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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第14章 内乱勃発
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転入生

放課後。


「結局ライラはドナドナされたままかぁ」


校長室に向かいながらフィリアはつぶやいた。


「面倒なことを押し付け得られないな」

「残念だぁー」


校長室のドアを躊躇いもなく蹴り飛ばすレオ。


「ようこそ、フィリアさん!」


Welcomeフィリアと壁に青でデカデカと書きなぐられている。


「…」

「フィリア、あそこを蹴るのが一番効果的だと思うぞ」

「ヤダよ。こっちが汚れちゃうでしょ」


レオは眉間にしわを寄せ、校長の男ならではの急所を指さしフィリアへ指示する。


「ゴホン。2人とも?一応わしは校長で…」

「わかってますよ? (変態) 校長でしょ?」

「何かがかっこで隠されていたような気が…?まぁいいです」

「で、忙しい俺らを呼んだ理由は?」

「転入生の校内案内を頼みます」


というが早く校長は後ろのドアから、黒髪黒眼の少年を引きずり出してくる。


「ゲッ、クライト・ノリフス!?」


レオが彼を見てうめき声をあげる。


「だから、嫌ですって言ったんだよ!!な、なんでよりにもよって、コイツが居る学校に通わなきゃなんないんだ!?」


レオとクライトは嫌そうに距離をとる。


「…知り合い?」

「緑の国の有力民族当主候補だ。よろしく、青国第3王女様」

「よ、よろしくお願いします?」

「じゃ、あとは若い者同士で…」

「それ違うから!?」


校長はうまくいったといわんばかりの笑みを浮かべそそくさと奥の部屋へ消える。



「クソ、逃げられた」

「レオ…その、だな?」

「あんだよ。つか、近寄ってくんな。ウザい、邪魔、目障り」

「そこまでいうことないだろ!仮にも親友に…」

「俺は一度も思ったことない。理解してくれる?」


バチバチと火花が飛び始めた2人にフィリアはおろおろする。


「えと…2人とも、落ち着こう?」

「大丈夫、俺は落ち着いてる」

「フィリア様、大丈夫です。私も落ち着いているので」



「…じゃあ、とりあえず食堂にでも」


律儀にも校内案内を始めるフィリアに2人はにらみ合いながらついていく。


「ここが、教室ね?」


フィリアが仕方なくといった風情で説明をし出す。


「レオ、帰ってこい」

「ヤダね。もともと父さんがやらなきゃいけないことで、俺が尻拭いをする必要はない」

「だけど!王がいなかったら皇太子に回ってくるのは当たり前のことだ!」

「父さんを逃がすのが悪いんじゃないのか?」

「王妃のためだと知っていて、邪魔なんかできるか!」

「甘いね。砂糖を50杯かけたアイスクリームより甘い」


肩をすくめてレオは憤るクライトへ言い放った。


「そして、こっちが中庭。で、その奥に見えるのが公邸、右側が訓練場でその隣が道場。左は初等部の校舎」


クライトが息を吸い込みできた一瞬の沈黙で、フィリアはざっと大まかに説明をする。


「お前な!!お前ならあの程度の呪い、言霊で祓えるだろ!?」

「皇太子に向かって無礼である」

「ふざけんな!!」

「ってか、じゃお前がやればってとこなんだけど、クライト君?君にだって王位継承権はあるわけで?」

「…レーブ様がいる」


憮然とした表情でクライトはレオに告げる。


「知ってる。ああ、そうだ。レーブに教えればいいんじゃないか?継承権2位だからな」

「…女に?」

「じゃ、お前がやれ」


嫌そうな顔をするクライトはレオの言葉で話がそれ始めていることに気づく。


「そっ、そういうことじゃないぞ!?」

「ち、気付きやがったか」


「ねぇ、2人とも、聞いてる?いや、聞いてないのは分かるけどね?この辺テストやってるはずだからボリュームは落とそうか?」


高等部校舎へと続く渡り廊下の前でフィリアは怒鳴り合いに近くなっている2人へ忠告をする。


「舌打ちをするな、バカレオ!お前のせいで俺が走り回ってるんだからな!!」

「ハン。一生底辺で足掻いとけ」

「底辺じゃねぇよ!むしろてっぺんに近いわ、バカ!」

「俺はお前よりバカじゃない。後、てっぺんも底辺も大して変わらない」







「あのさ!さっきから延々と愚痴りあってるけど、うるさいよ?他の生徒の迷惑を考えましょうね?それから、クライト君。君の事情は大体わかったけど、そこまで大変なことじゃないよね?ライ兄様の方が大変だと思うよ?校内案内を聞く気がないのなら、私はレオとお話していたいから、言ってくれる?後、レオも自己中なことを言っていないで、少しは底辺の人に気をかけなさい。クライト君の反応が面白いのは分かるから。私も、時間が有り余ってるわけじゃないの。王宮に溜まりまくった手紙があるんだから。返事を書かないといけないんだよ。だから、怒鳴り合うんならまた後日その時間をとってくれない?それから、面白そうに見学してる人たち?君らの思考は分かるからね?これで私とレオが終わればいいとか思ってるんでしょ?生憎様。政略結婚でもあるから、父様たちが覆さない限り,どんなに仲が悪くなっても切ることができない縁なんです。通行の邪魔になるから、散ろうね?じゃないと強行突破するよ?」


ニコリと笑うフィリアにクライトは怯え、レオの後ろへ隠れようとする。


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