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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第6章 夏だー海だー青春だー
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海にて溺れる?フィリアさん

 ―海―


「海だー!!」


今海に来たのはフィリア、ライラ、レオ、レン、セノーテ、ソフィーのおなじみメンバー。

皆当たり前だけど水着。


「ふぅ、何で海かね。山とか山とか山とかあるのに」


フィリアが憂鬱そうに呟いた。


「ねーねーあそこまで競争しよ!」


ライラが沈んでいるフィリアに競争を持ちかけた。


「……いいよ」


ソフィーはテンションが異常に高いがフィリアは異常にテンションが低い。


「二人で足して割ったらピッタシのテンションになるね」


セノーテがレンに言った。


「そ、そうだね。ってかライラ泳ぐの早すぎるよ」


レンはライラとフィリアの競争を見て言う。

フィリアはあっという間にライラに引き離されていた。


「海、嫌いだな…」


勝負を放棄してフィリアはプカプカ浮いている。


「フィリアーどこだー!!」


ライラが気づいてゴール地点から叫ぶ。


「……」


無反応のフィリア。


「フィリア!?」


ライラがフィリアに気付き泳いでフィリアのもとに駆け付ける。


「ふぅ。さー遊ぼう!」


フィリアの気分が復活した。

フィリアは水で遊び始める。


「フィリア?どうしたの?」

「え…どうもしていないけど?」

「顔色悪いけど大丈夫なの?」

「大丈夫だよ~」


心配そうなライラにフィリアは笑って答えた。


「一端、砂浜に行こう」


ちょっといやかなりフィリアが心配になったライラが砂浜に向かって泳ぎ出す。


「いいよ、気にしなくて」

「いーの。私は喉が渇いたの」

「わかった、行く」


フィリアが砂浜に泳ぎ出すと大波が来た。


「ちょ、フィリア?」


フィリアが沈没したのを見てライラが慌てる。


「《フィリア、応答せよ!!っつーか沈むなよ!》」


ライラはテレパシーでフィリアに話しかける。


「《ライラ~。ちょっとヤバいかも~》」

「《何がどうヤバいのか教えてよっ!って、どうしたの!何処まで沈んだのあんたは!!》」

「《あのね、フェカが~》」


「わかるか!!最後まで伝えろよ!!」


ライラが海面に顔を出して叫んだ。


「《あー、離れていた方が良いよ。魔力が暴走するから~》」

「はい?いやだから!!意味分かんないんだけど!!!」


純粋な魔力が海から現れて空へ伸びて白くあたりを染める。


「うわー何がどうなってんだか分かんないねっ!!」


ライラが海に浮かんでいる板に上って呟いた。


「《後…だから…すれば…》」


フィリアのテレパシーはかなり雑音が混ざっていてところどころ聞き取れなかった。


「聞き取れないー!!テレパシーが聞き取れない!!しかもかなり重要なところが聞き取れないー!!」


騒ぎに気付いたレオ達がライラのところに来た。


「どうした?見たところフィリアの魔力っぽいけど…」


レオが魔力の渦を見てライラに聞いた。


「うん、フィリアが壊れた」


ライラが間違ってはいないけどあってもいない説明をする。


「え?何それ。どういうこと?」


セノーテが困ったように聞く。


「まさか、フェカが?」


色々と思い立ったレオがライラを問い詰める。


「分かる奴がいたよ、ライラの説明で!そっちに驚きだね」


分かったらしいレオにレンが感動する。


柱の色が赤くなって熱を持ち始める。


「うわ、あっち!!も、燃える!海水、蒸発してる!!」

「海、海なぁ…。ま、とりあえずフィリアを引っ張り上げれば良いんじゃね?」


そう結論を出すとレオはどうやってフィリアを海面に出すか考え出す。


「じゃあ…セノーテ、ウォータープリズムを柱にぶつけて。私がワープして捕まえてくるから」


ライラがセノーテに頼んで飛び込む用意をする。


「わ、わかった。えーと、〝我が言葉を聞き入れ我が望みのままに姿を変え我に従え!ウォータープリズム″!」


セノーテは戸惑いながらも呪文を唱えてウォータープリズムを放つ。

水の渦と熱の渦がぶつかって食い込み合う。


「〝ワープ″!!」


ライラがワープしてフィリアを抱えて戻って来た。


「ヤ、ヤバかった…」

「ふぅ」


びしょぬれのライラがフィリアを板の上に置くとセノーテがため息をついた。


「し、死ぬかと思った…」

「バタッ」


ライラが顔をぬぐい、セノーテが倒れる。


「セノーテ!!」


レンが慌ててセノーテを抱き上げる。


「…とりあえず砂浜に行こう」


レオがやや呆れ気味で板を砂浜の方に動かす。

ユラユラと板が動いて宙に浮いた。


「浮いた――!?」

「浮かせたー!?そっちに驚きっ!」


レンとセノーテが驚く。


「着いた」


砂浜にズブッと落ちた。


気絶してぐったりとしているフィリアをレオが担いでパラソルの下に運ぶ。



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