第2章 皐月/早月(さつき) の章
生澤日記
---いなはの日記
---5月×日
---入学したときから気になっている同級生のひとがいます。
---仮にアイさんと呼びますね。
---アイさんは運動神経が良く、とっても格好いいんですよ。
---つまらない授業だと、すぐに寝ちゃうアイさん。
---そんな時はじっと見つめてられるので私にとってはパラダイスな時間です。
---でも、未だにアイさんと友達になれないんです(TT
---教室でどうも話しかけづらくってね………何か良い方法無いかな〜
いなはさんへ・・・メール送信 From 涙
---5月×日
---はじめまして いなはさん いつも楽しく日記を読ましていただいてます
---日記をホームページで書くなんて勇気あるな
---ハンドルネームは 涙ともうします
---一度は 感想をと思い メールしました
---いなはさんは 今年学校に入学なんですか?
---実は オレも今年 高校に入学しました
---やはり、はじめて高校行くとドキドキしますよね
---オレも、どんな人がクラスにいるか ドキドキしました
---オレからのアドバイス やはり 気になる子がいたら勇気をもって話しかけたほうがいいよ
---オレなら絶対 そうする
---オレは 中学からの友達も何人かいるから・・・自分で渡せない時は友達に頼むし
---机の中とかに せめて自分が見ているよって メッセージ入れるのも手かも
---これから 楽しくやるには 最初が肝心だし がんばってください
---また お便りします
涙さんへ・・・メール送信 From いなは
---涙さん、メールありがとうございます。
---涙さんのアドバイス通りに、
---手紙で呼び出してみようと思います。
---結果は日記に必ず書きますね。
---いなはがホームページに日記を書く切っ掛けになったのは
---受験の時に息抜きでなんですよ。
---そうそう、言い忘れましたが、いなはも高校1年生です。
---まだ慣れない学校生活で、友達もいないの(TT
---だから、相談する人もいなかったので
---涙さんのメールが本当に嬉しかったんです。
---よろしければ、今後もメールのやりとりをしませんか?
女の子からのラブレター
夕菜はいつも、始業ぎりぎりの登校。
決して寝坊しているのではなく、単に行動が鈍いだけ。
下駄箱で登校時に人に会った事なんて、ほとんど無い。
いつものように自分の下駄箱を開けると、一通の手紙が足元に落ちた。
青井 「なんだろう、これ?」
夕菜は足元に落ちた手紙を手に取って見る
青井 「果し合い状だ〜…って、そんなことはないか?それとも私宛にラブレターだったりして!これこそ学園生活の醍醐味、ここから愛が芽生える」
青井 「あれ?宛名も書いてないし、差出人も書いてないぞ…」
夕菜はその、何も書いてない封筒をその場で開けてみた
手紙『今日、2時に東階段を出た所の屋上で待っています。ぜひ、来て下さい』
青井 「なんだろう…こんだけしか書いてないし」
「おおっと〜授業が始まってしまう〜」
夕菜は手紙をポケットに突っ込むと、あわてて教室に向かった
夕菜は2時少し前に手紙に書いてあった場所に向かった
青井 「あれ?誰もいないぞ??…今日は午後の授業が一時間しか無いので 1.帰りに熱々コロッケを買い食いして 2.本屋で立ち読みして 3.買わない洋服屋を覗く 暇な時専門行動をしようと思ったのに…ぶつぶつぶつ」
女の子「青井さん……」
青井 「うっ??」
夕菜が階段へ続く入り口を見ると、一人の女の子が立っていた
青井 「あれ?あなた、確か同じクラスの…?」
女の子はショートカットの髪に赤いヘアリボンをつけ、目がパッチリしてなかなかおとなしそうに見える
青井 「あれ?…もしかして、この手紙を私の下駄箱に入れたのは、生澤さん??」
生澤 「はい…ご迷惑かと思いましたけど、なかなか教室では言いにくくて」
青井 「???」
生澤 「よろしければ、お友達になってください……だめですか?」
青井 「もちろんOKさ!…君みたいな可愛い子と友達になれなくて何が青春だ…」
「あっ!!こんな言葉使い変だよね?男の子みたいで」
生澤 「そんな事ないですよ。私、結構好きです」
青井 「友達になる申し込みだったら、教室で直接いえばいいのに…」
生澤 「いや、なんか直接って恥ずかしくないですか?」
青井 「そんな事ないよ」
生澤 「私、どちらかと言うとメールとかの方が好きなんです」
青井 「メールって言うと、携帯とかパソコンで、やるやつ?」
生澤 「そうです…青井さんもやられるのですか?」
青井 「夕菜でいいよ…私もれいみと、これから呼ぶし」
生澤 「ありがとうございます!嬉しいです♪」
青井 「メールはやらないな。携帯で書くと指がつるし…パソコンで書こうとすると、どこにどの文字あるか解んないしね…結局電話で済ます」
生澤 「今度、やり方教えますよ」
青井 「私にできるかな?」
生澤 「簡単ですよ。それに、とても便利」
青井 「じゃ、機会あったらお願いするよ」
生澤 「喜んで♪」
「ところで、来週の土曜日は何か予定ありますか?」
青井 「今のとこ決まってないな。DVD借りて家で見るとかは直前で決めるし」
生澤 「よろしければ、私の家に遊びに来ませんか?」
青井 「君の家?」
生澤 「はい。その日は両親が親戚の家に行くので…一人ぼっちなんです。一人でご飯は、寂しくて。よろしければ、パソコンの事もありますし一緒にご飯食べませんか?」
青井 「迷惑掛からないかな?」
生澤 「迷惑なんてとんでもないです…夕菜さんに来ていただけるなら、腕によりをかけてご飯用意します…買い物だけ付き合っていただけましたら」
青井 「買い物なら任せといて!値切りの夕菜に!」
生澤 「頼りにしてます。では、来週の土曜日に校門前で待ってます」
青井 「うんうん。楽しみに待っているよ。またね」
生澤 「では、失礼します」
青井 「結構、真面目でいい子みたいだ…」
そう呟くと、夕菜も下校した
第二章お読みいただきありがとうございました
よろしければ評価欄に足跡を残していただければ幸いです
第3章 水無月の章につづく