クリスマスの朝
「フィリア。おはよう」
体育祭の後ずっと緑の国に居て、久しぶりに緑の国から帰って来たレオが窓の外からフィリアに声をかけた。
「あ、おはよ、レオ!今日も良い天気だね!」
「ああ。うん」
ちょっと上機嫌なレオにフィリアが何かを思い出して叫んだ。
「あ~!?あれだ!レオ、やっと緑の国王様、見つけたんだね?だから、帰って来られたんだ」
「当たり。父上も3カ月も下僕、間違えた。下っ端大臣のところに逃げ込んでいて…ふぅ。殺されるかと思った」
今、外は昨日の大雪で積もった雪が3階の高さくらいあり、そのおかげで3階の窓の外に人が立つなんて言うことができているのだ。
フィリアは窓を開け放ち、レオを部屋に向かいいれる。
「そういえば、フィリアのプレゼントは!?」
「フフフ…山が出来てましたよ、はい。おかげで廊下に出られないですよ…。全く通行の邪魔になるほど積むなんて。嫌がらせだよ」
疲れたようにフィリアは笑った。
それに男2人が反応した。
「ち…俺のフィリアに」
レオは舌打ちをして…
「舌打ち…」
「私はレオの物じゃない!」
「俺の…フィリアに…フフフフ。この世のすべての男どもよ、覚悟しろっ!!」
フェカは不気味に笑いながら、真っ黒なオーラを現してこの世の男を呪っている。
「フェカ、しっかり!もうすでに、レオとか家族…友達と私が判断したもの以外は廃棄処分にしたから。安心して、男を皆殺しにしてきちゃいな」
「フィリア、違う!それ、違う上にもっと酷い事を言っているよ!?しかも今、友達のこと、忘れてたよね?!」
「レオ、共同線だ。まず手始めに…ポラルとポラルと、ポラル…財務大臣を殺ろうじゃないか」
フェカはフィリアの話を聞いていなくて、レオに話を持ちかけ、男を殺す算段を付けていた。ポラルは女だけど。
「共同線を張るな!!男が消えたら、私の鬱憤は誰に晴らしてもらばいいの!正気に戻って!!」
「フィリアの方が、正気に戻れ!!だよ!男で鬱憤晴らしてんのかー!!今、クリスマスだから!そういう話題は止めよう!」
傍観者だったライラがこれはマズイとフィリアを怒鳴る。
「…そうだね。私、ちょっとおかしかったよ」
「うん、気が付いて貰えてとても嬉しいです」
「お、招待状が…」
フィリアの枕元から現れた招待状にフェカが気付き声をあげる。
「何々…」
『クリスマスパーティに貴殿を招待します。
場所は体育館でライラとかレオも呼んでいいです。
あ、でもでも…フィリア一人の方が良いな、なんて!やん♡
P.S.可愛い恰好で来てね。できれば露出の高いドレスが良いな。
おいしい物いっぱい置いてあるよ~。
Byとある偉い人より』
「ふ…」
フィリアはびりびりと招待状を破った。
「ハートマーク…」
「目標変更。学園長が第一だ!!」
レオがフェカに言った。
「ああ。フィリアを呼ぶだなんて…しかも、露出の多いドレス!?」
「レオ…フェカ…」
フィリアが男2人に声をかけて止めさせる。
「ん?」
「レオ、小さい頃はそういうのだって、着てたよ?」
「げほっ、ゴホゲホ…い、いきなり何を!」
レオがフィリアの放った言葉にむせた。心なしかレオの顔が赤い。
「フィリア!マジ!?ど、どどどどんな、ドレス!そのパーティ行こう!!フィリア、露出の多いドレス用意して!!お願い!…うわー!!」
ライラが男2人よりも反応した。
もう一度言う。ライラが、男2人よりも反応した。
「ライラ…変態。シスコンだけじゃなく…」
「ひど!!でも…だって…フィリア、可愛いから!見たいもん!そーいうの!!」
「止めて!なんか汚れる!なんか悪寒が走ったよ、今の言い方!」
フィリアがあわててライラの口をふさぐ。
「うん、俺も見たい!!」
フェカがライラに便乗して言った。
「フェカッ!!もう!レオは?」
赤い顔でフィリアはレオに尋ねる。
「え、俺?そりゃ…好きな人だし…ドレス姿は結構見たけど。見てみたいかな?うん。久しぶりにフィリアがドレスなところ、見たい」
レオは突然聞かれて困っていたが、グレーゾーンの答えを返す。
「ずりぃ、レオだけ逃げやがって」
フェカがこっそり呟いた。
「皆が…。じゃ、いいかなぁ。〝王宮の左から、3番目の~上から2段目~にある服!来い″」
青い肩だしドレスが出てきた。
「これで良いでしょ?」
「もももももちろん!!」
興奮しているライラが答える。
「ライラ…なんか変態」
「し、失礼な!!」




