.王家って・・・
ともあれ集合時刻になったので、一行はフィリア達と合流する。後、存在感を忘れらたシベリスとも。
「フィリア~。どぉだったぁ?」
ニヤニヤ笑いながら野次馬根性を発揮したライラがフィリアへ尋ねる。
「ど、どうって何が!?」
「えー、言わせたいの?」
「な、何もなかったもん!!べ、別に!ライラに言う必要ないし!」
レオの後ろへフィリアはライラから逃げるように隠れる。
「ま、そういうこと。出刃亀は嫌われるぞ」
「えぇー。つまんないー」
「お前が楽しむ必要はねぇだろ」
レオがライラをシベリスの方へ放り投げる。
「ぎゃあ!?」
「女子として…こう、終わってる気が…」
女子にあるまじき悲鳴を上げたライラにつぶされたシベリスは心なしか嬉しそう。
「集合!!」
「もう集合してんだけど?」
ファイナの言葉にフェカがいちゃもんをつける。
「売るせー黙れっ!気分だ!!」
「…王女が間違っても叫んでいい言葉じゃない」
クライトが呆れながらつぶやくとファイナは彼のほうを睨む。
「夏だー!海だー!!怪談だー!!」
「色々とつっこみどころがあるよね!?」
「酒にでもよってるんだ。ほっといてやれ」
リランは半分つぶれてて、アースはリナが怪しい機械を作るのを止めるのに必死。
「王家って…王家って…」
「いうな」
自覚しているライがライラへやるせなさそうに言う。
「聞かねぇ!!そーいうのは一切受け付けておりません!!」
「こっちが言いてぇんだよ!!夏じゃねぇし、海でもねぇし、つか山だし!!そもそも怪談って何してぇんだよ!」
「つことでくじ引けー」
「酔っぱらってるんだね、ファナ姉様」
フェカのつっこみを流したファイナへフィリアが聞く。
「まっさかぁ。私が酔う訳ないだろ」
「…そう」
その反応は明らかに酔ってると思うけど、とは口に出さずフィリアは頷く。
「人の話を聞け!!」
「うっせぇんだよ。こまけぇこと言ってんじゃねぇっつの」
「姉さん。言葉使い」
「黙れ、ライ!」
「そんなんだから、婚期を逃すんだよ、ねーさん。もう27なんだからさぁ…いい加減誰かいい人捕まえたら?」
リナを眠らせたアースがライの加勢をする。
「王家って…王家って…」
「ライラ。少し黙ってた方がいいよ」
夢を壊されたライラがブツブツつぶやく。
「ああ!?今なんつった!?」
「何回でも言ってあげるぜ?さっさと結婚したらどうなんだ?兄上のシスコンにも呆れていいんだけど、宰相とかちょうどいいんじゃない?離婚したてのほやほやだぜ?」
ファイナに胸倉をつかまれたアースは冷静に切り返す。
「黙れ黙れ黙れ―――!!日、人の婚期に文句言うな!!どうせ私はっ!」
「酔っている姉上の対処法その1だよ。フィリアも覚えておくといい」
涙目でしゃがみこんだファイナを見下ろしてアースはフィリアへ告げる。
「…アー兄様、鬼畜」
「失礼だな。黙って見てた兄上よりはマシだ」
「ハイハイ、じゃあファイナが言ってた怪談ね。さっさとくじを引いて」
収拾がついたのを見計らってリランが手を叩く。
「もう…グダグダな企画だな…」
「あ、俺が一番だな」
引いたくじを見てアースは挙手するとおもむろに話し出す。
「ファイナ姉が結婚できない7不思議」
「やめてあげて!?」
「兄上!?」
下の子2人が慌ててアースの口を塞ぐ。
「なんだよ、2人とも。まだ最初だぜ?」
「アース兄様、鬼畜。レオに負けてないよ」
「俺は鬼畜じゃない」
「よく言う…」
すかさず口をはさんだレオにクライトが呆れる。
「はい、次の人は誰?」
「はぁい、私ー」
リナが懐中電灯を取り出して話し出す。
「お父様の秘密その1」
「…ワクワク」
リランがそれに乗る。
「お父様は、脱走する際に政務室の机の引き出しから逃げてますぅ」
「本当か!?今すぐ阻害術式を…」
「怪談じゃないよね!?」
「お父様の昔の写真に女装してるのがあるんですよぉ」
「レオと同じだね」
「俺のは慣習だ」
後半に続く・・・かも?




