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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第16章 学校行事(嘘?)
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悪魔だ!!悪魔がいるー!

そんなこんななリカルドの暴露話の次は。


「あ、私だな」


言いだしっぺであるファイナの番です。


「怪談だからね、姉様」

「わかってる。そうだな…王宮7不思議、イエー!」


ドンドンパフパフ~と音色が響く。


「秘伝技の乱用か…」

「つっこむな」

「7不思議って…怪談とは違う…」

「言うな」


アースとライがクライトとライラの言葉を止める。


「その1。父上の外見がいつまでも29歳で止まっている」

「…母様もね」

「化けもんだよな、あの人」


「羨ましいですよぉ。だいじょーぶ!血を引いている私なら永遠の19歳をリアルでできるはずです!」

「性質悪くなってないですか、リナ姉上」


ブイサインをしたリナへライがつぶやく。


「その2!夜中に変な声が聞こえる」

「お、怪談っぽい」


ようやくまともそうな話になってきた。



「あ、それの真相知ってるよ」

「フィリア、黙ってろ!」

「そうだよ、言わなくていい!」


兄2人が全力で止める。


「フィー、話して御覧。君の安全を脅かすようなものなら僕が徹底して排除してあげるから」

「でたっ、リアルシスコン!」


酔いが少し覚めたリランがフィリアへにこやかにほほ笑む。


「大丈夫ですよ?リナ姉様の故障した機械が出している音ですから」

「ああ…怪談じゃないよ、フィリア…。怪談になってないよ…」



「その3!…ネタがない…次!!」


気にせず続けようとするが、2個しかネタがなかったファイナは詰まったので次の人へバトンをパスする。


「え?あ、私だ」

「ライラの怪談?」

「くだらない話に…」



「じゃあねー。リアルであったことだよ。私が白国にいた時に聴いた話なんだけどね。その人の友人のそのまた友人のお父さんの姉の子供の…」

「遠くね!?つながりが遠くないか!?そもそも知り合いじゃないんだろ、話しの入手源が!」

「じゃあ、仮にA子さんとしておこうかな。A子さんには最愛の母がいたんだ」



「レオ、寝ちゃだめだよ。レオ?」

「流石に1週間徹夜は眠い。寝る」


怪談っぽい話になってきたところでもたれかかってきたレオをフィリアはそっと揺する。


「1週間って…。その母親はA子さんに死ぬ間際、安産祈願のお守りを渡したらしいの」


「安産祈願…妙なところでリアル…」


「リアルの話だからね?A子さんはしばらくすると身ごもった。夫もいないのに。それで生まれてきた子は…」

「ワクワク」


ごくりとシベリスがつばを飲み込んだ。


「頭が2つに手が4つ、足も4つ、胴体が2つあったらしいの。父親が不明なのにそんな化け物をってことでA子さんはその子を山に捨てに行きました。その直後です。A子さんに陣痛が来たのは」


「…まぁ、色々とつっこみどころはあるが」



「流石におかしいと思ったA子さんは母の形見である安産祈願のお守りを開けてみたの。そうしたら中には…」

「恨みますってところ?」

「な、話しのオオトリを!!」


クライトに先手を打たれたライラはがっくりとうなだれる。


「…マジだったのか。ごめんな、ライラ?」

「ううん!クライトならいい!」

「おお!?」

「ヒューヒュー」


絶賛酔っ払い中の2人(誰とはいいません)が口笛を吹く。


「次誰だー?おいー?」


ファイナが見回しても誰も話し始めない。


「レオー。レオの番じゃないの?」


レオはフィリアにもたれかかって夢の中。


「珍し…」


キラーンとファイナの目が光る。


「レーオーちゃん?これなーんだ」


ピラとファイナがポケットから取り出したのは1枚の写真。


「え、姉様なにを…?」

「その写真はなに!?」


ファイナが放り投げた写真をライラを犬のごとく空中でキャッチする。


「何、そのしゃし…!」


覗き込んだフィリアは絶句してレオの顔をまじまじと眺める。


「フィリア、そんなに問題な…ああ…」


続いて覗き込んだライは納得してファイナの顔を意味深に見やる。


「え、何が映って…見なかったことにする」


アースは見ぬふりをしてリランの肩をつかみ写真を見ないように引き止める。


「…これ、は…」


クライトも絶句。何が映ってるのかな。



「わぁ!?dfgfんhこftが」

「ライラが壊れた!」


覗き込んだライラはテンパって人語を話していない。


バラが咲いているところで小さいフィリアとレオが抱き合って寝ているのが写真に写っていた。


「完全に寝てますね」


セイロウが鼻を近づけたが起きる気配のないレオにファイナは一層目を輝かせる。


「フィリア。悪戯し放題だな」

「いや…あの…そうっとしておいた方が…」

「んーんー。ゴホン」


ファイナはのどに手をあてて声色を変え始める。


「何を始める気だ、姉上は」




「ハァイ、大切で大事な妹だよぉ!?おにいちゃーん」


甲高い子供の声でファイナはレオの耳元に口を寄せて囁く。


「!?」


声に反応して飛び起きたレオは、ファイナのしてやったりと言わんばかりの表情を見て嘆息する。


「お兄ちゃん、大好きだよ!愛してる!!お兄ちゃんになら抱かれてもいいんだからね!」

「…ファイナさん。やめてもらえますか…?」

「そ、そうだよ姉様!!」


フィリアがレオに加勢して声を変えるよう頼む。


「どうしてですかぁ!お兄ちゃんは私のことが嫌いなの!?」

「怪談、ね。結婚できない三十路間際の女性が、結婚できない理由。それはひとえに大人げなかったり、性格が…だったり、男性への理想が高すぎたり婚約者がいたりするからです。ファイナさんはどれなんでしょうかね。婚約者がいるからだといいですね」


レオの逆襲。ピンポイントで弱点を突かれたファイナは 深くうなだれる。


「誰もあえて言わなかったのに…」

「おや?ファイナには婚約者がいるよ?」


「ゑ」

「え?」


誰も知らなかった事実がリランの口から洩れた。


「嘘だ!父上はそんなこと私に一言も…」

「だってファイナが居なくなったら僕が大変だからね、。父上も忘れてるんじゃないから」

「悪魔だー!!悪魔がここにいる!!」


自分が楽したいがために、妹の婚約を内緒にする兄。…シスコンなんだか、なんなんだか。


次はどうしよ・・・。

っていうか実力テストがぁ!!

まぁ、実力がないから、テストの点数が悪くてもいいんだもん!←開き直り。


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