緑の王様って何してんの疑惑
「あ!!やっと来た!!遅いよ!!」
全員が待っていたらしくフィリア達はセノーテに怒られる。
「ごめん」
「そんなに怒らないでよ、セノーテ」
「…」
「フィリアは良いとして、レオ君にライラ?私は怒って無いけど?無反応も止めてくれる」
「悪い…疲れてるから」
怒気を放ったセノーテにレオが疲れた顔をして呟いた。
「レオ、あのさ…」
と、フィリアが聞くのを、
「いい、言わなくて。気付いてるし、気付かせる気もないから」
レオが遮って、
「何の話?」
ライラが尋ねた。
「父さんの話。この間サボったのに。またげぼ…家臣の奴が来てるからさ、早く体験実習だっけ?の話」
「そ、そうだね。さっさと済ませちゃおうか。えっと…明日の朝7時に校門集合で、持ち物は武器とサバイバル道具等々だって。武器って何に使うんだろ?」
セノーテはレオに急かされて手にしていた妙に薄い紙の束を読みあげた。
「そりゃ、嫌いな奴を殺すために…」
「レオ」
「っと、冗談で、食料を得るために使うんだろ」
フィリアに小声で名前を呼ばれてレオは言いかけた言葉を流し正しく言い直す。
「どう考えても本気で言っただろ、オイ!!」
ライラが叫ぶ。
「レオ」
「んだよ、フィリア」
「あのさ。外…」
「は?」
レオはフィリアに洋服の裾を掴まれて渋々窓の方を見る。
「あ、レオ皇太子殿下!!」
「で、フィリア。外に何がいた?」
窓の外に張り付いていた家臣を見なかったことにしたレオはさわやかな笑顔でフィリアに聞く。
「窓の外に人が居たような気がしたけど…ってかいるけど?」
「フィリア。俺が見なかったことにしたいなって思ってるの感じ取ってくれなかった?」
「感じ取ったけど…なんか可哀想だなって思って」
「下僕を可哀想と思う必要が何処にある!」
「ここにあると思う」
ライラがぼそりと呟くのを聞いたレオは殺気を放ちだす。
「あのさ、下僕って言いきってる時点で問題だと思うのは私だけかな?」
セノーテがレンに聞くと
「あ…いや。僕もそう思ったから」
レンも同意した。
「ちっ…しょうがないから聞いてやる。要件を手短に話せ。なお、父さんが逃げたとか言う苦情は聞かない。自分たちで探せ」
フィリアとかフィリアとかクラスの人の窓の外に居る人が可哀想だよ、って言う視線に負けたレオが苛立った様子で窓の外に居る、レオ曰く下僕の人に命令した。
「あ、はいい!!レオ皇太子殿下殿!!えー、非常に申し上げ難いのですが…」
「さっさと言え」
「ヒエエ!!す、すいません!!はい、国王様がですね、政務が面倒なので皇太子を呼んで来いと…」
「ハイ、却下。とっとと帰れ」
にこやかな笑みを浮かべてレオは即答する。
「し、しかし!!そういう訳には…国王様の勅命ですし!」
「下らないとこで権力振りかざしてんじゃねえ、あの馬鹿野郎!…と、勅命だろうが俺は帰る気が無いんでな」
「ですが!!手ぶらで帰ったら殺されます!!私が!!」
「勝手に殺されればいいんだよ。お前なんかが死んだって誰も悲しまねえぞ、おい。だから帰れよ、迷惑だろ?」
窓を開けてレオは外に居る人を付き落とそうとする。
「レオ…さすがにそれは」
「構わねえさ。ああ、帰ったら父さんにこう伝えてくれねえか。自分で政務くらいしろよ、このボケクソ親父。しまいにゃしばくぞ…とか」
フィリアが止めるのも聞かず、レオは外に居る人にワープをかけ緑の国に帰す。
「さて…他に、連絡は?」
何事もなかったかのようにレオはセノーテへ明日の事を聞く。
「えっと…今のって流すところだったの?!じゃなくて。校外体験実習のことはこれくらいかな。これが終わったら後期中間テストがあるよ」
「ふぅん。そ…テストなんかどうでも良いし」
「うっわ、自慢?それ、自分の成績が良いのの自慢なの?!」
レンがレオの呟きをとらえて叫んだ。
「違うが?というかあれ、授業でやったことしか出てないんだから、勉強しなくても満点くらい余裕で…」
「とれないの!!とれないから、皆必死になって勉強してるんだよ!!」
「そうだったのか。始めて知った」
「くっそぉ!!なんかバカにされてる気がして溜まらない!!」
レンとレオのかけあいにフィリアは目を白黒させた。
「ま、別にどうでもいいけどさ」
なんかどっと疲れが押し寄せてきたのかレオはフラフラとクラスを出て行った。




