表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廃墟の遊園地と少女  作者: 門林はみめ
第1章 全ての始まり編
1/8

思い返せば

 私が最後にここを訪れてから何度目の夏だろうか。


 かつては子供が走り回り、カップルが手を繋ぎ、親子が歩いた。たくさんの笑顔で溢れていた夢の世界は暑い中での何回冷たい事件を思い返すのだろうか。


 今や、多くの店が並んでいた大通りは整備がされず、かつてピンク色の道だったアスファルト上の塗装は剥がれ無機質な黒色がまばらに露出していてその脇には多くの長い草が生えている。お土産屋さんの壁には落書きがあり(書いた当本人たちはアートだと言う)ハンバーガーショップのガラスは割れて店内に散乱していた。

 当然子供達の転げるような笑い声など聞こえるはずもなく、吐き気がするほど静かだった。

 奥に見えるカラフルな城は過去の威厳を保ったままだったが、やはり劣化は避けられてはいないらしい。


 子供達の憧れの世界はもう、幽霊が出ると噂のホラースポットでしかない。この、無理にでも明るく見せた空間が逆に夜では不気味に映るのだろう。遊園地の変わり果てた姿は痛々しかった。


 この遊園地では一つの事故があった。残念ながら何年前だったか忘れてしまったが、今日のように暑かったことは記憶している。


「はぁ」


 私は、ため息をついてからイヤホンをして、そこから聞こえるバンドブーム時の曲を聴き流しながらあの頃を思い返した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ