惚気んな!
鼻で笑ったメシスはパンパンと手を叩き駄弁る7人を追い立てる。
「さて、無駄話をしていないで退治するならしてきちゃってください」
「ちょっと待ちなさいよぉ!!わたくしをお忘れですか!?」
それに待ったをかけたのが、息を切らしてやってきたポラル。
「誰ぇ?」
「ポラルですわ!名前まで忘れ…って、誰ですか、この小さい子は!ハッ、ま、まさか、フィリアさんとレオ様の子ですか!?」
首をかしげて尋ねたフィリアにポラルの思考は間違った方向へ向かった。
「おい。お前は俺とフィリアをどういう目で見ているんだ」
髪をサラリとかき上げてレオはポラルを睨む。
「どういうって、そういうだよね…」
「ライラはすっこんでろ。全く…確かにフィリアは襲いたくなるほどかわいいけど、うるさい兄姉がいるから無理なんだ、これが」
「レオ!?」
「いなかったら襲ってるわけ!?」
「当然だろ」
ライラの驚愕した声にさも当然という風にレオは答える。
「なっ、あああ!?」
「うるさいですよ、貴族の娘。おっと…元貴族の娘。王族でもないのに、首を突っ込まないでいただきたいものですよ。それに、あなた弱いでしょう?死にますよ」
赤面して叫んだポラルをメシスが引きずって消える。
「どこ行ったの!?」
「おそらくテアトゥがいる部屋」
「…何するつもりよ」
「えっとねぇ、ごーもんかなぁ」
「サラリと恐ろしい発言しないで…フィリア」
「うん~。気を付けるねぇ」
「そーして…」
「さて、そろそろいかないと時間的に間に合わなくなるな」
「何の時間?」
「父さんが脱走する時間。ちょっとは椅子に座っていてほしいもんだけどな」
「頑張ってね。レオ」
両手を握ってガッツポーズを作りレオを応援するフィリア。
「フィリアが応援してくれれば、いくらでも頑張れる」
「惚気るのはそこまででいいから!!っていうか、フィリアがちっさいから若干犯罪臭がするんだよね!?」
「で、班分けはどうする?」
「そりゃあ、私とフィリア後レオ」
「と、僕です!!」
セノーテに聞かれてライラが答えると、それにシベリスが慌てて自分をつけ加える。
「…えらく戦力が偏ったな」
「き、気にしないの!大丈夫、どうせ見つけるのは私だから!」
「あっそ。じゃ行くぞ」




