そうじゃん、そうだったよ。
しばらくして落ち着いてから、フィリア、ライラ、レオ、クライト、リラン、ファイナおまけにセイロウ、リィ、フェルオールの9人は吸血鬼退治の方法を考える。
「吸血鬼はすべて食らってよいのだよな?」
人型になったフェルオールがリランへ確認する。
「食うの!?あれ、吸血鬼なんて食えたっけ?」
「はい皆さん。龍の中で意見割れちゃいましたよ。吸血鬼って食べれるんでしょうかね」
ライラがフィリア達へ意見を求める。
「知らない。知りたくもないし…って、あ―――!!吸血鬼発見!食べても食べなくてもいいから駆除!!」
フィリアは叫びつつリィの後ろを指さす。
「おお。夕飯だ!!」
「…なんかカルチャーショック…。ま、いんだけど」
リィとフェルオールはど突きあいながら吸血鬼を退治していく。
「とりあえず、一安心?」
「ポンポンがぁー」
「ライラも食べれるんじゃない?竜の子でしょ?」
「モフモフしてそうだよね」
笑顔を見せたフィリアから素早く視線を逸らし、ライラはごまかす。
「ごまかしたな…」
「ああ、ごまかした」
「そこ!うるさいよ!」
「ライラ、君はいったい誰に…」
「兄様、わかったからストップ!そのネタはもういいよ。ライラが可哀そう…」
リランを大急ぎで止めさせ、フィリアは吸血鬼の中に金色のものがいないか目を凝らす。
「いないな…」
「いませんね」
「いそうにないぞ」
ライラがニヤッと笑い小声でつぶやく。
「はい、3段活用~」
「ライラ、遊ぶな」
「失礼な。…ん?焦げてる匂いがするよ?どうする?」
「何が焦げているのかな?」
「…小火だ」
ライラが指す方向をリランとファイナは眺めて絶句する。
「リィ…フェルオールも燃えてる」
「ワザとだ!!大丈夫!雷に当たったくらいじゃ、雷属性の龍は死なない!」
サムズアップをしてリィは良い笑顔を見せる。
「龍って本当に規格外だよな」
「レオに同感だ」
深いため息を吐いたレオは消火作業を行うべきか考える。
「ねぇ、レオにクライト。知ってる?学校でね、真しとやかに、レオとクライトカップル説が流れてるんだよ」
「は、ぁ!?」
「ざけんな」
低くなったレオの声にライラは身震いする。
「俺がレオと!?ありえねぇ!!やめろ!?」
「父さんに知られたら、どうなるか…」
「あ、あとね。青王と緑王のカップル説もあるよ?」
「やめようか、ライラ。父様たちは確かに…見えなくもないけど、どちらも一応恋愛結婚してるんだから…」
フィリアはすかさずライラの口を塞ぎ、余計なことをこれ以上言わないようにする。
「父さんね…いいな、それ。今度流してやる…」
「レオ。復讐に燃えてないで…実際に燃えているフェルオールをね?」
「レオ、それは父上も巻き添えにされるよね?」
「あ、まずいですか?」
リランにレオは尋ねる。
「いや、大歓迎だよ。僕じゃ父上をぎゃふんとは言わせられないんだ。今度流しておいてくれ。全力でしらばっくれる」
本来は止める立場にいるリランはレオを推す。
「金色の吸血鬼食ったど―――!!!」
フェルオールが誇らしげな叫びをあげる。
「あれ…?さっきまで燃えてなかったかな?」
「だから、このくらい平気だっつたろ」
「そう、みたいだねぇ。って、セイロウは?」
キョロキョロとフィリアはあたりを見回し、セイロウの場所を探す。
「こ、ここですー。ファイナさん、放してくださいー」
「なんだ。いい雰囲気なのね」
ファイナに狼姿のセイロウは抱きしめられて身動きができていない状態なのだが、フィリアは放っておくことにした。
「かわいい部下を…」
「ライラ。ファイナ姉様の期限は損ねると直すのが大変なの。だから犠牲の1つや2つは惜しくないわ!」
「…悪役の台詞です、それ」
言い切ったフィリアをクライトが批難する。
「あら…。王家なんてそんなものよ」
ふふふと笑ったフィリアへレオが聞く。
「フィリア。疲れているのか、眠いのかどっちだ?」
「究極の2択…?って、フィリア眠いの?」
「しいて言えば眠いけど…そんな、きにすることじゃ…うー、レオ魔法つか…」
クーとフィリアはレオの腕に抱かれて眠りだす。
「オイ、外道」
「失礼だな、ホモ」
「んだとこの変態!!」
「変態はどっちだ?」
レオとクライトはにらみ合い、どちらからでもなく顔を逸らす。
「やっぱさ、カップル疑惑たってもしかたないんじゃない?」
「黙れ!」
「はいはい、喧嘩はそこまで。帰ろっか」
リランが手を叩き、喧嘩を強制的にやめさせる。
「リランさん、休暇にはなりましたか?」
「…まぁ、ぼちぼちと」
想だった、当初の目的はこれだった。とファイナとライラは顔を見合わせる。
「じゃ、帰りましょう」
リラン兄上、ごめん。リラン兄上の休暇だったんだよな。私たちが思いっきり楽しんでしまった・・・。不甲斐ない。By ファイナ




