朝。やっちゃいました
翌日。
5時30分ごろ、眼が覚めたフィリアは隣にレオがいて飛び起きる。
「ひ、ひゃあ!?」
「ああ、おはようフィリア」
ムクリと置きあがったフィリアはレオに引っ張り戻された。
そして6時30分ごろ。
コツン。
「「は?」」
たまたま同時に寝返りを打ったところ、ライラとラックの額が衝突する。
眼が覚める。
目の前に顔がある。
「ヒャ…ご、ごめんなさーい!変化の術持続できなかった!」
一晩、持ちませんでしたっ!とライラはベッドから落ちて土下座する。
「イヤ、べ、別に大丈夫…」
困ったようにラックは手を上下させる。
その頃のフィリア。
「レ…オ…君?」
「かわいいぞ」
レオの腕の中から必死に抜け出そうと暴れていた。
「放せっ!はーなーせー!!」
「誰が放すか」
「はーなーせーぇー!」
7時ごろ。
「ふわあぁ…」
眼を覚ました2人。
「はっ!?」
「ちょ、レン。寝相悪…」
レンが枕を乗り越えてセノーテの方に移動してしまっていた。
「…ゴメン、セノーテ」
「構わないよ」
なんて男前なセノーテでしょう。
そのころのフィリア達。
「べっ、別に、許してあげてもいいけどっ」
「フフ」
レオが何かでつってフィリアの怒りを解いた様子。
「だからって!でも、その…す、少しだけ、だからね?」
うるうると瞳を潤ませてフィリアはレオを上目づかいで見上げる。
「今度な」
「う、うん!」
コクコクとフィリアは首を縦に何度も振る。
ライラたち。
ライラは謝りつかれてラックのひざまくらでスゥスゥと眠っていた。
「…う、うごけない…」
「クゥ…好きだよ…」
ムニャムニャとライラは寝言を漏らした。
「誰のことだろ…」
僕のことだったら嬉しいんだけどなーなんてラックは思ってみる。
「フィリアかわいいっ!!…はっ!?あ、ラック。おはよ!」
案の定、ライラが好きだよなんて漏らしたのはフィリアのことで。ラックは悲しくなる。
「おはよう、ライラ」
「って、なんで私ラックの膝で寝てるの?」
自分の状況を見たライラは首をかしげる。
「謝りすぎて力尽きたのか僕の方にたおれてきたでしょ」
「あっ…そ、そうだった、かも?」
うーん、と首をひねりながらライラは記憶を手繰っていく。
7時30分ごろ。
ロビーに集合した生徒たちは、昨日どうだったかワクワクと3組に尋ねる。
「べ、べべべべべっつに!」
「そ、そそそそそそっう!」
フィリアとライラは、動揺してドモリながら答える。
「何かありましたよーって全力で言ってるな」
レオは勝ち誇った笑みを、ラックは苦笑いを浮かべてフィリアとライラの言葉を否定も肯定もしない。
「ふぅん。じゃあセノーテたちは?」
思った通りなんじゃないの?と思ったソフィーはセノーテとレンに標的を移す。
「えっ?私?わ、私は…楽しかった、よ」
「う、うん。色々とあった…ね」
誤解を招くような言い方をした2人に生徒の視線が突き刺さる。
「「色々っ!?」」
「…色々、か」
裏返った声でフィリアとライラが同時に叫び、レオが羨ましそうに呟く。
「セノーテとレン、大人の階段を登っちゃったんだ…」
「羨ましい」
「胸もあるし…」
「ちょ、ライラ!?フィリア様とレオ様の発言は、予想通りだからいいとして、何を言ってるの君は!」
ラックがライラの言葉につっかかる。
「だってぇ。フィリアもセノーテも胸あるでしょ?でもね、私、ツルペタなんだよ」
ペタペタと胸を悲しそうになでながらライラは言う。
「…もまれれば大きくなるから」
ポン、とライラの肩を叩いて言ったのはフィリア。
「えっ!?」
「ええっ!?」
えええ――――!?という言葉にならない叫び声がロビーにあふれた。
「え、何?」
キョトンとしてフィリアはライラ以下生徒たちを見る。
「え、何それはレオにもまれてますよ発言でオケ!?」
「うらやましいとか言って!?」
「自分の方が羨ましいわ!!」
モテない男子どもから僻みの視線がレオに突き刺さる。
「…フィリア。誤解を招きに行かなくていいだろう?」
ため息をつくとレオはフィリアを諭すように言い含める。
「え?アハハ。あのね、もんでくるのは母様だから」
笑い飛ばすとフィリアは、もう少し詳しく説明をする。
「そっちの方が問題じゃ―――!!」
ライラは思い切り叫ぶ。
「ハァハァ…フィリアさんとの絡みオケ…」
「ど、何処からかまずい思考が漏れてるぞ!?」
聞えてきた荒い息に、男子生徒A がすくみ上る。
「どいつだ」
「誰だろうね」
「ああ…フィリアさん、さいっこう!!きっと昨日はあんな事やらこんな事やら…」
なおも止まりそうにない思考の漏れに、レオは主を探すのをやめる。
「やめよう。すごく嫌だ。このクラスほとんどが腐ってるからな」
ええ、レオとクライトをおかずに。
「フィリア―――!!愛してるー!!」
ライラが地雷を踏みに行く。
「…死んでこいよ」
フィリアに飛びかかろうとしたライラをレオが蹴り飛ばす。
「ぐっはぁ」
「ラ、ライラ!?」
ラックが慌ててライラを看病する。
「…あらら」
冷めた目でそれをフィリアは見下ろす。




