しゅーりょー
「ライのバカやろ!なんで降参したの!」
「…めんどくさくなったから」
「ダメでしょ!!もう信じらんない!!」
ツララに手首をつかまれてライはなすすべなく連行されていった。
「そういえば」
ポンと手を叩いてライラは3人を見渡す。
「何?」
「スルーなのか」
「優勝したから、賞金300万もらえるじゃん?」
「高くないか!?」
わーいと万歳したライラへクライトがつっこむ。
「学校の行事にしては高いな。…校長が宣伝云々とか言ってなかったか?」
「言ってたね」
「にしても高くないか?」
「しつこいなクライト。金ないのかよ」
「ああ、ないさ!どっかの誰かのせいでな!!」
レオを見ながらクライトは言う。
「ん?ああ…父さんか」
「お前だ、ボケ!!」
「俺?なにかしたっけ…」
レオはすっとぼける。
「税金が馬鹿高いんだよ!部族長だからって理由で上げやがって!」
「金はとれるところから搾り取るんだよ。いいじゃないか。国家の役に立って金も喜んでるぞ」
「…あのなぁ。維持するのにかかる金は尋常じゃないくらい高いんだ!!祭りはしなきゃいけないし、神に供物を捧げないといけないし…領民の生活維持にも金はかかるし。大変なんだぞ!」
クライトに心の底か叫ばれたレオはしばらく悩むと、名案を思い付いたようで口角をあげる。
「OK…じゃあ、黒国から、金を搾り取ってみようか?」
「やめろ!!国家問題だ、それは!!お前の一存で決めていいことじゃねぇぞ!?」
「大丈夫だ。父さんは薔薇園がどうなってもいいのかって言えば従うから」
ニヤとウインクするとレオは校庭に黒国の地図をかきだす。
「…あのさ、レオ。それって、確実に個人的な恨みから搾り取ってるよね?しかも、その搾り取ったお金は王妃様の薔薇園維持に使われるんでしょ?」
「フィリア、暴露するな。色々と問題がある。それに金のある奴等からしか搾り取ってねぇ」
「まぁいいよね!!それで、賞金の配分なんだけど!」
きな臭い空気になってきたのでライラは強引に話を変える。
「ああ。クライトに20万あげて、ライラにも20万で後はフィリアと俺」
「ダメ!!等分するんだよ!」
「じゃあ…一人75万だね?」
ピとそろばんを頭の中ではじいたフィリアが言うと、ライラは否定する。
「違うよ?」
「え?じゃあ、どういう風に分けるつもり?」
「当然、私が300万」
言い切ったライラへクライトは尋ねる。
「……ライラ。お前、何もしてないよな?」
「クライトに言われたくないよ!」
「っていうか、それは等分じゃないぞライラ」
「いーじゃんいーじゃん、気にすんなー」
「おかしいからな!?その訳からは絶対変だ!!」
必死なクライトにレオは腹を抱えて笑う。
「レオ…ちょっと話ししたいことがあるんだけど…良い?」
フィリアはそんなレオの袖を少しつまんで引っ張る。
「フィリアの頼みなら何でもいいけど?」
「ライラには、絶対聞かれたくない話だから…さ」
少し首を傾けてからレオはフィリアを抱えて、ライラとクライトの死角へ向かう。
「…わざわざ抱えなくても」
「気分だ、気分。で…何をさっきから悩んでるんだ?」
「あのね…変な、予知夢みたいなのを、見ちゃったの」
わずかに震えながらフィリアはレオへ話し出す。
「どんな?」
「ライラが…血まみれで…どうしよう、今までは、全然怖くなかったのに…すごく、怖かった」
膝から崩れ落ちかけたフィリアをレオは危なげなく支える。
「それだけライラが大切なんじゃねぇの?っていうかさ、それ…予知夢なんかじゃないと思うけど」
「そ、うなの?」
「…おそらく、フィリアの恐怖が、作り出したただの悪夢だと思う」
フィリアへゆっくりとレオは言い聞かせる。
「本当?絶対?」
「大丈夫だって。それに、フィリアが一人で抱え込むことじゃない。心配ならライラにも話しておけば?奴なりに対処するんじゃないか?」
ポンポンとフィリアの頭を軽くたたいてレオはフィリアを立ち上がらせる。
「そっか…そうだよね!ありがとう、レオ。少し、気が楽になった!!流石レオだね!」
ニコとまぶしい笑顔を見せてフィリアはライラのもとへかけていく。
はい、軽くシリアス入りました!
だからどうっしたのってレベ得るのシリアスです!
うまく、つなげられるといいな・・・。(←願望)




