レオとフィリア
「そういえばレオ君、フィリアさんの名前だけ言ってないや」
「というか、何者なの、レオ君」
女子が囁く。
「ふふん。フィリアなんかの名前を覚える必要はないってことよねっ!!私がフィリアに勝ったのよ!!」
ポラルが勝ち誇って胸をそらす。
「いや…。フィリアもう一度聞くけど戻ってくる気はないのか?」
「ないです!全然ないですよ、緑の第一王子様?」
とりあえずフィリアはレオの言葉を否定してレオの正体をばらす。
「そんなことを言わずに、なぁ?」
「しつこい男は嫌われますよ?」
笑顔で言い合うフィリアとレオに周囲の人は一歩遠ざかる。
「ってか、レオ君王子様なんだぁ…」
「それよりも、フィリアさんって何者?!」
「王子様から誘われるなんて羨ましい…」
女子が再びざわめく。
「つーか、ばらしてもない訳…頑張ったなフィリア」
「…怒っていいか、怒鳴っていいか?ねえライラ、この世で一番ウザいのは誰かなぁ?」
ゴゴゴゴと炎を煮えたぎらせたフィリアはにっこり笑ってライラに聞いた。
「え…?さ、さぁ?っていうか、そんなことしてるとばれるよフィリア!」
「どうでもいいよ!今の私にはアイツをどうやって殴るかしか…」
「怖い怖い!やーめーてー!!」
フフフフと笑いだしたフィリアを何とか止めようとするライラ。
「どうでもいいのか…。こういうのはさっさと言っといた方がいいしな?」
レオが汚れていない黒板に寄りかかって呟く。
「それとこれとは別だ!」
「あー、盛り上がってるとこ悪いけどレオ君はフィリアさんの隣でいいかな?」
ルーピンがフィリアとレオの間に入ってストップさせる。
「ええ!とてもうれしいですよ、有難う先生」
「はぁ?何言っちゃってんですか先生!なんで私がこんな…」
「フィリア、落ち着いて。皮がはがれかけてる!」
ライラがフィリアを落ち着かせようとひっぱって座らせる。
なんだか教室にいるポラル派の女子から歯ぎしりが聞こえたような気がしたライラだった。
「と言う訳で、よろしくなライラ」
「あ、うん。よろしくレオ」
「なんで私がこんな奴の…」
ぶつくさフィリアがライラに言う。
「そういえば、知ってる?」
ライラがフィリアに思い出して言う。
「何?」
「うん、セノーテとレンがねあの後くっついたんだって!!」
「へぇ。それは良い事なの?」
「良い事だよ!大いに良い事だよ!!」
「そうなの?」
「だっていじりがいが…」
「うわっ嫌な奴」
軽く引いたフィリアだけど、レオの方に体を傾けている。
『ウーウー』
突如サイレンが鳴りました。
「えっと…何事かなぁ、いきなり」
フィリアがライラに聞いてみる。
「さぁ?」
『魔物カガラルトが構内に入りこみました。校舎に居る生徒はただちに講堂へ避難して下さい』
放送が続きました。
「カガラルト…?」
「カガラルト…」
「へぇえ…」
3者3様のコメントでした。ライラは何なのか分かってないです。
「ってかこんな放送流すくらいなら退治しろよ…」
ライラが放送に突っ込みました。
「はーい、皆落ち着いて講堂へ行きましょうね」
「でも講堂って…講堂?何処だ、それ…」
フィリアが首をかしげました。
「フィリア…」
そんなフィリアにライラもあきれています。
「私もだよ!」
「ライラ、笑い事じゃないの分かってるのかな?」
フィリアが腹を抱えて笑っているライラに聞いてみた。
「俺、知っているけど?」
レオがギャーギャー騒いでいる二人に手をかける。
「へぇー、良かったね」
棒読みのフィリアにレオがガッカリする。
「はい、ついてきてー。ほら何処行くんだね?こっちだよ」
ルーピンが素早く生徒をまとめて講堂へ行く。
「あー、はい」
いつものメンバー+αで動くフィリア。




