いや、あの
教室を出て、王宮の談話室へ入るとファイナは開口一番フィリアへ伝える。
「仕事だ」
「うぇ!?やだやだぁ!姉様、いや」
「わがまま言わないで、仕事をしろ」
「どんな仕事なの?」
フィリアは態度を改めてファイナへ尋ねる。
「革命が起きそうだ、と言ったよね?」
疲れた顔したリランが談話室へ入ってきた。
「あ、リラン兄様…」
「なんかね?裏で糸を引いている人物がいるみたいで、いくら火を消しても再発するんだ」
「…そいつを殺せばいいのに」
レオがボソリと呟く。
「「レオ!?」」
ライラとクライトがギョッとしてレオを押さえつける。
「そうなんだけどさ。めんど…ごめんね。特定できていないんだ。だから、フィリア。頼んだ!」
言いたいことだけ言うと、リランはフラフラと談話室を出て行った。
「で、フィリア。とりあえず、革命軍に潜り込めるか?」
「姉様がどうしてもって言うなら」
渋るフィリアをファイナは説得しようと、笑顔を浮かべる。
「じゃあ、聞くが。アースに潜り込め、と?リナに潜り込め、と?」
「…リナ姉さまは無理かもしれないけど、アー兄様は大丈夫だと思う」
「かわいいアースを危険な場所に送り込め、と?」
「私はかわいくないの!?」
フィリアは涙目を浮かべてファイナへ訴える。
「かわいい。すごくかわいいから、危険な旅を…」
ファイナの言葉にクライトは違和感を感じて小声でつぶやく。
「それ、少し違うよな」
「気にしちゃダメだと思う」
頷かなかったフィリアに業を煮やしたファイナは破格の条件を付けたす。
「なんならセイロウも一緒で良いし、レオとライラだっていい」
「ならやる」
レオとライラが一緒の所で目を輝かせたフィリアは即座に頷く。
「わかったらさっさと行って来い」
「ハァイ」
という訳で革命軍の中に潜り込むことにしたフィリアたち。
王都の町中を目立たないように黒髪に染めたフィリアの周りをライラとレオ、クライト、セイロウが歩き固める。
「フィリア様、革命軍…ムグッ!?」
余計なことを漏らしたセイロウをクライトが寸止め袋叩きにする。
「セイロ、黙ろうか」
「申し訳ありません」
「っていうかさ、なんなの、この防御状態は…」
「とりあえず、ノリ?」
ノリって答えられたフィリアは、しばし悩んで人数拡散をする。
「…人数多いとめんどくさいね。じゃあ…私、ライラとレオと潜り込むから、セイロウとクライト君…情報操作、お願いします」
「フィリア様の命令なら!!部隊も動かしましょうか?」
「いや…良いから、そこまで大事にしないで」
浮かれるセイロウをフィリアが止め、5人は散る。
「さて、と。どこに行こうかなぁ」
「フィリア…あそこ」
ひきつった声を出したライラが指す方向の路地にはいかにも!な雰囲気の男たちが屯っていた。
「うん。とりあえず話しかけてみようか」
なんか成り行き上・・・。
あと、立てたフラグはチミチミと回収していかないと・・・。




