それのネタ、まだ引きずるの!?
―放課後、中庭―
デバカメフィリアとレオが居るのは、ライラと男子が立っている木の後ろ。
「のぞき見~」
「フィリア、バレテいると思うが?」
「そーなの?でも、いーよね」
「まあ…良いと思う」
「でしょ?」
フィリアの嬉しそうな笑顔に根負けしたレオがのぞき見を勝手に了承する。
「えっと…その…ラ、ラララライラさん!!」
「はい?」
「す、すすすす好きですっ!!つ、つつ付き合って下さいいいっ!!」
名前も知らぬ男子君からの告白に戸惑うライラ。
「え…えええええ!!」
…戸惑うと言うより、理解ができなかったと言った方が正しいかもしれない。
ライラの顔が音を立てる勢いで赤くなる。
「ラ~イラ。お返事してあげないと~」
フィリアがヒョコッと木の陰から顔を出してライラをからかう。
「いや、イヤイヤイヤイヤ…」
「そ、そうですか…」
ライラの言葉が自分に言われた者だと勘違いしてしまった可哀そうな男子はガッカリした顔をする。
「そっかー、ライラにはフェカって言う恋人が…え、違うって?いくらなんでもダメか。あーそうだね…んー、なんか悪いな」
フェカと会話をするフィリア。
「ちょ、な、ななに言って!」
「え、でもさ。2回もキ」
「ダメ!!」
フィリアがライラを久しぶりに弄る。
「いーじゃん、自由に恋人、選べて」
思わせぶりにフィリアがレオを見る。
「はいはい、悪かったな。って、俺が謝らないといけない事なのか、これ?」
「さぁ?」
「あ、あのぉ~」
半分以上忘れられていた男子が3人に声をかける。
「あっ、そーだ。どちら様?」
ライラが男子に尋ねる。
「…」
「酷いな」
「に、2組から3組に上がった、シベリス・シュトラウスです」
男子もといシベリスは涙を微妙に浮かべながらライラに自己紹介した。
「なんで私の事知ってるの?」
ライラがシベリスに尋ねると謎の沈黙が降りた。
「だって…」
「?」
「まさかね…」
なんとなく分かってしまったフィリアが呟く。
「チ、チ、チョ…コ」
シベリスはこれまた勇気を振り絞って赤い顔でライラに告げる。
「あっ!!」
すっかり忘れていたライラはしまったと言いたげな声を出す。
「やっぱりそうか」
レオとフィリアは納得して頷いている。
「あのー、言っちゃうけど、それバレンタインでの幻術だよ。学校の現2年の男子はきっと全員見てる」
「…シベリスくん可哀そう」
「フィリア、あんな奴に同情する必要は無いと思うぞ」
「ん…それは…わかっていたけど、僕はその前からずっと好きでした!!」
シベリスはライラの手をさりげなく握る。




