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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第16章 学校行事(嘘?)
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I play ドッジボール!! イェイ!!

さてさて始まったドッジボール。

青の王家からはファイナが参加、緑からはオルノが参加する。


「打倒、父さん」

「姉様…わたしには当てないで」


外野からレオが、内野ではフィリアが志(?)を口に出す。


「情けないな、フィリアよ」

「だって、姉様のボールは…人の頭がつぶれる…」

「そこまで!?」


ファイナが高笑いをする。


「はい、ボールどぞー」

「ありがと、ライラ」


大きく振りかぶったフィリアはファイナの顔面を思いっきり狙う。


「全力かよ…見えてねーよ、球が…」

「危ないな」


首を傾けて無駄に動くことなくボールを避けたファイナ。

そして、飛んで行ったボールはポラルの母親の顔面に直撃する。


「うっわー、ちょくですよ!ちょく行きました!!」


ライラが興奮して叫んだのはスルーの方向で、フィリアはファイナに喧嘩を売りに行く。


「…避けないでくださいよ。動かないと太りますよ」

「いい度胸じゃないか、フィリア!!」


そして、ファイナはその喧嘩を買う。


「顔面はなしですよー」


ルーピンの声は果たしてフィリアに届いたのか…。


「フィリア、ボール!!」

「フッ、フフフ」


再びフィリアはファイナの顔面を狙う。


「危ないからな?」

「知りませんよ!」


ボールは今度は誰かに当たることなく外野へと飛び、レオの手の中へ納まる。


「…よく取れるな。痛くないのか?」

「フィリアが投げたボールが痛いわけないだろ。…父さん覚悟」


しれっと惚気たレオにクライトは眉間を押さえる。

レオが手首のスナップだけで投げたボールはオルノへ大きくカーブを描いて飛んでいく。


「どうやったらあんなカーブがかけられるんだよ…」

「魔法を使ってもいいんだろ?」


レオが右へ人差し指を曲げると、ボールもそれに合わせてカーブを描く。


「その手があったか!!」

「気づけ!!最初に先生が言った時点で気づけ!!」


ライラが叫ぶ。


「だってさー、話聞いてなかったし?レオ、ボール頂戴!!うまく当てて見せるから!!」

「わかった」


ボールは高く上がるとフィリアのもとへ落ちる。


「させるか!!」


が、強風によりファイナの手の中へ綺麗に収まる。


「ちっ、この年増が」

「誰に口をきいているのかな、フィリアちゃん?」


猫なで声を出して怒りを表したファイナへフィリアはなおも続ける。


「気持ち悪いんだよ、ババア!ってか、ちゃん付けするな!!」



「…反抗期?」

「いや、そんなもんじゃないだろ!!」


首をかしげたライラへクライトは外野から叫ぶ。


「燃え上がれ!!」

「上等だ!私に勝てると思うな!妹の分際で!!」

「ああ…フェカなのね。びっくりした、グレちゃったのかと思った」


ホッと胸をなでおろしたライラをフェカは鼻で笑う。


「ふん。フィリアがグレれるわけないだろ」




「グレたくなっても無理だな、あの環境じゃ…」

「どんな環境だよ!?」

「それはだな…まず、兄姉が必要以上に構ってきてだな?」

「わかった!!もういい!!やーめーろー!お前に聞いた俺が馬鹿だった!」


1から説明しようとしたレオをクライトは大声で叫ぶことで遮る。


「なんだよ、そっちが聞いてきたんだろ」

「聞きたくねぇよ!!恐ろしい…ってこっちは外野ですからね。、オルノ様!!?」


ボールが凄まじいスピートでクライトめがけて飛んできたのを、レオが事前に張っておいた結界が阻止する。


「おっと、手が滑ってしまった」

「バカやってんじゃねぇえぞ、バカ親父」

「いつまでも子供に舐められたままなのはあよくない、そうだろうレオ」

「…それがすでにアウトだと思う。おっと、俺も手が滑った!」


レオが投げたボールが頭に当たり、ル-ピンの意識は空の向こうへ飛んで行った。


「今のうちだ!くらってくたばっちまえ!!」


ルーピンが狙い通り気絶したのを確かめると、拘束系統の超上級魔法の一つであるニガスカア(注:危険なのでホイホイと使用しないでください)をレオはボールと共にオルノへ放つ。


「結!!全速力で逃げるからね!?僕だって今のを食らったら一週間は再起不能だよ!?」

「それをねらってんだよ!!反省しろ!!子供を少しでも愛してるんなら、せめて妹は縛りつけとけ!!」


オルノが受け止めたボールをファイナがすかさず拾い、レオがかけた魔法の効果が消えないうちにフェカへ投げつける。


「ハッ、ぬるいね。冷めたアオカズラ焼きよりもぬるいぜ!」

「なんなの、アオカズラ焼きって!?」


フェカは片手で受け止めると、炎をまとわせてから適当に相手コートへ投げつける。


「っていうか…超上級魔法なのに効果ないんですか?」

「神様だから」


生徒のナイスな質問にフェカは一言で答えた。


「でも…フィリアさんの体でしょ?神様の体じゃないのに…」


「し つ こ い」


「燃える!?しぬぅ!」


死人が出そうになったところで、クライトがフェカ、レオ、ファイナ、オルノを一喝する。


「ぶざけんな!!ドッジボールだろ!!大人しく投げてろ!!上級魔法をほいほいと使うな!!そんで、レオ!!お前は父親を殺そうとしないように!先生を気絶させるのもやめろ!」

「良いじゃねえか、別に」


レオはわざとらしく頬を膨らませてクライトへ抗議する。


「よくねぇんだよ!!いい加減にしてくれ!!」




「…ポジション、奪われた」


今までなら、ライラがツッコミキャラだったのにね。


「あーあ、興ざめですかね~。せっかく人殺しが合法でできそうだったのに…」

「オイ、神様!?頼むからやめてくれよ!!?」


「じょーだん、じょーだん。俺は、青の王家に縛られてますから?意に沿わないことはできませんよーと」


手をあげて降参のポーズを表すと、フェカはフィリアと入れ替わる。


「っ…うー、せっかくの楽しそうな時間をフェカに奪われたー」

「やめようね、そういうこと言うの。大変なんだから…」


ドッジボール:王家でやると死人が出る危険な遊び。

もとからボールを人に当てるという行為を怒られずにできてしまうこの遊びは、男子への鬱憤ばらしを行ったり、嫌いな奴の顔面に当てて保健室送りへできるので危険。


ニガスカア:アレストの上級魔法。紫色の光の珠があなたの好きな人を永遠にその場へ止めます。という説明つき。あとは注意書きで、危険なのでホイホイ気軽に使わないでください。と書いてある。そのほか、好きな人が死ぬことや、あなた自身が死ぬこともあります。とも書いてある。


アオカズラ焼き:適当にフェカがでっち上げたコイム村の名産品。コイム村自体が存在していない。

もし、アオカズラ焼きを作るとしたら、必要な材料は、

アオカズラ 1匹。

薪     焚き火が出来るほどの量。

武器    アオカズラを倒すために必要です。

となります。

アオカズラ焼きが冷めたらどのくらいぬるくなるのか不明なので、フェかが何を言いたかったのかも不明。

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