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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第4章 赤の国VSフィリア&ライラ
24/268

幻術かけた犯人は

 

―次の日―

トゥルルル~トゥルルル~

フィリアの持ち物で通信機の一種。ちなみに青色で小型。


「もしもし、フィリア…」


『コラァ!!何処に居るフィリア!!』

「キャアアア~!!」

「げ、やべ」


ライからの電話でした。


『何処だっ!言え!!』

「み、緑!緑の国!!」


フィリアが慌てて教える。


『今行くから逃げるなよ!行くぞ、皆』

「…皆?」

「よっと、着いた」


ライが来ました。6人引き連れて。


「え~と?」

「こっちと俺は2年の特待生、でこっちは1年の特待生だ」

「学校大変なことになっているよ~」

「み~んな赤いんだよ…怖かった」


セノーテが半泣きでフィリアに抱きつきました。


「え?ちょ、キャ~!!ど、どこさわって…」


ぐりぐりとフィリアの胸に顔を押し付けて涙をふくセノーテ。


「1,2,3,4…5人のはずだよね」

「…誰だったかな?」

「二人とも、同じクラスの人の名前くらい覚えておこうよ」

「はぁ…もう一人は赤の国出身のジルカロィ・モトロム君だよ。何考えてるんだか、フィリアの次に分からないって言う…」


レンとセノーテが首をかしげている二人に呆れたように言う。


「妖しいな…」

「と言うか、フィリア。何考えてるんだかわからないの部分はスルー?」

「ん~、よし、フォル!起きろ!ライラの実家に行くぞ!!」


隣に居るはずのフォルティナールを起こしに隣室に消えたフィリア。


「やっぱ、何考えてるんだか分からない…」


セノーテが呟いた。


「ジルカロイが犯人だったとしたら、赤の国だから操られている人の目は赤くなるんだよね~。辻褄が合いすぎてビックリ!!」


ライラが残っている人に言う。


「何で知ってるんだ?」


ライが不思議そうに聞く。


「私何気…」

「ライラはね、幻術が得意ってレオに調べさせたのに書いてあったよ、兄上」


ライラがカッコよく決めようとしていたのを、フォルティナールを起こすのに一発で成功したフィリアが遮って言った。


「わ、私のセリフ~!!」

「おはようございます、ライラさん。って人が増えてる…」


フォルティナールがフィリアの後ろからついて出て増えている人を見て固まった。


「なんだ、こいつ?」

「…えっと、リィの紹介で学校の皆が…(以下略)のことの相談に乗ってもらっているの」


フィリアがライに説明する。


「ところでフィリア。レオって誰?」


セノーテがフィリアに聞いた。


「え、え~と…さあ?」

「ごまかせてないよ~フィリア。さあさあ、吐けー!!」


楽しそうなセノーテに一歩ずつ後ろに下がっていくフィリア。


「よ、よし!皆、学校の呪い解くぞ!!」


フィリアが耐えられなくなって逃げた。










 ―銑川家の前に剣さんとこ―


「ええと、フウラを探しているんですよね。彼女は私と夫婦です」

「え!!」

「…」


予想外の台詞にフィリアが絶句する。


「それで、私とフウラの子がこの子です。入れ」


ドアが開いてライラにそっくりな子が入って来た。


「はい、銑川羅希っていいます。よろしくです」


つつましやかにラキは頭を下げた。


「よっし、色々と面倒くさいからライラの実家へGO!」


フィリアが勝手に皆をワープさせた。


「て、ちょっと待て、おい!なんで私の家を知ってるの、フィリア!?」


ワープは原則として場所を知っていないといけない。住所的なものを。


「ウフフフフ」


つっこんだライラに笑って答えるフィリア。


「私、1歳年上の姉を探しています。誰か知りませんか?」


ラキがフィリア達に聞く。


「え?それなら」


フィリアが答えようとしたらライラが小声で言うな!と言う。


「ああ、ん~フフ。そういうのは自力で探すのがいいのよ~」


フィリアが偉そうに言うと…


バンっとドアが開き、金髪緑眼の美男子が入って来る。

ついでに捕捉で、この間のシルヴァールーンと同じ姿。


「お、王太子殿下!?な、なんでここに!!」


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