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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第3章 非平凡な日常
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ちょ、え!?

 ―食堂―


「あ、兄上だ」

「ライさんだ~」


2人はライを見て手を大きく振った。

それを見てライはフィリアの方に近寄る。


「フィリアお前何した?」

「え?」

「?」

「あ、ライラはそこにいるんだ。ちょっと兄妹水入らずの話をしてくるから」

「兄上?」


フィリアはライに連れ去られる。


「フィリア勝手なマネをするなよ、いいな?」

「え?」


ポカンとするフィリア。


「お前封印が解けかけているだろ?」

「解けてないよ!!」

「嘘はいけない」

「ついてない」

「いけないと言っただろう」

「えー」

「えーじゃねぇぞ」

「はーい」

「よし」


ブツブツ言いながらフィリアはライラが座ってる席へ行く。


「フィリアー」

「なに?」

「結局赤ってなんだったの?」

「赤は…まぁ個人的な恨みかな」

「ふぅん」

「ごちそうさま」


自室に戻る2人。


「ぬ!」

「また?」


今度はフィリアの机の上に手紙が置いてあった。

ヤッパリ几帳面に糊づけされている。


「ねぇ、見たーい」


「ダーメ」


中を読んだフィリアはやはり燃やした。


「えー」

「はいはい。さ、寝てね。〝眠れ″」


強制的にライラを魔法で眠らせるとフィリアはライラの机に手紙を置き、屋上へ行く。ちなみに校則違反。


「手紙、読んでくれたんだ。第3王女様」

「うるさい」

「もーそっけないなぁ。友達なんだからさ、久しぶり!とかないの?」

「友達だった、でしょ?」


フィリアは屋上の影にいる人物に話しかける。


「で、今のお友達を殺したくなかったらついてきてくれるよね」

「…それ、私に拒否権ないじゃん」

「あはは。じゃ、ついてきて。地獄の果てまでも」


フィリアは陰から出てきた人物に腕をつかまれ無抵抗で連れて行かれる。




 ―翌日の午後―


ライは授業で先生に当てられて答えていた。


「で、結果としては第3王女の働きにより、赤の国は青の国の侵略に失敗し」


途中でライは驚いた顔をして言葉を切り呟く。


「フィリアの封印が…」


先生が分からないなら座っていいよと言おうとしクラスの奴らがこいつにも分からないことが有るのかとざわめく中。


「すいません、先生。個人的な事情を思い出したので早退させてもらいます」


ライは静かに言って先生がちょっと君というのを気にも留めず(ようするに無視し)教室を出る。


「勝手な行動をするなと言ったのに、あのバカ!」


ライ、走る。向かう場所はフィリアとライラの教室。しかも早い。余裕で50m1秒は切っている。

で、バンっとドアを開けて叫ぶ。


「ライラ、俺の妹は?!」


「え?…フィリアなら朝からいないんですけど」

「そうか。先生授業中失礼します。それからライラを借りるので」

「はい?あ、ちょっと!」


ライラを引っ張ってライは廊下へ消える。


「え、え?ライさん?なんで?」


戸惑っているライラにライが説明する。


フィリアは魔力が有りすぎる。それを抑えるためとまぁ色々な事情の為封印をしている。それが今なんかの弾みに解けたらしい。だから封印しに行かないといけない。それには時間稼ぎをする人が必要。


「と言う訳だ」

「はぁ…」

「じゃ、行くぞ。〝ワープ″」




 ―赤の森と青の国の境にあるエルシィの森の真ん中に変な物体が有る城の前―

「うわ~、めっちゃくちゃ不気味じゃないですか」

「入るぞ」

「本当に入るんですか?」


ここまで来て置きながら尻込みをするライラ。


「当然だ。さ、行くぞ」

「はい!」


城に入る前に一つ。


「おっと、忘れてた。フィリアには二重人格が有る。男だ」



「…え?」


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