VSツララと愉快な仲間たち
という訳で、よくわからないチームとの試合はとばすことの…決勝戦。
『さーさー、皆さんお待ちかねの決勝戦!ドラゴンムーンVSツララと愉快な仲間たち!!多くの人がこの組み合わせになあると思ったでしょう!!なぜなら、ドラゴンムーンには我らが王女、フィリア様が!ツララと愉快な仲間たちにはライ様がいるからです!!』
『はいはい、チーム紹介へと入りますね~。副部長は放っといてください。テンションがおかしいだけですから』
学園名物、校内放送。本日も快調です。
『では、チーム紹介!!ドラゴンムーンは、第3王女様のフィリア・スィエルムーン、幻術だけが取り柄のライラ・クレイク、謎のベールに包まれた転入生クライト・ノリフス、足蹴にされたいランキング第1位のレオ・緑葉!!』
ギャラリーからワァと歓声が沸く。
「…どこのランキングだ」
「落ち着け、レオ」
「っていうかやっぱりこの学園、変態が多いね」
「激しく同意」
『…副部長。対するツララと愉快な仲間たちは、リーダーが、第3王子のライ・スィエルムーンであるのにも拘らずなぜがチーム名はツラ…あ、ちょ、副部長!!マイクをとらないでっ』
『兄妹対決だー!!やっぱり兄が勝つのか!それとも、シスコンの兄様が妹に譲ってあげるのか!!』
「オイ…」
「ライ、落ち着こうねー。シスコンなのは、結構周知の事実になってきてるよ」
「ツララ!黙れ!っていうか、シスコンなのは、血筋だ!そう思ってあきらめることにしてるんだ!」
『あと、人数合わせの名も知らない生徒会役員たちよ、ご苦労様である!!』
「失礼だな!?」
『では、始めるので両チーム指定の場所へ動いてください』
「スルーか!!今の放送はOKなのか!?」
「…もう、ヤダ」
始まる前から戦意が消えていく試合となった。
『では、決勝戦!!ドラゴンムーンVSツララと愉快な仲間たち!!を始める!』
「兄様、お手柔らかに…」
「レオがいるから、手加減をする気はない。というか加減をしたら、俺が死ぬから…」
ハァと2人は揃ってため息をつき、指定の場所へ移動する。
「シスコンなのは、血筋なの?」
「…まぁ、そうだね。兄様…というか、父様がそうやって育ててるから。レディーファーストが行き過ぎた感じ?」
ワクワクと目を輝かせたライラにフィリアは遠い目をして答える。
「行きすぎだろ!?」
「王家なんて、そんなものだ。フィリア…雑魚、頼んだ。ライさんを相手するから」
「よろしくです!!私、兄様に勝てる気がしないもんね!」
パチとウインクをしてフィリアは生徒会役員の相手をしにコートをかける。
「大体さ、この行事無茶があると思うんだ。遮蔽物がないのに、どうやって戦えっていうのさ。瞬殺だよ瞬殺」
フィリアは鼻歌交じりに指を鳴らして、生徒会役員をつぶしていく。
「ツララブリザード!!」
「うぉ!?ちょ、クライト助けてー!!」
ツララが出した吹雪から逃れたライラがクライトへ縋り付く。
「俺!?…仕方がないな。シャドウトライプ」
バンとクライトが地面を両手でたたくと、ツララの影が彼女を襲う。
「きゃあああ!?」
「自分の影からは逃げられないだろ。丁度いい具合に太陽は出てるし近くに大きな影はないし。チートだぜ、今なら」
クライトはから笑をする。
「…疲れてるの?」
「レオにだって今なら勝てるかもしれね」
「俺は、クライトには負けないね!」
ライとの戦いにあきたらしいレオがクライトへちょっかいを出す。
「飽きたのかよ…」
呆れたライの声にレオは大真面目に答える。
「あきました。というか、ライさんの戦い方は父さんと酷似していて嫌です。降参したいくらいです」
「いやっ!!やめて、レオ!!私に兄様と戦えっていうの!?」
「…フェカになりゃいいんだ」
「その手があったか!」
という訳でレオが情けない理由から降参、フィリアがフェカへチェンジする。
「これってマジバトルな感じだよな?本気出していいんだよな!?鬱憤晴らしていいんだよな!?兄貴だし!でもなぁ…シルヴァームーンは使えないんだったけ。じゃあ…ムーンマリン来い!」
漆黒の剣がフェカの前に現れる。
「…本気かよ」
「いやっほーい!!ティアのバカヤロー!!」
憂さ晴らしのようにライへフェカは切りかかる。
「相手をするこっちの身も考えてくれないか」
「だいじょーぶ!手加減してるから!殺さねぇよ!」
サムズアップしてフェカはライの魔法を切り捨てる。
「…ライさん、相手に手加減できるってすごいな」
「今頃俺のありがたみを思い知ったか!」
「よそ見してる暇なんかあるのか?」
「おっつー。2本目!!かーらーのー3本目!」
剣が2本に分裂してから、続けて3本へ分裂する。
「…なんだかんだで芸が細かいね」
「神なんだからこのくらいはできるだろ」
「めんどくさい奴だな!降参するよ、降参!もともとこんな大会に、出たかったわけじゃないんだ。校長のバカが…おっと。校長先生が、生徒会は必ずだっていうから…」
焦れたようにライが審判へ叫ぶ。
「言い訳してんなよ、兄貴」
「言ったな?あれだ…後で壊してもいいところでやり直そう」
「…俺が調子に乗ってました」
一瞬の間の後、フェカはライへ謝る。
「…神様を黙らせれるライさんって…」
「凄いな。それで済ませておけ」




