お寿司を握りましょ
「じゃじゃーん!!」
寿司を30皿分作り終わった3人は、リンゴへ出来を見せに行く。
「おお!!凄いですの!!」
「完成~」
誇らしげに寿司を見せたライラへ、クラスメイトの反応は…。
「すっげぇじゃん!これ、クレイクが作ったのか?」
「意外。料理できなさそうなのに」
「ひどい!!みんな、私をなんだと思って!!」
憤慨したライラへ彼らは気まずそうに…
「フィリアに引っ付いてる奴」
「金魚のフン…?」
ではなく、バッサリと切り捨てた。
「ひどいひどいひどい!!」
じだんだを踏んだライラを見て、レオが一言。
「…間違ってはいない気がするところが恐ろしい」
「レオ!しーだよ!言っちゃいけないでしょ!」
「……そうだな」
『はい、2-3ですの!今、限定30皿で、緑の国皇太子と青の国第3王女が握った寿司を販売してますの!!』
リンゴは、寿司ができたのを見ると、すぐに放送室へ飛んで行って、この放送を流した。
「待って!?私も握ったのに!!」
さりげなく、手柄を2人に盗られた形になってしまったライラであった。
そして、その怒りは間違った方向へ向く。
「くそぅ。ねぇ~、レオ。和服着てくんない?」
「なんで俺が」
「私が握ったんだよ!?」
「それはリンゴへ言え」
「いいから!!さっさと着てこいよ!!」
「…誰に向かってモノを言って」
「レオだよ!?レオ意外にいないでしょ!!あ、フィリアはどじっこキャラで!!」
さらに、謎の逆切れをライラは起こし、レオを怒鳴りつける。
「オイ!」
「やらないからね!?」
さて、5分後。
「完売ですの~」
晴々としたリンゴの笑顔に、怒っていたライラも、怒りを鎮めることとなった。
「でそういえば、生徒会長決めが、休日明けにありますの。誰が立候補するんですの?2-3から一人出さないといけないんでしたの?」
人差し指を頬にあてて首をかしげたリンゴの視線は、フィリアとレオにロックオンされている。
「ライ兄様に頼むの。どうせ、進学しないだろうし…その、王宮で…似たようなことはしてるから」
アハハハ~と明後日の方向に視線を向けながらフィリアはリンゴの視線に答える。
「そうですの?それなら、いいですの。正直、めんどくさいですの」
「だよね!」
話しはライに押し付ける方向へまとまり、学園祭は終了した。
ああ・・・ライが不憫だ。出番がないのに・・・。
押し付けられてばっかで。




