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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第7章 やりすぎだろライラ
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体育祭1日目~応援合戦~


 ―応援合戦―


「ま、待ってライラ!!ってか何で私がこの格好…」


フィリアがとりあえず押しつけられた衣装を着せられてライラに引っ張られクラスの人にお披露目。

衣装はチアガール(ボンボンつき)。


「だから恥ずかしいって…」

「そうか?似合っている」


レオが妙に嬉しそうにフィリアへ言った。


「い、いやいやいやいや!!ちょ、ま、待て!」


たちまち顔を赤くしたフィリアはレオに手首をつかまれて引っ張られて行く。


「強引だなぁ…フィリアまた後でね」


誰も後を追おうとしない。


「デバカメ根性は無いんですの?」

「さすがに王家の人のは…」


遠慮している人の意見はほぼこれなのだった。



しばらくしてフィリアがレオに髪を一つ結びにされて戻って来た。


「おお~!!ポニテってやつだね、フィリア!」

「ふう。どうだ?」


レオが満足そうにライラへ聞いた。


「バッチシ!ってかレオ髪の毛結べたんだ」

「当然だ」

「そっかぁ、当然なんだ!」


ライラが感心する。


「ライラ…当然じゃないから。こんなことができるのはこいつ一人で十分だよ!!」

「えー、可愛いけどなぁ」


『はーい!!1-3の応援合戦始まるよ!!』


放送部の人が変わったらしく女子の声になった。


「お?えっと、私が出るの?今さら何だけどさ…」

「いいからいいから!」


女子に押されてフィリアが応援合戦の位置に着く。


『じゃあ、始めて下さーい!』

「えっと、せーの」


せーのも何もフィリアしかいない。校庭のど真ん中にフィリアが一人で立っている。


「おーけー。行くぞ、〝月詠~″!」


ライラがちょっとした幻術を使って空に花火を出す。


「うん、〝散れ、我が心の欠片。私の色を鮮やかに映し出せ″!!」


フィリアの周りに銀色のしずくが現れてパァッとあたりを輝かせた。


「上出来じゃん。皆行くよー!」


女子の一人が残りの女子を率いて踊り出す。


「ま、こんなもんですの」


男子は特に出番なしなので待機。


「暇だなー」

「そうだな。男子は誰かが怪我をしないか見て回る役目って言われてもなぁ」


男子がぶつくさ呟く。


「まあ、好きな女子とか見ていればいいだろう」


レオがなんとなくなだめる。


「そうか!その手が有ったな!!」




応援合戦も最後にさしかかった頃、しずくが揺らめいて散る量が増えてきた。


「《やば…暴走した?かもしれないライラ》」


フィリアが焦ってライラにテレパシーで伝える。


「《え?でも後もう少しで終わるし》」

「《そうなんだけど、魔物とか来そうなんだよね。魔力に誘われて。ってか現に来ちゃった…》」


フィリアが空を仰ぎ見る。レオも異変に気づいて戦闘態勢に入る。


「《フィリア、俺が殺る》」

「《わかった、よろしく》」


レオが学園に張られた結界を破って侵入してきた鋭い爪と牙を持つ大きな蝶型魔物に向かって跳躍する。


『飛んだー!!』


予想外の事態に応援合戦は中止されていて、生徒も非難し終わりレオと真下で傍観中のフィリアが残る。


放送部の人はこんな時こそ放送だ!とか言って放送室に居る。


「フィリア、これも魔法使ったのにカウントされると思うか?」

「うーん?別にいいとは思うけど、魔法使わないでやりなよ。迷惑じゃん、レオの魔法」

「おお?そうか?ならいいけど…」


レオがフィリアの元に一端降りて尋ねてからもう一度魔物の方に飛んで魔物の背中に立つ。


『おおおおおお!!背中に立ったぁ~!すげーなこの人!』


魔物が嫌がって麟紛を校庭に降らす。


「毒だから各自で防いで!」


フィリアが自分の周りにだけ結界を張る。


「おおい!こっちにも張ってよ~!」


それを見た無責任な誰かがフィリアに頼んだ。


「…分かった。〝結界強化″」


フィリアが校庭にだけ結界を張った。


「あー、もう迷惑かけんなよな」


レオが魔物に剣を刺してどっかに送った。


「終わったぞ、フィリア」

「うん。迷惑な奴だったね」


『おおおおおお!!できてるぅ~と言わねば!!でぇきてるぅ~』


放送部の人によるやっかみ。


「できてちゃ悪いのか?」


不思議そうにレオは隣で結界を解除しているフィリアに聞く。


「だめなんじゃない?ってか先生!この学園の結界脆すぎですよ!どうにかして下さい!」


遅れてやって来たルーピンにフィリアが怒る。


「フィリア、怒ったってしょうがないだろ?先生こいつが迷惑かけてすみませんね」


レオがフィリアを引きずって1-3の人が集まっているところに移動した。


「凄かったよ、レオ君!」

「ああ、ハイハイ」


1-3の女子たちがレオの周りに集まってキャーキャー言う。それをレオは軽く受け流していく。


「レオ、すげえな!」

「そうかい」

「レオ君、カッコいいよ!」

「あー、サンキュ」


「くっそぉ!!なんでレオが!!」


レオがキャーキャー言われているのを見たフィリアがレオに突っかかった。


「おお?」



「レオの…レオのバカーっ!!」


フィリアがレオの手から逃げて遁走。


『ち、痴話げんかー!!おおおおおおおおお!!』


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