どーする?
「かわいいな、フィリアは。妬かなくてもいいだろ」
「妬いてない!!レオはクライト君と楽しそうに笑ってればいいんだ!!」
ムッと膨れたフィリアの頬をつまんでレオはにやにや笑う。
「妬いてるだろ、明らかに。それから、クライトに君付けをする必要はない」
「…そうだよな、レオの婚約者だったよ、王女は。ダメだ…こんな奴と結婚するなんてかわいそうにと思った自分を責めたい」
その光景を見てクライトは頭を抱える。
「で、どうするの校内案内」
「してください、お願いします」
「わかった~」
案内することの30分。
「このくらいで良いよね?」
「はい。わざわざありがとうございます。後、レオは大切にしとけよ?こんないい人、滅多に捕まえられない」
「捕まえてるからいいだろ。逃がすつもりはないし」
真顔で言い合う2人をフィリアが気まずそうに止める。
「…2人とも、そういうのは本人がいないところで話してくれます?恥ずかしいんですけど」
「あ、見つけた!!フィリアー!」
「ライラ、遅い!」
「ゴメン!だって、ライさんが放してくれなくて…」
「生贄、ご苦労」
ゼーと息を吐き出して、ライラはフィリアへ抱き着く。
「な、なにすっ!?」
「何してるんだ!?」
「女同士だ。いちいち目くじら立てる必要はない」
驚いたクライトへレオがめんどくさそうに言う。
「…百合?」
「クライト、失礼だ」
「失敬。さて、俺はどうすればいいのだろうか」
「なら、同じチームに入るといいよ!転入生君。レオと同じ部屋だよ!」
「「げっ!?」」
ライラの提案に2人は同時に声をあげる。
「あれ、仲良いんだ」
「仲なんかよくない!コイツと同じの部屋とか絶対嫌だぞ!」
「クライト君、ひどいね。レオのことそんなに嫌いなの」
「違いますよ!そういうことではなくてっ!」
フィリアの潤んだ瞳で見上げられクライトは言葉に詰まる。
「フィリア!そういう目は俺にだけしてればいいんだ!…わかったから。別に嫌なんていわないし、フィリアがいいなら、俺も構わないから!」
ジーと責め立てるようなフィリアにレオは負け、クライトと同じチームになることを承諾する。
「よわっ」
「うるさい」
ライラのつぶやきを聞いたレオは睨み付ける。
「そういえばさ。転入生って評価なんだった?」
「一応特待生らしいけど。後、クライト」
「くらいと?暗いの?」
首をかしげたライラをクライトは怒鳴る。
「違うから!失礼だな」
「あ、わかった!食い意地が張ってるんだね?」
納得が言った様子のライラが放った言葉にクライトは一瞬固まってから、怒鳴る。
「もっと違う!!お前、いい加減にしろ!人の名前で遊ぶな!」
「アハアハ~」
「っ――――!」
「仲、良さそ。で、特待生って5人までだよね?」
「あ…どうするんだろ」
「さぁ?」




