猫耳!
光が消えるとフィリアにネコ耳とふさふさの尻尾が付いていた。
「うわ…」
ライラが嬉しそうに絶句した。
「レ、レオのバカ!!絶対わざとでしょ!ひ、ひどい…」
ポカポカとフィリアはレオを叩く。
「まさか。そんなわけないだろ。疑うのか?」
フィリアの耳がピクッと動いた。
「だって…レオが狙っているもの以外を切ったこと見たことないし…」
尻尾もパタパタと動いている。
「っくぅ…」
ライラがフィリアにガバッと抱きついた。
「わっ!きゅ、急になぁに?どうかしたの?」
「ううん。無事でよかったよ!!死んじゃうかと思った!!」
「死ぬわけないでしょ。ライラ、それは侮辱だよ?」
耳をいじりながらライラにフィリアは不機嫌そうに訴えた。
「か、かわいい…」
「何処が!!こ、こんな呪いのせいで私は…母上が800年目に生むから呪いが掛かっちゃって…」
「いや、かわいいよ!!はら無意識なんだろうけど尻尾がパタパタ~って」
ライラがフィリアの動いている尻尾を指す。
「うわっ!え、な、なんで?というか誰かペンダント!封印石!!」
フィリアが何処かに叫んだ。
「ほら、やる」
ライがフィリアにペンダントを放り投げる。
「あ、ありがとう兄上」
ライラがペンダントをキャッチしようとしたフィリアから叫んで奪う。
「あああ!!」
「か、返せ!!」
フィリアが手を伸ばしてライラからペンダントを取ろうとする。
「フフフ、ネコ耳フィリアを見られなくなるなんて嫌だからね!」
「ラ、ライラ…」
フィリアが少し引きかける。
「フィリアばれたな。どうする?」
ライが上から降ってきて着地してからフィリアに聞いた。
「あ…ごめんなさい兄上」
「謝罪は求めていない。どうするつもりだ?」
「えっと、このまま学園にいます」
「わかった」
ライは頷くとフィリアの頭を撫でた。
「な!あ、兄上?」
「フィリア…気を付けろ」
ライは最後にフィリアの耳元に口を近づけて囁いてから講堂から帰って行った。
「え、ど、どういう…?」
フィリアの戸惑った問いを聞かずにライは出て行ってしまった。
「フィリアこれ…」
ライラがフィリアの頭から落ちた小さな黒い欠片を指して拾おうとする。
「待てっ!!ライラ、拾うな!!」
レオが止める。
「これ…呪石の欠片だ。触ると呪いにかかるって言う危険なものだよ」
フィリアが欠片に触らないように眺め驚いた。
「呪石?!フィリアの頭から落ちてきたけど?」
「兄上が落としてくれたんだよ。兄上は大丈夫かな…」
「大丈夫だろう。ライさんなんだからな」
「そうなんだけどさ…。まいいや、悩んだってしょうがないしね」
フィリアが笑ってレオに告げる。
「そうだな。でどうするんだよ耳と尻尾」
レオがフィリアの耳と尻尾を指差す。
「うわっ!え、ええとライラ返してくれない?」
「やだっ!!」
子供のように駄々をこねようとするライラに困ったフィリア。
「ライラ、返してやれ」
「いやだ!ね、一日くらい良いでしょ?」
ライラはレオから遠ざかるとフィリアに聞いた。
「う…ラ、ライラが言うなら…」
フィリアがライラの一日くらい良いでしょって言いたげな視線に折れた。
「そうそう」
フェカがフィリアの隣に現れて腕を組んだ。
「いつの間に!!」
「ついさっき。相変わらずかわいいな、フィリア」
「むぅ…」
不満顔のフィリア。
フェカはそんなフィリアを見てニヤっと笑う。




