秘められた狂言
お父さん、お母さん私は伊達家にて…。
うん。
平和に今のところは過ごしてます。
私は、この人物をいったいどれだけ理解していただろうか?
その予兆は、突然現れた。
京姫はいつも通り床につき皆も寝静まった頃
カタン
ススッ
トサッ
「あぁ、京姫。やっと手に入った。」
その人物は、彼女の部屋に忍び込み彼女の頬を優しく撫でた。
「これで貴女は俺のモノ」
顔だけ見れば、どんな悪人より悪人に見える顔を彼女に向けるは、あの独眼竜こと伊達政宗だ。
彼は、昔狂姫に魅せられた少年期を過ごした一人である。
彼にとって京姫の器 こそが大切なのであって中身はこれからなんとかすればいいと考えていた。
伊達政宗side
「貴女は俺のモノ…。」
昔から、彼女は一ヶ所に留まるのが苦手に見えた。
何処か飄々としていて掴み所の無い人だった。
それが小さい頃の印象だった。
でも、今はどこか違う気がした。
器と中身が違うのだ!
なんとかしなくてはいけない!
元の狂姫にしなくてはいけない!
昔の彼女に…。
昔、元服を迎える前に狂姫様に遊び相手をしてもらった覚えがある。
「梵天丸様、京はもう疲れました。そろそろ父上様がお戻りになられる頃です。」
彼女は、卯の刻になると決まってその台詞を口にした。
まるで、水車のごとく淡々と彼女はその綺麗な口から言葉をこぼした。
アノときのキョウ姫のように戻すには中身を入れ換えなければ!
もう一度中身を交換する方法を探さねばならない…。
織田になど絶対に渡すものか!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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