クリスマスパーティ
―色々あって夜―
「…うん。王宮のパーティはすっぽ抜かす。レオもでしょ?」
「当然。またあんな地獄には戻りたくない。面倒くさい奴らが沢山いるからな」
注文通り露出がいつもより多いドレスを着ているフィリア。
そこら中で鼻血を拭いて倒れる男子、女子。
何故女子もいるかと言うと。それはフィリアの隣を歩いてエスコートするレオのせい。
まんま、王女様、王子様って感じになっている。
「羨ましー」
「じゃ、俺がしてやろーか」
フェカが一人呟いたライラの隣にすっと現れて聞いた。
「ひ!え!は?…ああ。べっつにぃ」
「いーじゃん、どーせダンス踊るんだし」
「は?何言ってんの。私は踊っているフィリアの写真を連写するんだよ!!踊る訳がないじゃん!」
ライラはカメラをポケットから取り出して、フィリアの姿を連写した。
「…ライラ悲しくないか、それ」
「全然~!!おいしい物も食べれるし!!」
「そうか…」
フェカがそんなライラを見て呆れた。
「レオ…周りの人が多い。なんか見られているよ!」
「フィリアがかわいいからだろ。気にすんな」
「気にしよう…そこは気にして、レオ」
『メリークリスマス、諸君!!』
校長が壇上に現れてマイクに向かい喋る。
「メリークリスマス!!」
生徒も乗り良く挨拶を返し、パーティは始まった。
「いやぁ、食った食った。腹いっぱいやぁ~」
ライラがお腹を擦りながらフィリアとレオの2ショットを取りまくる。
「ライラ…お下品。そんなんだから、もてないの」
フィリアがライラを見て酷い事を言う。
「ヒド…」
「さて、と。踊りませんか、愛しの姫君」
「っ、レオ!茶化さなくていいの!!」
レオが貴公子然としてフィリアへ手を差し出し、会場の中央へ移動する。
「あ、何すんの?」
「踊るんだよ…。ライラは?誰か相手いんの?」
「いないけど?」
「…じゃあ、踊るか」
フェカは軽くため息をついてからライラの返事を待たずに、踊る体勢をとる。
1曲踊り終わると、フィリアとレオのもとへダンスの相手申し込みが殺到した。
そんなこんなで無事(?)にクリスマスパーティは終わった。




