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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第17章 うざいぜ、闇の国
135/268

爆発したのになんで誰も来んの

7月上旬。


「リラン兄様知らない?3日前からいないのー」


グリンダ王妃に青いヒラヒラしたドレスを着させられたフィリアは通りかかったライラへ尋ねる。


「…どっか旅に出たんじゃねーの?」

「い、いつの間に!」

「落ちこんでたレオ発見して、散歩して戻ってきたところ~。な、レオ」


傍らのレオへフェカは笑いかける。


「ああ…」


レオは憂鬱そうにフェカを見る。


「どったの?」

「あ、ライラ!!ほっとくのが…」

「…父さんから手紙が来てな。まぁ、その…なんていうか…」


言いにくそうなレオに焦れたライラが、手紙を奪い取る。


「手紙もらったぁ!!」

「あ、よせ!爆発するぞ!」


レオが止めるのが遅かったせいでライラは爆発に巻き込まれて黒こげに。


「な、なに!?見るな、変態!!」


爆発により起きた風によってフィリアのドレスがまくれ上がり、それに釘付けになった男たちの視線を慌てて遮る。





落ち着いてから、ライラはレオへ聞く。


「な、なんだったの?し、心臓バクバク…」

「俺以外の奴が開けると爆発する仕組み。ライラが明けたから、ドォンとな?父さんは…バカだから…」


遠い目をしてレオはライラとかフィリアとかフィリアとか(主にフィリア)の批難の視線を掻い潜る。


「てかさ、王宮のしかも後宮で爆発したのに誰も来ないワケ?」

「んー、ま、それはいつものことだからな」

「リナ姉様とか、父様とかファナ姉様とか…アース兄様とかがしょっちゅう爆発させてるから…」

「気にしていたら胃が悪くなるぜ?」


笑いながらフィリアとフェカはライラへ答える。


「それはお前もだよな、フィリア?」

「あ、アース兄様。ごきげんよう」

「ごきげんよう、じゃないからな?それと、俺は爆発はさせていない」


後ろからつかまれて振り返ったフィリアはアースの姿を見てニコリと笑う。


「むやみに爆発はさせないように、と言っておいたはずなんだけど?呪いが発動するだろ?父上がこれ以上バカになったらどうしてくれる?」

「…アースさんは一体何を作っているの?」


ライラの素朴な疑問にアースはにやりと悪そうな笑みを見せて実物を取り出して説明しだす。


「聞きたいか?国家重要機密だぞ?そう…例えば、父上をバカにする薬だとか、他国王家の男子を早世にする呪いだとか…」

「わっかりましたー!!も、いいです!!ってかやめて!?」


紫色に発行する液体だとか、黒なんだか赤なんだかはたまた白なんだかわからない色の呪符を見せられたライラはフェカの後ろへ移動する。


「俺を盾にするな」

「ああ、そうそう。神殺しって言うのもある」

「…やめねぇか、アース」

「兄さんはどこへ行ったのかな、フェカ君」

「アースの兄貴、やめようぜ?」

「後はねー。フィリアに悪いことをする奴限定で殺すことができる呪いだとか、龍と人の子を殺せる薬だとかも、あるかな」

「…俺を見て言うのはやめてください、アースさん」

「ちょ、私殺される!?」



ライラの悲鳴と、レオとフェカの制止も聞かないことにしたアースはヒートアップしていく。



「後はね。リラン兄上を殺す呪いだって、不運を呼び寄せる呪いだってあるんだぜ?あ…俺ってチートだったりする?」

「アース兄様、何かあった?」


思うところあったフィリアがアースへ尋ねる。


「いや、何も?別に、ファナ姉にぶっ殺されかけたとか、リナのバカが暴れて収集つかないだとかリラン兄が遠征してるから親父の付けが回ってきてるとか、そういうことじゃないんだ?」

「ああ…がんばれ、兄様」

「フィリアも手伝ってくれるんだ?へぇ、そう。手伝ってくれるんだ?」

「が、がんばれがんばれ兄様。がんばってー」


後ろへ下がるフィリアと追いかけるアースの姿がだんだんと、遠ざかっていくのを見合食ってからライラはレオへ聞く。


「で、手紙にはなにが書いてあったの?」







「……………………………………………………………………………………………………既成事実をな?作ってしまえ、と…命令された」





凄く長い沈黙の後、レオは言いたくなさそうに人気を気にしてからライラへ告げる。


「そりゃ…うん、がんばれ」


逃げようとしたライラの腕をつかみレオはにじり寄る。


「そうじゃないだろ?どうしろって父さんは言いたいんだ?あの、兄姉を潜り抜けろ、と?なぁ、ライラ…」

「ハイライトが消えてるー!!怖い、やーめーてー!!こっちくんな!!私だって知らねぇよ!?」



「なぁ…めいれいって、困るんだが?報告書とか、なんなんだろうな?どうしろって言いたいのかな?アイツは?報告って何を報告しつぅの!?何、どんなことしましたとか!?化け物軍団が目を光らせてる中でそんなことできるわけねぇだろ!?おかしいんじゃねぇの、アイツ!!一回くたばっちまえ!死ね、死んで地獄に落ちて腐ればいいんだ!踏みつけてやる!ぜってぇ墓なんて建てねぇ!!」

「フェカ、助けて!?」

「無理だ」


助けを求めたライラの耳に届く絶望の3文字。


「ちっくしょ―――!!」

「叫びたいのはこっちだボケ!ああ…アースさんが持ってそうだよな。作ってもらおう。親を殺せる薬だとか呪いだとか…いや、待てよ?言霊を使えば…?そうだよな、そうじゃん。俺…人の力に頼らなくてもあの人殺せる気がする。今ならできる。俺にできないことはない気がする」

「レオ…正気に戻れ。おかしなことになってるぞ。後、ライラが死にそう」


フェカが重たい腰を上げてレオを止める。


しばらく更新できません。土曜日にはd切ると思います。早くて金曜日。

しゅーがくりょこー。

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