バレンタイン
―2月13日、すなわちバレンタインの前日。
「あ、明日はバレンタインだね」
ライラがフィリアに言う。
「そーだね。誰に渡すの?」
「私はラキとセノーテと…」
クリスマスプレゼントを渡した人と同じ人の名前が並びました。
「フィリアは?」
「あー、誰にも渡さないんじゃない?いや去年は……フェカに渡したかな?あ、どうだっけ?」
フィリアはあやふやな記憶を引っ張り出してライラに告げた。
「渡さないの?」
「え、だって勘違いされると困るじゃん」
「…そ、そーだね…ってオイオイオイ、いーのそれで~、友チョコは?」
ライラはフィリアからチョコが欲しいのかねばる。
「…」
そんなライラの必死さに何か察したのかフィリアはため息をついて今年は作る事にする。
「しょーがないなぁ、ライラは」
「やったぁ~!!やったぁ~!!!皆に報告へ!いざっ!!」
ライラはそれをフィリアから聞くと、部屋を飛び出して他の人に報告をしに行こうとする。
「やめろっ!」
フィリアがライラの襟首をつかんで部屋に引きとめ1時間弱お説教した。
気を取り直して、2人はチョコの材料を買いに来ています。
「えーと、『3倍返しチョコ』とか『ネコ耳チョコ』とか『喜怒哀楽チョコ』とか色々作るネー!!」
「何それ」
少し呆れたような感じでフィリアがライラに尋ねる。
「知らないの?!チョコにいれるとね、面白いんだよ!」
「へぇ~…」
ちょっとライラそれ大丈夫なのと思うフィリアにライラが親指を立ててグッとした。
「もちろん、普通のチョコも作るよ」
「そーだよね、良かった」
少し安心したフィリア。
「でね、こーいうチョコが出回るから当日は授業が無いんだよ。モテル男子、女子とか恨まれている男子とか逃げるのに必死でねぇ。後、結構疲れるよ。男子もチョコ投げているしねぇ」
「何でそんなに詳しいの?今年が初めてだよね、ライラ」
「フフフフ…」
ライラが謎の笑い声を立てているのでフィリアは関係が無い人のふりをしようか一瞬迷いました。
「あ、そうそう。フィリア、大変な日になると思うよ。気を付けてね。後~『媚薬チョコ』って言って、チョコ食べた時に見た人のことが好きになるチョコもあるんだよ。あ、効果は少し経ったら無くなるけどね」
「へ、へぇ~…」
―2月14日―
ライラがガラッと扉を開け、教室に入る。
「おはよ~」
「誰かいる?」
ワクワクといったふうにライラが教室を見回す。
「誰もいない…」
「見事に!!さすが上級クラス!皆、標的なんだろうなぁ~」
感心したように言うライラへフィリアが質問する。
「え、ポラルは?」
「アハハ、あいつは追っかける方だよ、当然」
「そっか…当たり前だよね。えーと、皆の居場所は…」
携帯端末を取り出してフィリアは逃げたクラスメイトの居場所を探る。
「よし、チョコ渡しの旅へ、ゴー!」




