2話:ハンブルク城
馬車があんな事になってしまったため、俺は拠点までの道行を赤衣隊の少女たちと徒歩でゆく事になっていた。幸い雨も上がり、雲間からは夕日が顔をのぞかせている。馬車は森の入り口に打ち捨て、後々回収するという事で了承してもらった。
お土産にと思って持ってきたチョコレートの缶詰は少女たちには概ね好評だったようで、赤衣隊最年少のクラリッサなど耳をせわしなく動かし満面の笑みで頬張っている。
「おいしいですのー」
「はいはい。口元が汚れていますよ?」
汚れる口元をマルグリットに拭ってもらいながら歩く姿を後ろから見ていて、どこか親子のようだなと感じてしまう。物心ついた時から母親がいなかったからだろうか、少し感傷的になっているのかもしれない。
「マルグリットはこの隊の最年長、みんなのお姉さんのような存在ですの。困った事があれば彼女を頼るとよろしいですの」
そう言って横に並ぶのは、眼帯の少女、リーゼロッテだ。彼女にもチョコレートは好評のようで、若干頬が緩み、耳がひこひこという動きを見せる。
「チョコレートなんて食べたの、いつ以来ですの? すっかり味を忘れてしまっていましたの……」
「そうなのかい? 携行食はどこへ行ってもチョコレートだと思っていたけれど」
チョコレートは軍用携行食の中では最も人気が高い。軍用という事で、高カロリーで熱に強く日持ちし、甘みを抑えたものとなっている。俺の味覚では甘みよりも苦みの方が強く感じるが、彼女たちの表情を見る限り頬が緩まんばかりの甘さを感じているようだ。
「……それは、都市区をはじめとした中央区での話ですよ。他の区はどうか存じませんが、この南方第七区は人狼による行商や旅人への被害が最も多い地域です。物資も、襲われても被害の少ないような味気ないものばかり送られてきます。……肉があるだけまだマシな方です」
同じく隣に並んだハンナの言葉に、なるほどと頷く。最前線といっても方々あるが、南方は黒森の伐採が進んでいるとは言い難い。資料を見た限り、この七区は南方では唯一伐採が進んでいる地区ではあるのだが、昼間の一本道にも関わらず人狼が現れて人や荷を積んだ馬車を襲うという話を度々耳にしていた。
そういった場所に送られてくる物資というのは、日持ちは良いが味は拙く、といったものばかりなのだ。兵士の士気にかかわるというのに、そういった配慮がなされていないというのは心が痛む。前を歩くクラリッサにしても、こういった甘味を口にする機会にはあまり恵まれていなかったのだろう。
「……それでも、わたくしたちにとっては、お肉があるだけありがたい事ですの」
「……ああ、同感だ。肉の有無は生死の次に重要だからな」
「お肉ですの」「ああ、肉だ」と頷き合うふたりを見て、いくら肉があったとしても、それを調理する者が居なければ仕方ないのではとも思ったが、俺がそう考える事など見通していたとばかりにリーゼロッテが自慢げに語りだす。
「お肉があっても調理師が居なければ、とお考えですのね? その心配はございませんの。南方第七区には腕のいいお料理番がいらっしゃるのですから」
「その通りです。彼女のつくる食事のおかげで、自分たちの士気は保たれていると言っても過言ではありません。ここにいる間は、食に関してだけは不足はないと断言しておきましょう」
「……それほどの人なのか。ぜひ会ってみたいところだね」
思い出すのは昔屋敷で雇われていた料理長の事だ。父や他の使用人に内緒でこっそりお菓子などを差し入れしてくれた、優しく気のいい人だった。彼女は今、どうしているだろう……。
「まあ、チョコレートなどはこちらには回ってきませんが、それでも砂糖自体が配給されないわけではありません。そういった意味では、恵まれているとも言えるのでしょうか」
「……ところでハンナ。キミはチョコレート嫌いだったかい?」
俺がそう聞いたのは、ハンナがチョコレートを食べずにポーチへとしまっていたからだ。缶を開けてみなに分配した後、自分の取り分を缶の中に残しているので、嫌いというわけではないのかも知れないが。
「……いえ。自分は後で食べようかと。それに、缶の装飾なども好みですから」
澄まして語るハンナの姿に、リーゼロッテが笑いをかみ殺している。気になるが、詮索は後にしよう。何故なら、赤衣隊の少女のひとりが先ほどから姿を見せていないからだ。
「彼女、ええと。フランツィスカは何処へ? 姿が見えないけれど」
「アンジーは黒森の入り口付近を警戒に行きましたの。先ほど一家丸ごと仕留めてしまったので、当分この近辺には人狼は現れないと思われますが、一応警戒のためにですの」
「たったひとりでかい? 危険ではないだろうか」
「……あのハチェット投げを目の当たりにした後でも、そんな事が?」
呆れるようにリーゼロッテが言う。獣性5度となれば、その身体能力は人狼に匹敵すると言われている。高い獣性を持つ彼女たちは、人狼と同等の速度で駆け、同じ高さを跳び、その膂力もかの獣と張り合える程だ。
先ほどクラリッサに抱き付かれて感じた体重がその証でもある。聞けばクラリッサの体重は、彼女の年齢の子供の平均値のほぼ二倍ほどもあるのだという。これは成人男性の体重に匹敵し、あの小柄のどこにそれほどの重量を持つ部分がと問われれば、彼女全体を形作るすべてがと答えを返すしかない。筋肉の繊維やつくりが、そもそも人とはかけ離れているのだ。
「……それにアンジーは、人狼のように自分の爪を伸ばしたりもできますの。それで仕留めた獲物も十や二十では足りませんの」
「彼女は単独で人狼一家と渡り合えるほどの戦力です。ハインリヒ隊長の心配するところではないかと」
「でも、彼女だって女の子だろう? やはり心配だよ」
赤衣隊の少女ふたりが足を止めた。前をゆくふたりも。あと、森の中で誰かが転んだ気がしたが、これは完全に俺の気のせいだろう。前を行くクラリッサとマルグリットは後続である俺たちを待つために止まったのだが、ハンナとリーゼロッテはどうやら違うようだ。俺の発言に耳を疑わんばかりに、自分たちの耳をしばたかせている。
「ぐ、軍人の中には半人狼を本気で女性扱いする方もいると聞きましたが、わたくし初めて見ましたの」
「ま、まあ。自分なども、そういう人がいたからこそ生まれたのだが、いざ目の当たりにすると……」
ふたりの顔は真っ赤に染まっていた。リーゼロッテは熱を持った頬を隠すように両手を当て、ハンナは俺に背を向けて右手で顔を覆ていた。どうやら自分たちが女性扱いされる事自体が稀だったようだ。
悲しい事に、半人狼に対する偏見は根強い。俺などは生まれた時から半人狼の侍女が傍らにいたからそういった感覚はなかったのだが、都市区ではいまだに彼女たちを人間として扱おうとしない人々も少なくはないのだ。
「確かに、この南方第七区でもそういった半人狼に偏見を持つ方もおられましたね。ですが、そういった方々は早々に都市区へお帰りになるか軍を辞めてしまわれるかで、ここに残っているのは理解のある方々ばかりなのですよ?」
クラリッサの手を引いてこちらへやってきたマルグリットが言うには、この七区に残ったのは正義感と責任感とにあふれる者たちばかりで、彼女たち半人狼にも対等の人間として接してくれていたというものだった。だが軍紀の制約上、あまり赤衣隊と伐採班とが接触を持つ事は禁じられていたため、まともに話す機会すらあまりなかったのだという。
ここ七区の伐採班は、俺の後続でやってくる補充兵と交代で都市区に帰還すると聞かされていた。彼女たちにとっては悲しい事だろう。
「それでも、また昔に戻るだけです。そもそも、伐採班とはそれほど交流を持つ事が許されていません。せいぜい隊長だった自分と副隊長だったリゼが指示や意見交換で幾度か顔を合わせる程度でしたので」
「それでも、別れるとなると寂しいものだね」
「……そうですの。最後に宴席でも設ける事ができればよいのですが」
わずかに暗くなってしまった雰囲気も、再び歩き出した頃にはだいぶ払拭されていた。そんな中、ハンナが小声で耳打ちしてくる。
「……ハインリヒ隊長。お耳に入れておきたい事があります」
「なんだい?」
「自分たち赤衣隊は、都市区と七区とを結ぶ一本道を通過する人や物を護衛する役割も担っています。本来ならば、本日隊長の馬車を護衛する任も賜っていました」
「……続けて」
「はい。我々が指示を受けた時間帯は、隊長と合流した頃よりもっと後……。夜の入りも近づく頃の予定でした。いくら護衛に着くとはいえ、そんな遅い時間に一本道を移動するなどおかしいという事になり、自分の権限で早めに拠点を出発致しました。すると……」
「……その時間、まだ出発していないはずの俺が、黒森の中で人狼に襲われていたと」
こくりと、ハンナは無言で頷いた。
「何やら、きな臭いね」
「隊長の経歴は詳しく存じておりませんが、気を付けた方がよろしいかと」
「忠告、痛み入るよ」
「恐縮です」
やはり、あの御者は間者か何かだったのだろうか。そうは言っても、俺も軍部より正式な事例を受けて、本日あの時刻にあの場所に着くように出発しているのだ。間者の仕業ではないとすれば、軍部そのものを疑わなくてはならない。
「でも、みんなのおかげで無事こうして拠点までたどり着く事ができそうだから。良かったよ」
「本当に事の恐ろしさを理解しておられるのですか? 自分たちがあと少し遅れていれば、隊長は今頃……」
「人狼の餌になっていただろうね。だから、本当に感謝しているよ」
笑顔でそう返すと、ハンナはどこか呆れたような表情でため息をついた。隊長として頼りないと思われているのだろう。しかし、こちらとしても隊長職など初めてだ。急にそれらしくしろと言われても困る。困っていると、助け舟はマルグリットが出してくれた。
「ハンナ、わたしたちを人間扱いしてくれる方に来て頂いただけでも僥倖というものですよ? 隊長らしさならば、これからあなたが助言してゆけばよいでしょうし」
「じ、自分は別に、上官らしくないのが悪いとは一言も……」
今言ったのだが、聞かなかった事にしておこう。そうして歩いているうちに日は暮れて、空の色が赤から紫を経て黒へと変わる頃、拠点の前にたどり着く事が出来た。
「……これは、何とも」
南方第七区の拠点。そこは、分厚く高い城壁に囲まれた古城跡だったのだ。城壁上の見張り場には幾人かの兵士がいて、俺たちに向けて控えめに手を振っている。おそらく伐採班の者だろう。赤衣隊のみなが出払ってしまっていたので、その間はこうして拠点の警備に当たっているというわけか。
「ようこそ。南方第七区の拠点、ハンブルク城へ」
リーゼロッテとマルグリットがそう告げて、まるで侍女のように腰を折ってお辞儀して見せる。
「ハンブルク城? ではここは……」
「ええ。元々わたくしの父が所持していた領地だったのですが、軍に接収されてしまいまして。といいましても、わたくしが土地の権利を買い戻して、半ばわたくしの別荘地でもございますの」
得意げに語るリーゼロッテに対していくつかの疑問がわいてくる。
「接収されたものを買い戻したとは?」
「……およそ十年前の事ですが、うちの両親が亡くなりましたの。その折りに、領地など根こそぎ親類に持って行かれまして、今は生家しか残っていないですの。ここも親類の誰かが勝手に売り払ったもので、その後軍によって接収されてしまった、というわけですの。買い戻したのはそのあとで、現在は軍に場所を提供している、という扱いになっていますの」
いまいち、話が呑み込めない部分がある。リーゼロッテの父君がなくなって領地を親類のいいようにされているというのは、家督を継ぐ者がいなかったという事だ。リーゼロッテ自身が半人狼という事もあり、そこら辺の事情はなんとなく察する事ができる。
しかし、一度軍のものとなった領地を買い戻したというのはにわかには信じがたい。確かに、多額の金を積めばそういった無理は聞くだろうが、それは家督を継いでいない女の子ひとりに何とかできる額ではないだろう。
「補足いたしますと、一応わたくし家督は継いでおりますのよ? そうでなければ姓をを名乗れはしませんもの」
確かに、このご時世姓を名乗る事を許されているのは、貴族階級か軍人などの名家に限られている。彼女がフォン・ハンブルクを名乗れるのも、彼女が家の当主である証だ。
「それにわたくし、金銭の扱いにはそれなりに長けていますのよ?」
自慢げに言うリーゼロッテの言を裏付けるかのように、ハンナもマルグリットも頷いて見せた。
「隊長、リゼの資金運用の才能は確かなものです。この七区が乏しい予算で食いつないでいるのも、彼女の手腕によるものが大きいかと」
俺はその言葉に説得力を感じていた。理由は、彼女たちの身なりだ。まず服装がくたびれていない事。軍支給の頑丈な制服とはいえ、彼女たちの役割を考えれば消耗品に等しい。それが所々ほつれる事もなく、洗濯も行き届いており糊も効いている。服だけではなく、髪や肌なども手入れが行き届いていて、リーゼロッテやマルグリットなどは薄く化粧もしているようだ。身なりからは少し離れるが、装備品の手入れも行き届いている。
もうひとつは彼女たちの健康状態にある。半人狼種の食事量は普通の人間の倍以上で、それは成人男性並みかそれ以上の体重に匹敵する肉体を維持するために必要なものだ。ただ食事の量だけが多くてもだめで、きちんとバランスが取れている事が必要不可欠だ。
以前、他の部隊に従軍した際、配給される食事量が足りなくて、やつれてしまっている赤衣の少女を何人も見てきた。その都度自分の配給を分け与えていたものだから、こうして最前線に送られてしまったのかも知れない。
「洗髪や整髪、さらには化粧品の類まで揃え、衣装も洗濯し整えられている。それに半人狼の肉体と健康を維持しようとなれば、それなりの額にはなるのだろうね。確かに軍の資金では難しいところだと思う。リーゼロッテ個人の資産を裂いているのだとしても、無収入にそんな事できるわけではないだろうし」
「ふふ、隊長。それは正解ですが、それだけの根拠でわたくしの言葉を信じるのは、少々早計ではありませんの? 今隊長が話した以上にわたくし、あれこれ手をまわしているのですよ?」
得意げな表情で俺を下から覗き込むように言うものだから、本人にそんな気はないとわかっていても、少しどきりとさせられてしまう。そんな心の動きを感じ取ったのか、マルグリットが口元に手を当てて笑うので、俺は居たたまれなくなってリーゼロッテから目を逸らした。
「……とは言うものの、こんな辺境の最前線には軍相手に商売しようなどという輩も寄りつかないので、城下町跡などは非常に寂しい様相となってしまっているのです」
先ほどまでの誇らしさが成りを潜め、リーゼロッテは半ば消沈して城門の小扉を潜った。俺も彼女に続いて小扉を潜り、リーゼロッテの言葉になるほどと同意してしまった。
城下町跡は朽ちて打ち捨てられた建物たちが並ぶ、廃墟そのものだったからだ。王城へ続く道こそ舗装されているものの、他の建物や横道などは、朽ちて崩れてしまっているものが目立つ。
「見た目があまり良くないもので、せめて瓦礫だけでも片付けようと思っていますの。でもまさか、伐採班の方々に手伝ってもらうわけにもいきませんので……」
リーゼロッテがため息交じりに言えば、ハンナがそれに同意してううむと唸る。
「ここは軍の拠点、それも最前線です。住み込みで働いてもらおうにも、まずは肝心の建物を修復するところから始めなければなりません。食事なども、軍主導の改築でなければ予算が下りないでしょう」
「わたくしの資金で拠点の改築計画を立てているのですが、ここ最近は人狼一家との連戦続きで、そちらの方は滞っておりますの」
拠点の改築計画とは言いえ、この広大な領土を立て直すとなれば一大事業だ。人も金もかなり必要になってくる。だが、計画について語る彼女たちの表情は真剣そのものだ。リーゼロッテなどは俺の呆けたような視線に気付き、くすりと微笑みかけてくる。
「よろしければ、隊長にもお話を聞いて頂きたいところですの。長くなってしまいますのでまた今度ですの」
どうやら俺を巻き込むつもりらしい。嬉しい事だ。彼女たちの企みに同乗させてもらえるのなら、この微力な腕でも貸そうというもの。何か面白いものが見れるかもしれないという確信があるのだ。
◇
途中伐採班の宿舎によって挨拶をしてきたため、こちらの宿舎に着く頃にはもう完全に陽が落ちてしまっていた。案内された赤衣隊の宿舎はハンブルク城の中庭に位置していた。木造の二階建ての屋敷は材木の質を見る限り、ここ数年で建てられたもののようだ。俺は今日からここに寝泊まりする事になるというわけだ。
「しかし、みんなと同じ宿舎なんだね。嫌ではないのかい?」
「赤衣隊の隊長は、赤衣兵の監督役も兼ねております。同じ宿舎で寝起きするのは、その、軍紀で決められているというか。隊長の義務であるというか……」
試しにハンナに聞いてみるが、だんだん言葉が尻切れとなって黙ってしまう。いくら軍紀とはいえ、やはり彼女も不服なのだろう。
ハンナとまったく逆の反応を見せたのがマルグリットだ。彼女は嫌がるでも恥ずかしがるでもなく、微笑みを深くして改めて俺にこう告げてきた。
「ふふ、これからはひとつ屋根の下ですね。なにとぞ、よろしくお願いいたします」
非常に含みのある言葉を、侍女のように腰を折るお辞儀付きでだ。
「それでは、これから隊宿舎の中を案内いたしますの。夕食はそのあとでも?」
「ああ、構わない。頼むよ」
「案内ですのー」
クラリッサに手を引かれて隊宿舎の方へ。苦笑交じりで先に中に入って行ったリーゼロッテは、すぐに外に出てきて扉を閉めてしまう。扉に背を預けて俺たちを通さないという動き。疑問の表情を浮かべる俺たちに対し、リーゼロッテは視線を泳がせていた。
「た、隊長。しばらくお待ちいただいても?」
冷や汗交じりに聞いてくるリーゼロッテに頷きひとつ返せば、彼女は急いで宿舎の中に入り、扉を閉めてしまう。何事かと様子を見守ってみれば、「アンジー! あなた新しい隊長が来るというのに下着一枚だけとはどういうつもりですの!」と叫ぶような声が耳に届く。なるほど、そういう事だったか。これから共に住む事になるのだから、こちらも間違いがないように気を付けなければならないな。
やがて息を切らせたリーゼロッテが扉を開けて俺たちを迎え入れ、やっと屋根のある場所で腰を落ち着ける事が出来た。その日は残念ながら、料理番の方が伐採班の方の宿舎に出向いているのでお会いする事は出来なかった。夕食はあらかじめ用意されており、温かな食事は今日起こった事への緊張を解してくれるものだった。