3話 2階層と新しい武具
ゴブリンさん達が狩りから戻って来た。
捕まえてきたのは、普通のウサギ2羽と何故か角が生えているウサギ。
どちらも死んでいるので、違いがわかんないけどな!
そして鶏らしき鳥。
後は野イチゴだったり、食べれるらしい、大きなキノコなどを採って来ていた。
まずは順番にウサギから吸収する。
魔石が無いので普通の動物みたいだ。
続いて角の生えたウサギ。
『ホーンラビットの魔石を吸収しますか?』
『ホーンラビットの体を吸収しますか?』
もちろん吸収する。
そしてやっぱりモンスターだった。
そして鶏らしき鳥はやっぱり鶏でした。
どこで見つけたんだろうか?
野イチゴはなんと魔力回復ができる、魔イチゴという種類だった。
そして大きなキノコ。
『ラッシュマッシュの、魔石を回収しますか』
『ラッシュマッシュの体を吸収しますか?』
なんと大きなキノコは、モンスターらしい。
「ラッシュマッシュはとてもおいしいゴブ」
同じダンジョンの仲間にするかと思いきや食用に回されることになった。
おれはダンジョンコアだから、基本的に飲食は必要ないが、おいしいと言われれば、食べてみたくもなる。
メニューオープン
・ウサギ 1羽 1DP
・ウサギ召喚陣 1つ 100DP
・ホーンラビット 1匹 2DP
・ホーンラビット召喚陣 1つ 600DP
・鶏 1羽 1DP
・鶏召喚陣 1つ 100DP
・ラッシュマッシュ 1体 1DP
・ラッシュマッシュ召喚陣 1つ 300DP
その他。
魔イチゴ畑 100DP
という内訳になった。
あんなに活躍したスライム達と魔石のない動物1羽のDPが同じということは、最小が1ポイントなんだろうな。
その証拠に召喚陣も100倍とまだお手頃なお値段と言えるだろう。
「ゴブリン達には悪いがラッシュマッシュの召喚陣は見送ってもらえるか、そんな余裕はないのだ」
「仕方ないゴブ、また外で見つけた時に捕まえるゴブ」
と言いうことで、食料事情を改善するために、ウサギの召喚陣を1つと、鶏の召喚陣を1つ。
畑には魔イチゴの畑を1つ追加した。
これで残りポイントが835ポイントになった。
食料事情が解決したのはいいが、ダンジョンが少し手狭になってきている。
階層を増やしたいのだが、どうすればいいのか分からない。
相変わらず試行錯誤してからの問題だ。
取り敢えず、また色々叫んでみる。
「階層オープン……」
「階層メニューオープン……」
「階層ステータス」
階層ステータス
第1階層
モンスター
・スライム15匹
・ゴブリン15体
以上。
……。
知っとるわ‼
そこからの階層の増やし方が知りたいんです!
「たまには観るって女神様言ってましたよね、観てますか? すでにピンチです、説明書をください‼ 切実に‼」
すると、ひらひらと天井から1枚の紙が降ってきた。
『うっさいわね! ちゃんと観てるわよ、ちょこちょこと。本来のダンジョンは長い時間をかけて成長して階層ができるのよ! 今回は特別に2階層を作ってあげるけど、次からは自分でDPを貯めて地道に頑張るのよ! 技能に追加しておいたから。決して忘れてたわけじゃないわよ。』
と書かれた。ありがたいお手紙を頂きました。
絶対に階層を増やす技能を付け忘れてましたって、手紙ですよね!?
でも、ありがとうございます女神様、2階層を早くも付けてくれるとは。
すると、ゴゴゴゴゴゴゴっと、音と共に1階層がそのまま2階層になってしまいました。
一応、ステータスを確認。
「ステータスオープン」
ダンジョンコア Lv2
DP 835
技能・召喚
・擬態
・階層改築
しっかりと階層改築の技能が追加されてます。
おお、しかもレベルまで上がってる。
てか今まで無かったのも付け忘れですか女神様?
これで、生活拠点を2階層にして、1階層を防衛ラインに宛がうことができる。
しかし、ゴブリン達の装備はその辺に落ちてる木の棒か自らの爪や牙しかない。
何とか装備を整えたいものだ。
と言いう事で、俺はゴブリンに擬態して、みんなの武器を手作りすることにした。
まずは武器はダンジョンコアとしてはアウトな行為だろうが、ダンジョンの外に出てみた。
うん、特に出れないわけではない。ダンジョンの方も問題はなさそうだ。とにかく近くの木に触って吸収する。
ちょおど良い所にいい感じの石があれば、それは持って帰る。
そして、お目当ての黒曜石が見つかった。
これで、槍を作れば大分殺傷能力も向上するだろう。
まあもろいけど、ないよりはマシなはず。
そしてウロウロしていると、白骨化した2人の人間の死体を発見した。
俺は人間の姿になれるんじゃないかと思い吸収しようとした。
『ホムンクルスの魔石スケルトンを吸収しますか?』
『ホムンクルスの体スケルトンを吸収しますか?』
もちろん吸収する。
そしてゴブリンからホムンクルスのスケルトンに擬態した。
そして身に着けている装備、鉄の剣に鉄の盾、皮鎧を吸収する。
「メニューオープン」
・鉄の剣 1本 10DP
・鉄の盾 1枚 10DP
・皮の鎧 1つ 10DP
・ホムンクルススケルトン 1体 50DP
ふむ、いいものを拾った。
しかしここは人里離れた場所なのになぜ?
こんなところにホムンクルスが白骨化していたのだろうか?
考えてもわからん、俺はもう一人の白骨化した、死体にも触れた。
『ホムンクルスの魔石スケルトンメイジの魔石を吸収しますか?』
『ホムンクルスの体スケルトンメイジの体を吸収しますか?』
こちら吸収して、身に着けていた、ローブ、杖を吸収する。
「メニューオープン」
・魔術師のローブ 1枚 10DP
・魔術師の杖 1本 10DP
・ホムンクルススケルトンメイジ 1体 50DP
ふむ、こちらも良い物をひろったようだ。
さて、そろそろ日も暮れるし帰るか。
俺達はダンジョンに戻り今日の戦利品をどうするかを考える。
まずゴブリン達に魔法使いはいないので、今日手に入れた魔術師装備は一旦お預けだな。
問題はゴブリンサイズに剣と盾と鎧を新調できるかだな。
ここは1つ思いついたので、ゴブリンに擬態する。
俺が思いついたのはゴブリン状態で装備の召喚をすることだ。
召喚にあらゆるものを召喚するって書いてあったし、信じてますよ、女神様!
「武具召喚」
で鉄の剣、鉄の盾、皮の鎧を召喚した。
すると装備した状態で召喚できたのだ。
試しに近くのゴブリンにそのまま、武具召喚を試してみると、これも成功した。
よし、あと14セット作って、戦力の増強だ。
俺は調子に乗って全部で16セット作った。
もちろん俺の分も合わせて。
残りのDPが355DPになっていた。
「いいか、それらの武具は今日からお前たちの武具だ。これでダンジョンを守り抜くぞ!」
「流石マスターゴブ」
「大事に使わせてもらうゴブ」
「ところで今日、他に手に入れた、黒曜石やらはどうするゴブ」
「……。忘れてた。手作りで石斧とか槍を作ろうと思ってたんだ。今日はもう遅いから、明日から、みんなでサブウェポンとして作るとしよう。今日は解散。でも侵入者が来たら困るから、交代で見張りはしていてくれ、俺自身のアラームもあるが、見回りぐらいはやっとこうか」
「了解ゴブ」
しかし、眠る必要のない俺は、夜中にみんなのサブウェポンを作り始める。
眠れないのもつらいものがあるな。
そして、真夜中にピンと感じるものがあった。多分、日付が変わったのだろう。
俺は何気なしにステータスを確認する。
「ステータスオープン」
ダンジョンコア Lv2
DP 2,355
なんとダンジョンポイントが一気に2000も増えたのだ。
これか!?
最初に女神さまが1日のポイントも多く上げると言っていたのは。
たぶん、2階層になったから2,000ポイントもついているんだな。
明日、というか、日付が変わったから今日か?
なんかテンションが上がって来たぞ、今日の明け方から何をしようかな。
そういえば、ゴブリン達が食べたかったと言っていた、ラッシュマッシュの召喚陣を作ってもいいな。
俺もゴブリンの姿になれば、食べれるしな。