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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第4章 赤の国VSフィリア&ライラ
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来たぜ、緑の国!

―緑の国の王都―


「故郷~!」


緑の国の住人と紛れるため和服(着物)を着る3人。


「2人とも行動が早くて良いですね」


感心しているフォルティナール。


「…あ」

「どうしたの、フィリア?」

「ねぇ、レンにさまた明日っていったよね」

「あ…」

「怒ってるかな?」

「多分」

「どうする?」

「連絡しよ」


実はライラ、銑川家の秘伝技を少し使える。

銑川家は他人に余り知られていない技を受け継いでいるが、王家の秘伝技とほぼ全部かぶっています。

その1つがテレパシー。


「いくよー《OK?フィリア》」


頭の中で話しているんで、フォルティナールには聞こえていません。


「《うん》」

「《おーい、レン!》」


ライラがレンに話しかけます。


 ―その頃レンは―


「…あれ?いない…」


真面目に食堂でフィリア達を探していました。


「《~い、レン!》」


「な、ななな!!」


凄い驚きかた。


「秘伝のテレパシー術…《も、もしもし。フィ、フィリアさん?ライラさん?》」


レンもテレパシーが使える。


「《私達、原因追ってちょっと、外出しているから。ま、任せてね!》」


言うだけ言ってフィリアはテレパシーを切った。


「…僕は何もするなと」


レンは食堂をとぼとぼ出て行った。


 ―その頃2人は―


「うける、レン君!」

「ふふ、ま否定はしないけど」


街中を歩くだけでも目立つ二人。銀髪と金髪だからです。

そこに黒い着物を着たいわゆる警察みたいな人が来た。


「すいません、そこの3人の方。私は第一班の班長銑川剣一と申します」


フィリアは剣一と名のった男をじろじろと観察している。


「あなた方はなにをしに?」

「観光です!」

「いや、銑川フウラって人を探しています」


フィリアが剣一の観察をやめて超上から目線で言った。


「…分かりました、お教えいたしましょう。しかし、今日はもう夜です。宿を用意します。泊まって下さい」

「有難うございます」

「わーお泊りー!!」


テンションアップなライラ。


「はっ!…兄上に、怒られる…」


フィリアがそんなライラを楽しそうに眺めてから、ふと思い出し悲しそうな声を出した。


「巻き添えにされる…」

「ま、いっか」


2人は顔を見合わせて笑った。


 ―某ホテルの一室―


「広~い!」


何故かベッドが3つ。


「何で3つあるの?」

「そ、それは…」


言いにくそうなフィリア。


「フェカが、俺も混ぜろって…」

「…え」


硬直するライラにフィリアも苦笑い。

ポンとお約束な音を立てて、フェカが実体化する。

実体化したフェカは、跳ねまくってる銀髪に赤いつり目の、美少年というくくりには余裕で入るがフィリアに似ているような、似ていないような微妙な姿。


「つーことでよろしく」

「フェカ、久しぶり!」

「ああ、あ、ああ、あああ、フ、フェ、フェ、フェカ…」

「なんだ?うるさいな~俺とキ」

「あー!!」


フェカがキスしたって言おうとするのを遮るライラ。


「ん?えーと、どうしたの?フェカ、キ…?何?」


フィリアだけが分かっていない。そんなもんだからしばらく考えた。


「あ、ああ!フェカとキ」

「だ、だめぇー!〝バインド″!」


バインドとは拘束魔法の中級。相手に光線を当てて動けないようにする魔法のこと。


「お、よせ!」


でもなぜかフィリアじゃなくてフェカ。


「〝アレスト″!」


アレストとは拘束魔法の上級。


「おー!!わかった、やめろ。殺す気かー!」


「ラ、ライラ!!もうその辺にして!」


フィリアが慌ててライラを止める。


「…てかさ、ここに居る3人が皆知ってるんだから、隠す必要無くない?」


フィリアがついでにボソッと呟いた。


「!!…そういえば」

「気づいてなかったんかい!!」

「アホだな~、アホ」


驚いたライラをフェカがカラカラと笑う。


「フフフフフフフフフフフフ…イイヨネ、フィリア。サンダープ」

「ヤーメテー!怖いって」


不気味な笑い声を立ててウォータープリズムの雷版を落とそうとしたライラをフィリアが止めて、フェカが頭をクシャッと撫でた。


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