5.冒険者登録のテンプレは主人公が怪しすぎると発動しないらしい
読書で成績が上がるならいつまでも読んでられるのに
「活気のある街だな」
「おー、領主としてはありがたいですねぇ」
「領主?お主が?」
「ええ、そうです」
リアは少し照れくさそうに言う。
「あ、そうそう。エルシアってこれからどうするか決まってます?」
「金を稼ぎたい。これでも戦えるのでな、できるだけ戦って金が獲られることをしたい」
「んー、そしたら冒険者組合ですかね?あそこにある」
と言ってリアは少し先にある建物を指差した。
その建物は、他の建物とあまり変わらないが、入り口の横から小さいドラゴンの首に剣が突き刺さっている赤い旗が突き刺さって、というか突き出ている。
「やっぱりいつ見ても変わりませんねぇ。あ、そうそう、これ、組合の登録料」
少しだけ硬貨の入った袋を渡してくる
「そう、エルシアは可愛いですからね、組合は野蛮人の巣窟と言っても過言じゃないんです。なのでいやらしいこと目当てで近づいてくる奴が居ないとも限らないので、顔を隠すことをお勧めします」
「ほう?…いっそのこと姿まで変えてしまおうか?」
「え…そんなことできるんです?」
「いや、冗談だ。…多分な」
「多分て…ま、組合はすぐそこなので、降りないんですか?」
「降りよう。ではな…」
さて、馬車から降りたが、凄く人の目線を集めて気がする。
目立ちたくねぇ。と、いうわけで、【完全版光学迷彩】を装備し、起動する。
ヴォォォンという効果音と供に視線が外れていくのが知覚できる。
って、ちょっと待て、何で感覚で分かるの!?スキルか?要確認だな。
そして、裏路地に入っていく。
人目がなくなったところで光学迷彩を解除する。で、ストレージにしまう
そして取り出したのは【順応型ブラックサイボーグ】
それを装備する。
目の前が一瞬、暗転する。
視線がかなり高くなった。…確かこのサイボーグって大柄の男みたいな設計だったけ?
「あー、あーー」
良かった。さっきまで自分で聞いてたソプラノボイスではなく、かなり男らしいバスボイスだ。
Aランクの紅葉を装備した。
そこで踵を返すと、組合前まで歩いた。
扉を開け、中に入っていく。中にいた人たちは、僕を見た瞬間にギョ!というリアクションをとった後、すぐに目線をそらした。何故?
受付窓口は上に登録窓口と書いてあったので、すぐ分かった。5個ある受付の一番右だった。
受付嬢…じゃないな、受付おっさんか、
悉くテンプレを壊してきたが…
ま、いいか。
「…!?な、なんだい?兄ちゃん?その格好は騎士か?」
「いや、我は生憎と騎士ではない」
「へぇ?だったら何だ?」
「冒険者志願だ、ということだけは言っておこうか」
「…まぁ、いい。冒険者はある程度の規則さえ守れば自由だからな。何も言わん」
おっさんは紙を差し出してきた。
書くことは、名前と武器と戦闘スタイルだけらしい。
名前:エル
武器:刀
戦闘スタイル:前衛、盾も可能
「登録してくる。少し待ってろ」
「了解だ」
おっさんは受付の後ろにあった扉に消えた。
あ、そういえば冒険者ギルドのテンプレって起こらないかな?
僕が後ろに集まってる冒険者を見ると、ビクッ!!と肩を震わせて、縮こまっていた。
何かあったのだろうか?
まーいいや
おっと、おっさんが戻ってきたな。
「これが冒険者カードだ。説明は必要か?」
「…頼む」
曰く、冒険者組合は、対魔物専門の戦闘集団。因みに対人専門の傭兵組合もあるらしいが、重ねて登録するのは可能らしい。
ランクについてだが、上からSSS、SS、S、A、B、C、D、E、Fで、基準は、そのランク相応の実力を持っていることと、組合の職員に認められること、一定数の魔物を狩ることらしい。
傭兵組合の仕組みとほとんど同じだそうだ
以上。
「分かったか?」
「感謝する」
「登録料は100スピナだ。払ってもらおうか」
「わかった」
シアから渡された袋から(100円玉に似ていたから選んだ)銀貨を取り出して渡した。
「900スピナのお返しだ」
少し大きな10円玉的な奴一枚と小さめの10円玉的な奴4枚渡された。
今日のところは遅いし宿にでも行くか…
「宿はどこにある?」
「ん?この建物の右隣にある」
「助かる」
冒険者組合から出て、右の建物を入ろうとする。
て、あ、これ雑貨屋じゃん。
てことは反対側か…
てことで宿屋にやってきた
「ようこそ風の宿へ、一泊の3食付で200スピナだよ、泊まってく?」
「2泊で頼む」
「400スピナ」
さっきお釣りで貰った小さな10円玉4枚で足りるか…
「毎度あり…部屋は2階の奥しか空いてないからそこで」
「了解」
2階に上がる。歩く。部屋はいる。
簡素なベッドと簡素なカーペット…ただそれだけ
ベッドに飛び込むしかなさそうだな…その前にこのサイボーグを脱いでおかないとな。
暗転からの身長が低くなる感覚にはいつまでたっても慣れないな…
さっきまでちょうどいい高さにあったベッドがかなり高く感じるよ。
でも、このステータスで飛び込むとどうなるか…
「あたっ」
天井に頭をぶつけるのである




