色々と衝撃的な
「リカルド!!どうしよう!?レオがいじめてくる!」
「そんなの知るか、馬鹿」
緑王は青王もといリカルドへ情けなく助けを求める。
が、彼はバッサリと頼みを切り捨てた。
「ひどい!友達だよね!?」
「うるさい黙れそう思ってるのはお前だけだバカオルノ俺は一度も思ったことないぞ自分の子育てが失敗した責任は自分で取りやがれ」
一息でリカルドは言い切るとフィリアの頭をなでて、オルノの言葉を聞かない体勢をとる。
「ひどい!?やっぱりレオが真っ黒なのはリカルドのせいだ!!」
「父さん…情けないからやめろ。用が無いならさっさと帰れ迷惑だ」
「ぐぅ!?息子が反抗するよ!」
「そりゃしたくもなるわ!!」
レオとオルノの魔力が放出され始めたせいで教室がみしみし言い出す。
「父様、そろそろあの親子喧嘩は止めてください。店に影響が出ます」
「…フィリアの頼みなら」
リカルドは、見ないふりも限度が尽きたフィリアに頼まれ、2人にこぶしを振り落す。
「っ!?」
「…」
「ひどいよリカルド!!何するの!?」
「親子喧嘩が馬鹿みたいになってきたから止めたんだ。なんか文句あるか?」
「ないです。そしてそのまま父さんを連れて帰ってください」
レオがリカルドの言葉に即答してオルノを押しやる。
「わかった、良いだろう」
「良くないってば!僕はレオが働いている姿を見に来たんだよ!?」
「なら、なおさら本末転倒だな。では、フィリア。また後日」
「はい、父様」
騒ぐオルノを肩に担ぎ、リカルドは教室から出て行った。
「…色々と衝撃的な王様たちでしたの」
ぽつりとリンゴがその場の人の言葉を代弁する。
「ごめんね、馬鹿親が迷惑かけて」
「いえ、フィリアさんが謝ることじゃないですの」
「…今度、きちんと言い聞かせておく」
「それは…しといたほうがいいかもね」
「普段は、ちゃんとした王様だからな?あんなのが、緑王だと思われたらたまらない」
「猫被るの上手だもんね」
眉間を押さえながらレオは注文された料理を取りに裏へ消える。
「フィリア、父上が来なかったかい?」
「兄様?父様ならついさっき帰っていきましたけど」
レオと入れ替わるようにリランが教室に現れた。
「しまった行き違ったか!」
「また政務が溜まってるんですか?」
「フィリア…手伝ってくれるのかい?」
「嫌ですよ」
「……仕方ない、ライでも連れて帰るか」
「不憫なライ先輩」
ボソリと誰かがつぶやいた。
「全く、困ったものだよ、父上は」
「リラン兄様が政治行うの上手になるようにっていう父様の愛情ですよ。……多分」
「「良いこと言ってるけど、最後の多分って何!?多分って!!」」
「気にしない!」
「じゃ、父上が居ないんならここにいても無駄だね。僕は帰るよ」
「はい、兄様」
台風のようにリランは来て去って行った。




