幻術かけた犯人は
―次の日―
トゥルルル~トゥルルル~
フィリアの持ち物で通信機の一種。ちなみに青色で小型。
「もしもし、フィリア…」
『コラァ!!何処に居るフィリア!!』
「キャアアア~!!」
「げ、やべ」
ライからの電話でした。
『何処だっ!言え!!』
「み、緑!緑の国!!」
フィリアが慌てて教える。
『今行くから逃げるなよ!行くぞ、皆』
「…皆?」
「よっと、着いた」
ライが来ました。6人引き連れて。
「え~と?」
「こっちと俺は2年の特待生、でこっちは1年の特待生だ」
「学校大変なことになっているよ~」
「み~んな赤いんだよ…怖かった」
セノーテが半泣きでフィリアに抱きつきました。
「え?ちょ、キャ~!!ど、どこさわって…」
ぐりぐりとフィリアの胸に顔を押し付けて涙をふくセノーテ。
「1,2,3,4…5人のはずだよね」
「…誰だったかな?」
「二人とも、同じクラスの人の名前くらい覚えておこうよ」
「はぁ…もう一人は赤の国出身のジルカロィ・モトロム君だよ。何考えてるんだか、フィリアの次に分からないって言う…」
レンとセノーテが首をかしげている二人に呆れたように言う。
「妖しいな…」
「と言うか、フィリア。何考えてるんだかわからないの部分はスルー?」
「ん~、よし、フォル!起きろ!ライラの実家に行くぞ!!」
隣に居るはずのフォルティナールを起こしに隣室に消えたフィリア。
「やっぱ、何考えてるんだか分からない…」
セノーテが呟いた。
「ジルカロイが犯人だったとしたら、赤の国だから操られている人の目は赤くなるんだよね~。辻褄が合いすぎてビックリ!!」
ライラが残っている人に言う。
「何で知ってるんだ?」
ライが不思議そうに聞く。
「私何気…」
「ライラはね、幻術が得意ってレオに調べさせたのに書いてあったよ、兄上」
ライラがカッコよく決めようとしていたのを、フォルティナールを起こすのに一発で成功したフィリアが遮って言った。
「わ、私のセリフ~!!」
「おはようございます、ライラさん。って人が増えてる…」
フォルティナールがフィリアの後ろからついて出て増えている人を見て固まった。
「なんだ、こいつ?」
「…えっと、リィの紹介で学校の皆が…(以下略)のことの相談に乗ってもらっているの」
フィリアがライに説明する。
「ところでフィリア。レオって誰?」
セノーテがフィリアに聞いた。
「え、え~と…さあ?」
「ごまかせてないよ~フィリア。さあさあ、吐けー!!」
楽しそうなセノーテに一歩ずつ後ろに下がっていくフィリア。
「よ、よし!皆、学校の呪い解くぞ!!」
フィリアが耐えられなくなって逃げた。
―銑川家の前に剣さんとこ―
「ええと、フウラを探しているんですよね。彼女は私と夫婦です」
「え!!」
「…」
予想外の台詞にフィリアが絶句する。
「それで、私とフウラの子がこの子です。入れ」
ドアが開いてライラにそっくりな子が入って来た。
「はい、銑川羅希っていいます。よろしくです」
つつましやかにラキは頭を下げた。
「よっし、色々と面倒くさいからライラの実家へGO!」
フィリアが勝手に皆をワープさせた。
「て、ちょっと待て、おい!なんで私の家を知ってるの、フィリア!?」
ワープは原則として場所を知っていないといけない。住所的なものを。
「ウフフフフ」
つっこんだライラに笑って答えるフィリア。
「私、1歳年上の姉を探しています。誰か知りませんか?」
ラキがフィリア達に聞く。
「え?それなら」
フィリアが答えようとしたらライラが小声で言うな!と言う。
「ああ、ん~フフ。そういうのは自力で探すのがいいのよ~」
フィリアが偉そうに言うと…
バンっとドアが開き、金髪緑眼の美男子が入って来る。
ついでに捕捉で、この間のシルヴァールーンと同じ姿。
「お、王太子殿下!?な、なんでここに!!」




