第6章 長月(ながつき)/菊月(きくづき) の章
飼育小屋の前のベンチで休んでいる志保
青井 「お〜い、志保〜」
琴葉 「あっ、夕菜」
青井 「やっぱここに居た」
琴葉 「何か用なの?」
青井 「忙しくない?」
琴葉 「大丈夫だよ。ちょうど一段落したところ」
青井 「秋の文化祭だけど…一緒になんかやろうよ。みんなをアッ!と言わすようなこと。どう?」
琴葉 「いいよ。夕菜がなにかするなら付き合うよ」
青井 「いろいろ考えているのだけど、いまいちなんだよね」
琴葉 「難しいよね…みんなが楽しめるイベントは」
青井 「うんうん」「あれ、ここって登下校がよく見えるね」
琴葉 「うんうん、見えるよ。あの人とあの人が一緒に帰っているとか…」
青井 「なんか、情報通になれそうな話題だね」
琴葉 「毎日見ていると解ったりして。いつも待ち合わせして帰る人も居るし、いつの間にか違う人と帰る人も居るし」
青井 「そうなんだ」
琴葉 「誰かが言っていたね…【一緒に帰るのは付き合っている証拠】って」
青井 「まるで家〇婦は見ただね」「そんな見てるだけでなくて、琴葉も彼氏をつくんなよ」琴葉 「こればかりは運命だからね」「そのうちときめくような出会いがあると信じてます。私は…」
青井 「よかったら紹介するよ?志保は勉強できるし、隠れファンも居るみたいだし」
琴葉 「そ、そ、そうなの?知らなかった…」
青井 「私も待ち合わせあるので帰るね。…見た事は人に言わないように!」
琴葉 「はいはい、解ってますよ。がんばってください…」
学校帰り
生澤 「夕菜おそいよ〜まぁ〜まった〜よ〜」
青井 「ごめんごめん さぁ帰ろう帰ろう」
生澤 「何かいいことあったの?」
青井 「ちょっとね。へへへへ」
生澤 「れいみには教えてくれないの?」
青井 「う〜ん…」
生澤 「夕菜、何でも話してくれるって言ったでしょ?」
青井 「…あのね、私に新しいお友達ができたの」
生澤 「それって男の人!?」
青井 「うんうん」
生澤 「どんな人??」
青井 「う〜ん……」
夕菜はしばらく悩んだ後、話し始めた
青井 「二ヶ月ぐらい前にね…ちょっとしたきっかけがあって…」
生澤 「うん」
青井 「れいみも知っていると思うけど、三年の御堂先輩」
生澤 「名前だけは知ってる。よく、クラスで噂になってる人でしょ?」「確か、ドラマとか出てる人だよね?」「あの人がそうだったんだ…うんうん、れいみはあんまりテレビ見ないから解んなかった〜」「それに、男の人って興味な・い・し〜〜♪」(^з^)〜♪
青井 Σ( ̄ロ ̄;)(……絶句)
生澤 「じゃ、今度れいみにも紹介して♪夕菜の友達はれいみの友達♪」
青井 「うんうん」
生澤 「で…その先輩とは、どうなの?」
青井 「まだ始まったばかりの、発展途上ってとこかな?」「何回か、一緒に食事しただけなんだよ」
生澤 「そうなんだ〜…でもすごいね、タレントさんとご飯か…」
青井 「だから今まで、れいみにも言わなかったの。ごめんね?」
生澤 「れいみの強力なライバル出現か?がんばるぞ!!」
青井 Σ( ̄◇ ̄‖)(……絶句)
生澤 「夕菜に彼氏できたのかと思ってたけど、まだ友達か〜。夕菜に怖くて聞けなかったんだ…夕菜が話してくれて、何か嬉しくなっちゃった」
生澤 「やっぱ夕菜は、れいみの思っていた夕菜だ♪」
青井 「本当にごめんね」
生澤 「今思うとサマーキャンプの、れいみと一緒にいたとき…そのことで何か悩んでたんじゃないの?」
青井 「うん…それもあったかも」
生澤 「あの時、れいみ悲しかったんだよ…。夕菜とれいみのラブラブタイムだったのに」
青井 「本当にごめん!」
生澤 「じゃ、ちゃんとれいみともラブラブタイムのやり直ししてくれる?」
青井 「うん……ちゃんと、やり直しするよ」
生澤 「やった〜〜♪なんか考えよっ♪」「あ、れいみの家はここを右なので…ちゃんと、計画立てるから、できたら連絡するね♪」
青井 「うんうん、楽しみに待ってるよ〜♪」
生澤 「またね〜♪」
生澤日記
---いなはの日記
---9月×日
---ボロボロな夏休みでした。
---そんな夏休みも終わって、今日はメール友である涙さんの助言通りに
---さりげなくアイへ訊いてみました。
---そうしたら、その人は知り合ったばかりの友達と判明。
---良かったです。それを訊いたとき、思わず涙が溢れそうなくらい嬉しかったです。
---でもね、まだ不安なんですよ。なぜなら、その言葉の前に”まだ”と言うのです。
---まだ……それってこれから先は……
---でも、いなはは負けません。涙さんも応援してくれるし、
---アイが私だけを見てくれるように頑張ります。
ラブラブプラン 1
生澤 「夕菜ぁ〜♪」
青井 「どうしたの?」
生澤 「こないだ約束したでしょ?れいみのラブラブプラン、決まったよ♪」
青井 「それはそれは、お疲れ様〜」
生澤 「あれから雑誌とか見て検討したの。時間かかったんだからぁ」
青井 「それは楽しみだ」
生澤 「まずは2人で、アイスクリーム食べに行く」
青井 「おぅ!!」
生澤 「その後は…秘密♪」
青井 Σ( ̄ロ ̄|||)な…ナニヲスルツモリデスカ
生澤 「でもね、ぜったい夕菜が驚くと思う♪」
青井 「私は少しぐらいでは驚きません。キッパリ!!」
生澤 「ぜったい驚くって♪」
生澤 「で、明日は何か予定はいってる?」
青井 「別に入ってないよ」
生澤 「じゃ、朝の10時に駅前で待ってるよ」
青井 「10時ね…その前にお願いがあるの」
生澤 「なぁに?」
青井 「明日ね、朝9時に携帯で私を起こして…」Σ( ̄□ ̄‖)「うん、解ったぁ♪」
生澤 「じゃあ、私はちょっと買い物するので先に帰るね!まったね〜」
青井 「また明日ね〜♪」(^◇^)
いなはさんへ・・・メール送信 From 涙
---やったね 日記で いなはさんが元気になったのを見て安心しました
---友達だったんだ 良かったね〜
---俺も恋は あまり経験ないですが 恋は山あり谷ありなんですね
---俺 ずっと 平坦がいいな・・・ずるいですかね〜
---そんな 不安にならないでください きっと いなはさんの行動は良い方向に向かいますよ
---がんばるだけ 幸せはきます・・・
---アイさんだけじゃないよ・・・・サイトって小さい窓ですが 俺も見ているって事 ちっとだけ 覚えといて
---じゃ また メール書きますね
涙さんへ・・・メール送信 From いなは
---日記に書いた通り、またまた涙さんのおかげです。
---本当に大感謝。
---なんか涙さんってどことなくアイに似てる部分があるかも……
---それが何なんだかはひみつです(^^
---ところで、しばらく日記では書けないような色々なことを
---涙さんと話したいな〜……ダメかな?
---OKでしたら、しばらくは日記の更新をやめて、涙さんとの
---メールオンリーに切り替えさせて貰います。
いなはさんへ・・・メール送信 From 涙
---驚いた 今 いなはさんにメール送信したら いきなり受信メールが・・・
---なんか 偶然ってこともあるのですね
---俺がアイさんに似てるってですか?
---なんか うれしいような 恥ずかしいような気がします
---俺が2人いたら 俺はいやだぞ(苦笑)
---俺に相談のために日記を休むのですか?
---それは どうかな? 俺としては すごくうれしいのですが
---やっぱ 俺以外にも いなはさんの日記楽しみにしている人いると思うと
---俺からは 簡単に 「はい」とは簡単にいえないよ
---大変でなければ 日記は無理がないように 続けてください
---俺以外の いなはさんの日記のファンの人のために
---それからでも いいのではないですか? 俺がいえるのは こんなことぐらいかな
---また メールします
ラブラブプラン 2
青井 「おはよう〜れいみ!」
生澤 「あっ!珍しい!夕菜が先に来てる〜♪」
青井 「たまにはね……れいみが起こしてくれたから、できたんだよ」
生澤 「毎日、起こしてあげてもいいよ」
青井 「あはは〜……」(^▽^;)>゛
生澤 「じゃあ行きましょうか♪ハイ!」
れいみは夕菜の前に手を出す
青井 「ん?なに??」(・_・)?
生澤 「手を繋ぐんだよぅ…ハイ!!」
青井 「はいはい……」(-_-;)「で、最初にどこに行くの?」
生澤 「今度ね、商店街に新しいアイスクリーム屋ができたんだよ♪」
青井 「そう言えば、チラシが家にも入っていたな」
生澤 「早く行かないといっぱいなんだよ、そのお店」
青井 「それは期待できそうだね!」
生澤 「うんうん♪」
ラブラブプラン 3
生澤 「おにいさん!私ね、つぶつぶ苺…大盛り!!」「夕菜は何にするの?」
青井 「えっと……お兄さん、聞いていい?」
店員 「はい、何でしょう?」
青井 「ここにあるのは全てアイスクリームですか?」
青井 「アイスミルクでもラクトアイスも嫌だよ、私は」
店員 「大丈夫です、そちらのシャーベット系以外はちゃんと脂肪分があるアイスクリームです」
青井 「おぉ!なかなか、こだわりありますね」
青井 「でわでわ、私は………このスペシャルプリンってやつがいいな。トッピングは、チョコとアーモンド。もちろん大盛りで+店員さんのお気持ちいり」
生澤 「これ、おいしいね♪」
青井 「私のも、うまうまです」
れいみはこっそり夕菜のアイスをスプーンですくう
青井 「あっ!ずるい!!私もっ!」
と、同じようにれいみのアイスをすくって口に入れた
青井 「で、この後はどこに行くの?」
生澤 「れいみの家♪」
青井 「えっ、そうなの!?」Σ( ̄ロ ̄|||)
生澤 「だって夕菜、私の家に行くと言うと、今日来てくれないと思ったんだもん」
青井 「…………」Σ( ̄ロ ̄|||)
生澤 「もう、お家の方で料理もスペシャルイベントも、用意しちゃった♪」
青井 「聞いてないよ……」
生澤 「だめぇ〜〜。夕菜ぁ、いいでしょ〜唐揚げもあるし〜♪」
青井 「唐揚げ!!」Σ(・□・ |||)
ラブラブプラン 4
生澤 「よかったぁ。夕菜がちゃんと来てくれて♪」
青井 「ご両親は?」
生澤 「もちろん留守で〜す♪」「またまた旅行中で〜す♪」
青井 「私は完全にれいみの画策にはまったのですね…」
生澤 「策士れいみです!」 「さささささ、入って♪」
青井 「おじゃましま〜す」
生澤 「どこ行くの〜、夕菜?」
青井 「れいみのお部屋だよ」
生澤 「ちが〜う!お部屋に料理は持って行くけど、まずは私が用意したスペシャル見にいくの!!」
青井 「スペシャルって??」
生澤 「こっちこっち♪」
青井 「こっちって……まさか………」
生澤 「夕菜、ちょっとだけ目をつぶっていて」
青井 「うん…」
生澤 「まだ目をあけちゃだめだよ」
青井 「うん」
目をつぶった夕菜を、れいみは風呂場に連れて行った
生澤 「もういいお〜」
青井 「こ れ は………すご〜〜い!!なにこれ〜!!」
生澤 「やっぱ、夕菜驚いた〜♪」
広い風呂場一面に色とりどりの花が置いてあり、まるでお花畑のようだった
生澤 「れいみね、昨日ずっとこれ作ってたの♪」
青井 「すごいよれいみ……大変だったでしょ?」
生澤 「うん、お小遣いもいっぱい使っちゃった」「れいみね、前に夕菜と一緒に入ったあのロマンチックなお風呂が忘れられなくて今度はアレよりずっとロマンチックにして、夕菜と入りたかったの」
青井 「それはそれで別として…これ、本当にすごいよ」
生澤 「気に入ってもらえた?」
青井 「うんうん!!」
生澤 「今からお湯を張って最後の仕上げするから、お部屋に行こう?」
ラブラブプラン 5
青井 「こないだより、多目の唐揚げ」
生澤 「前回は少し足りなかったと思って、今日はもっと作っときました♪」
青井 「ありがたいね〜」
生澤 「漬け込み時間も長くしたので、もっと美味しいよ♪」
青井 「本当だ〜!しっかり中まで味がしみこんでる!」
生澤 「もう、夕菜と知り合ってから半年になるんだねぇ」
青井 「そうだね」
生澤 「夕菜は私たちのグループのこと、どう思う?」
青井 「仲良しグループの事?」
生澤 「うん。なんか、サマーキャンプ終わってから団結力でてきたでしょ?」
青井 「れいみはどう思う?」
生澤 「なんかさ…変なのばっかり……」
青井 「それを言っちゃあ…」Σ( ̄ロ ̄|||)
生澤 「すぐ俺がリーダーだって言う委員長。がんばり屋の副委員長の夕陽ちゃん。理論家の健吾君。喧嘩早い康介君。勉強家の志保ちゃん。それに、いつ何をしでかすかわかんない夕菜。」
青井 「もしもし〜?貴方が抜けてますが?」(¬_¬)
生澤 「うんうん。夕菜とラブラブ中を言えない、れいみ姫」
生澤 「でも、みんないい人だね♪」
青井 「そこまで言っていい人で締めるのも、どうかと思う…」Σ( ̄ロ ̄;)
生澤 「あっ!もうお風呂が沸いたかもしれない…いこ!夕菜♪」
青井 「うんうん
ラブラブプラン 6
生澤 「夕菜、ちょっとだけそこで待っててね」
そう言うとれいみは服を脱いで、浴室に一人で入っていった
青井 「・・・・・・・・・・」
しばらくして
生澤 「いいお〜入ってきて♪」
青井は服を脱ぐと浴室に入っていった。お湯が張られたせいか、浴室の中はさっきより花香りが強く感じられた
生澤 「夕菜、お風呂のお湯に手を入れてみて〜」
青井 「あっ!?なになになに、これ〜??」
生澤 「すごいでしょ〜♪」
青井 「うんうん」
浴槽のお湯は、まるでゼリーの様になっていた
生澤 「こないだネットで見つけたんだ。それで、夕菜と入ろうと速攻で買いました♪」
青井 「すごいね、これ…」
生澤 「ささささ、入ろうよ♪」
青井 「うん」
夕菜は恐る恐る浴槽に足をつけて中に入った
青井 「なんか本当にゼリーみたいだ…なんなの、これ!?」
生澤 「入浴剤だよ♪」
青井 「入浴剤か?……でも、こんなの初めて」
生澤 「れいみもだよぉ〜」
青井 「なんか私たち…ゼリーに浮いているフルーツ?」
生澤 「だね♪」
青井 「じゃ、私は桃で…れいみはスイカ」
生澤 「スイカ〜いやや〜そんなにれいみは丸くも赤くも無いよぉ!夕菜ずる〜い」
青井 「はははははは」
生澤 「ゆう〜な〜そっちに居ないで、こっちに来て〜♪」
青井 「うん」
夕菜はれいみに寄りかかるように前に座った
生澤 「ラブラブだ〜〜♪」
夕菜の背中にはれいみの胸が当たっている感触がする
青井 「こないだより、ロマンチックだね〜」
生澤 「れいみ頑張ったかいありました〜♪」
青井 「おつかれさま〜」
生澤 「ちゃんとヒエヒエの苺ミルクもありますよ」
と言うと、たっぷりと苺ミルクが入ったグラスを夕菜に渡した
青井 「おお〜ヒエヒエ苺ミルクだ〜」
生澤 「いつも購買で夕菜が買っているので用意しちゃった」
青井 「あれ?グラス一個だけ?悪いね、私のためにだけ…」
生澤 「なに言ってるの。ほら…」
れいみは夕菜が飲もうとしているグラスに二本のストローを入れた
生澤 「いっしょいっしょ〜♪」
生澤 「ねぇ、夕菜……」
青井 「なに??」
生澤 「れいみね、なんか…………やっぱいいや」
青井 「今度はれいみが隠し事?」
生澤 「うんとね…やっぱ話す」
生澤 「れいみにもね、気になる存在の人ができたみたいなの」
青井 「おお!それは、おめでとう!!」
生澤 「なんかその人、夕菜に似ているの」
青井 「私に…?」
生澤 「うんうん…なんか、その人と話していると、まるで夕菜と話してるように感じるんだ」
青井 「そうなんだ…その人も大切にしてね」
生澤 「うんうん」
生澤 「夕菜にも新しい友達できたし、れいみにもできたし…一緒だ〜♪」
青井 「うんうん」
生澤 「でもね、夕菜…」
青井 「なに??」
生澤 「夕菜は夕菜だからね。夕菜といっしょのときは、れいみは夕菜のことだけ見ているし、考えてるし…だから、夕菜もれいみと居るときは、れいみの事だけ見ててね」
青井 「うん」
生澤 「約束だよ〜絶対に♪」
と言うと、れいみは夕菜のことを後ろから抱きしめた
青井 「れいみ……」
生澤 「夕菜…だ い す き」
夕菜はその言葉を聞くと振り向いて、れいみの唇に少し長めのキスをした…
涙さんへ・・・メール送信 From いなは
---実はいなはの日記サイト、最近ほとんどカウンターが
---上がってないんです。そんなこともあり、ちょっとお休みにしてしまいました(^^
---だから気にしないでね。
---そうそう、アイとはあれからラブラブです。
---今日も帰りに二人でアイスクリーム食べに行ったんだよ。
---涙さんは、どんなアイスが好きですか?
---また明日、メールしますね
第6章までお読みくださりありがとうございます