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蒼国物語  作者: 松谷 真良
第14章 内乱勃発
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兄弟喧嘩

朝。


「おーきーろー」

「起きてる」

「寝てるー」


フェカに軽く体を揺すられてフィリアとライラは思い思い返事を返す。


「…ちっ」


2人とも起きてることを知らされたフェカは軽く舌打ちをするとフィリアに接近する。


「ちょ、フェカ!?」

「かわいいから食っちまおうかと」

「はぁ!?レオじゃないんだから、やめてよ!」

「同じ人間だし、良くね?」

「フェカ…寝ぼけてるの?」

「いやいや俺は起きてるぜ~」


ギリギリと攻防する2人に目覚めたライラがベッドから起き上がり、某黒い虫(G とか呼ばれる奴)を思わせる動きで遠ざかる。


「……」

「いや――――!勘違いするな!…しないで!向こうに行かないで~!!」

「いィじゃん別に~」

「良くない!!ライラ、助けてっ!」


半分フェカに押しつぶされた形でフィリアはライラへ助けを求める。


「頑張る!!フェカのバカ――――!!」

「…そんな遠くでどうやって」


滅茶苦茶遠くからライラは叫ぶ。


「…あほだ、あほ。あ~あ…つまんね」


フェカの姿が掻き消える。


「…」

「フィ、フィリア…その、ドンマイ」

「嬉しくないっ!!学校行くよ!!」


若干涙が光るフィリアはライラを睨み、学校へ向かう。






学校。


「レオ~」

「おはよう、フィリア。後ライラも」

「ついでかっ!?」


教室にいたレオへ飛びつくフィリアと、それを微笑ましげに見つめるライラと生徒たち。


「あ…ドラゴンムーンの人は校長に呼ばれてたよ?」


説明しそこなった気がするので補足。

ドラゴンムーンとは、フィリア、ライラ、レオの3人が作ったチーム。

学園最凶の名を冠している。


「へぇ、何かなぁ」

「笑ってないぞ、眼が」

「フィリア、かわい!」

「どこがっ!?そういうのは母様だけで良いから!!」

「…大変だな、フィリアも」

「レオの方が大変だと思うよ?一人っ子な分、全部回ってくるし…。私は兄様に押し付けられるから!」


グッとサムズアップしたフィリアの頭をライが叩く。


「それはそれで問題があることを知ってくれないか?」

「痛い!?」

「痛くしたんだ!またお前は厄介ごとを起こしやがって!!俺が宰相に笑顔で話しかけられるんだぞ、笑顔で!!」


ベシベシとフィリアの頭をたたき続けるライ。


「って言うかどこから、現れたの!?」

「ワープだろ」


ライラの疑問にレオが答える。


「それ、私のせいじゃない!!ライラが!!私記憶喪失だったのに!!」

「知るか!!目が笑ってないんだよ!!このままじゃ、俺の精神がもたねぇよ!!」


段々ヒートアップしていく兄弟げんか。


「もってください!!私だって、やですよ!?父様にでも…」

「できるか、バカ!!」

「兄様なら、できます!!がんばれ!!」


パチリとライの髪から雷が放電されたのを見て、生徒たちは避難体制をとる。


「押し付けるな!自分のやったことの後始末は自分でしろ!!」

「だから、私がやったわけじゃないんです!!」

「だが、補佐の責任は王女の責任だろう!?」




「フィリアも、ライさんも!!それくらいにしてください!!」


2人の言い争いが熱を帯び、周囲の魔力が荒ぶっていくのを感じたライラがドクターストップならぬ、補佐ストップをかける。


「…そうだ、宰相にライラをかすんだ、フィリア。そうすれば、一発で解決するんじゃないか?」

「ですね、兄様。宰相さん、ライラに興味を持ってましたし…騒ぎの元凶ですもんね」


ユラリと2人はハイライトが若干消えかかった眼でライラを見る。


「ひぃ!?」



「捕まえろ!!」

「イエス、兄様!!」


耐え切れず逃げ出したライラをすぐさまフィリアが捕まえ、ライの前へ放り投げる。


「…生贄だな。頑張れ、ライラ」

「レオ!?そ、そんな無責任な!!」






「では、俺は生贄…失礼。実験体…これも失礼。ライラを手土産に宰相へ謝ってくる」

「どうぞ、兄様。お気をつけて」


ビシリとフィリアはライへ敬礼をする。


「茶目っ気があるんだか、ないんだか…」

「待って!?みんな、私が生贄だとか実験体だとかの部分はスルーなの!?」


ライラの悲鳴は聞き流された。

そしてライラはライにドナドナされていく。


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