前方のクレーマー
ライラ、誕生日おめでとう。
これからもそのツッコミを生かしていってね。
・・・おかしいんだよなぁ。ライラ、最初はボケ担当だったのに。
で、教室。
背後から真っ黒なオーラを出して低い笑い声を漏らしているレオを裏から見てフィリアはクラスメイトへ尋ねる。
「さて、と。誰か状況を教えて?」
「はいですの。簡潔に言いますと、ポリッカさんがミスをしてレオさんに責任が回ってきたんですの」
「…じゃあさ、ポリッカをレオにけしかければ治まると思うから…」
リンゴの説明にフィリアはやや沈黙してから生贄を選ぶ。
「ポリッカは、いないみたいだよ?ってか、レオが足蹴にしているブタが…」
「え!?あ…本当だ。あちゃぁ…どうしようかな?」
フィリアは額に手をあてて天を仰ぐ。
「それを考えてもらうために呼び出したんですの」
「ポリッカ…ブタのミスって?」
「食器を落としてしまって、やっかみが…。後、レオさんを指名してきたところから、レオさんねらいですの」
「OK。一回死んでくればいいんじゃない?その客。見たところテアトゥ・ドゥルンカンだろうし…よし、レオ止めに逝ってきます」
ビシと額に手を付け敬礼するとフィリアは死地(笑)へ向かう。
「フィリア…字が違った気がする」
「さて、レオ?暴れてないで、こっちへ戻ってきて?みんなが怖がってるよ?」
「構わない。父さんは父さんで、またなんかしたらしいし、ブタは迷惑かけるし、そこの女はうざいし…」
「いや、あのね?そこら辺はよくわかるよ?でもさ、学園祭だし…我慢してくれませんか?とりあえず、この場は任せてくれればいいから…」
「…そうする。このままだと、ちょっと殺しそう。後、秘術使いそうだから…」
「そうそう。落ち着いていこうね」
レオを裏へ送り返し、キーキー金切り声を出してるテアトゥを見るとフィリアは思案する。
「真面目に話を聞きなさいよ!!なんなのあの店員は!!お茶をぶっかけて!!謝りもしないなんて!!」
「それはそれは…失礼いたしました。こちらの不手際だったようなので、今注文されているものの料金はただということにさせて頂きます」
腰から90度に体を曲げてフィリアは謝る。
「そうじゃないのよ!この服どうしてくれるの!?1000万もかかったのよ!弁償よ、弁償!」
それを聞いたライラがボソリと一言。
「…学園祭に1000万もする服、着てこないでよ…おばさん」
見事に全員が頷いた。
「…は?ああ、いえ。失礼いたしました。まさか、1000万ごときでそのように騒がれるとは…いえ、失敬」
「ああ…王家の人って金銭感覚がずれてるんだね」
このライラの言葉もまた、見事にその場の人の言いたいことを代弁している。
「そんなことはないぞ。財政難の国もあるからな。例えば…黄国とか」
「なんで知ってるの?」
「フフフ…俺がそうなるように仕掛けたからな。大変だったんだぞ?向こうが、わけわからない難癖をつけてくるから」
「…ごめん、聞いちゃいけないことだったみたい」




