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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第2章 波乱へ動く日常?
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ライさん…

今日は日曜日なのに何故か授業が有ります。


「今日は第3王女について勉強しようね」


先生、滅茶苦茶呑気です。


「は~い」


みんなが適当に返事をする中であの二人は…


「げっ」

「よっしゃあ!!」


面白いです。


「第3王女ってイメージ悪いんだよー」

「例えば?」

「たとえばーパン屋からパンをかっぱらった話とか?」

「今は行方不明らしいよ。この学園に居るかもね。同い年だしね。皆と」

「うっ」


先生、何気なく当たっている。


「ありえなーい!!先生は第3王女がもしこのクラスにいたらどうします?」

「えー先生は贔屓とかはしないけど、どうして偉くて優しい大臣をいじめたのかとかパン屋のこととか聞きたいな」


ポラルの質問に真面目に答える先生。


「そんなことしてたの…」

「だって悪い人だよ?」


ぼそぼそと会話をするフィリアとライラ。


「えー私は王女をいじめたいなぁ」

「ポリッカさんそれはどうかと思いますよ~」

「私の!名前は!ポリッかじゃありません!!ポラルです!!」

「先生にまでその名前定着しているんだ」

「なんか悪いな…」


ぼそぼそと会話を(以下略)


「ポラルさん、第3王女は学問にも魔法にも運動にも秀でていたので、あなたでは残念だけど勝てないと思いますよ」


さりげなーく先生はポラルをおちょくった。


「うう!」

「先生!授業を進めて下さい!!」


誰かが叫びました。


「ごめんなさいね。ええと、そうそう第3王女は悪い子でした。そんな子になってはダメです」

「悪いことだけしていた訳じゃない」

「いいことを言うね、フィリアさん。そういえば第3王女の本名ってなんだったかな?教科書に乗っている?」

「いいえ、先生。第3王女がやったいいことってなんですか?」

「ええとね、底なし沼ならぬ底なし泉サムリの泉っていうんだけどそこに落ちた男の子を助けたらしいよ」

「うん、そんなこともあったか…」

「で、先生その子はどこにいるの?」


「このクラスに居ます」

「嘘!」

「本当です。な、レン君」

「はぁ。そうですね、先生」


レン・カクラミラという。男で13歳4月6日生まれ。黒髪黒眼。おとなしく思慮深い。魔力が大きい。


「うわぁ、バレてないかな…」

「大丈夫でしょ」


ぼそぼそと(以下略)


「第3王女ってどんな人だった?」

「えーと銀髪碧眼の綺麗な人で、明るい人だったと思います」


誰かの質問に律儀に答えるレン。


「へぇー、フィリアさんみたいだね」


またもや誰かの何気なく当たっている発言。


「いやいやいや、有り得ないって!!」


全力でフィリアが否定する。


「そうよ!絶対、フィリアが王女なんてあり得ないですわ!礼儀も際まえていないような奴が!!あり得ないですわ!」


自信満々に言い張るポラルにいらついたフィリア。


「ね、レン君。王女様は何かくれた?」

「え?ええと、この魔除けのペンダントをつけているようにってくれました。どうも僕魔物を引きよせる体質みたいで」

「何か書いてあるの?」


皆興味津々。


「肖像画と、名前が書いてあるんです」

「見たい!!」

「だ、だめですよ。さすがに怒られそうですし…」


レンはちらっとフィリアの方を見た。


「やっぱバレてる?!」


冷や汗タラタラなフィリアがジトっとレンを観察。


「わっ、だ、だめです!!」


女子の一人にペンダントを奪われたレン。フィリアは見てられなくなって、女子からペンダントを奪った。


「…嫌がってる人からとっちゃダメでしょう」


軽く睨んでみたフィリアに女子がおびえた。


「はいこれ。次、こんなことをしたらぶっ飛ばすよレン君?」


ぼそりとレンの耳元で呟くとフィリアは席に戻った。


「なんて言われたの!?」

「な、内緒です!」


またもや興味津々の女子たちにつるしあげかけられたレン。


「あ、フィ」


ペンダントがまたもや奪われかけた。


「あのバカ!」

「フィリア!!」


ライによる突然の授業妨害。


「はい?」


驚くフィリア&ライラ。


「あのライ様が!!ここに!!」


ポラルが叫ぶ。


「ライ君、今授業中です」


「あ、すいません先生。で、フィリアえーとだな。ライラとこっちに来てくれ」


手招きするライの方へ行こうと席を立ったフィリアとライラにポラルが叫んだ。


「なんでフィリアが!!ライ様と!!」

「…」


フィリアがポラルをこいつバカ?って目で見る。


「ライ様もライ様で、今授業中ですのよ!!そういうことは終わってからが良いと思われますのよ!!」


ライがしばし何かを考えてからニッと笑う。







「フィリア、明日のデートの話でもしようか」


これを聞いて一番驚いたのはフィリアだった。


「ちょ、ま、な、ちが!!」

「まさかの…」

「ライ様が…」

「フィリアさんが!!」


教室がどよめく。


「兄さん、冗談はよしてよ…」


フィリアが疲れたように呟いた。


「アハハ、さっすがフィリア。嫌われるのが早いな」

「なんの話ですか!!」

「はいはい。じゃ、そういうことで先生、フィリアとライラ借りるんで」

「え、ま、待って下さいライ君!?」


先生の叫びもむなしくライはフィリアとライラをひっぱって廊下に消えた。


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