃないか?」
「あれにあてるのか!?」
「みんな、やるのよ!私達だって、ラッシュマッシュなんて食べた事ない、高級食材なんだから!」
と、クロム、ドク、ジャック、リリアンヌ。
「「「おう!」」」
とやる気を見せた。
「本当にあたらねえ!」
「おいそっち行ったぞドク!」
「これでどう!?」
「ナイスアシスト、リリアンヌ!」
と4人も夢中になってラッシュマッシュを仕留めていく。
取った、ラッシュマッシュはやはり、そのまま焼いて塩や胡椒を少しだけまぶして食べたらめちゃくちゃうまかった。
「これが調味料の力ゴブか」
「確かによりうまいゴブ」
次は鍋をいつか食べてみたい。