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君の妖に願いを  作者: 雨y
青一章 学校
8/12

能力説明その2

湊がさきほどしたように水を作り、いろいろな形に変化させてみせた。


「翔さん、形を維持できるのですか?」

「ぅ、うん」

「それがどうかしたのか?」

「水系妖気って他のものと比べて扱いが難しいって言われてるの。例えば氷で言えば作り出すだけで形は変えられないし、火はゆらゆらと動いて形のキープは不可能」

 「火が止まってるように見えても勢いが強いだけだから。でも水だけは形を変えられるけど、それだけでも相当な技術が必要なの」


妖気を持っているからと言って妖気使いになれるというわけではない。

生成できてから妖気使いと認められるのだが、生成自体は簡単である。

しかし、火で言えば熱いし、木であれば力加減を間違えると部屋が草木で覆われる。

コントロールが難しいのだ。

特に水はすぐに弾ける。

形を自由自在に操るなど、2級の退治師からできることなのだ。

もっとも、形の維持はより難しく、できるものはほんのわずか。

1級の水系妖気使いでもなかなかいない。


「かといって水は威力が弱いから操れてもって感じなんだけどね」

「だが、すごいことには変わりないんだろう?」

「うん。翔さんは自信を持ってください」

「それ、自分にも言ってやれ」

「湊の言う通りだ」


クスクスと笑う中に翔は目線を落とした。

湊はそれをすぐに察し、空気を変えようと大きな声で「よし!」と言い、手をパンと叩いた。

音が教室中に響き、みんながピシッと背筋を伸ばす。

空気を変えるだけのはずだったが、やりすぎたか?と湊は思うが雑談ばかりしては成長はできない。


「翔、鏡花に潤妖気を」

「わかった」


ゆっくり深呼吸をして赤崎の方を見て、潤妖気をまとわせた。


「できたのか?」

「ああ。まとっているな。あの的を切ってみろ」


鏡花は鞘から刀を出し、軽く切ってみる。

スルッと普通に切ってるようにしか見えないが、赤崎は目を見開く。

いつも素振りを怠らない赤崎はちゃんと感じたのだ。


「軽いな」

「刀自体の重さは変わってないぞ」

「ああわかっている。もしかして、刀に潤妖気を?」


翔は頷き、軽く説明を始めた。

一般的な普通の刃物に妖気をまとわせることは出来そうだがまだ不可能であるが、赤崎と刀は繋がっており、刀にまとわせるのは初めてだったが、いけると思ったこと。

刀の方が強い力を持つのならと刀に潤妖気をまとわせたのだと。


「欲張りな質問だとはわかってはいるのですが、妖気は1人限定ですか?」

「星夏さん曰く、翔の才能ならいつか3人まではいけるらしいが、今はまだ2人が限界だ。といっても、2人だと翔への負担が大きすぎて過去に三日間動けなかったこともある」


当時の湊は翔が倒れた時、青関係なしに発作が起こった。

その時側にいた美幸と星夏は翔の四肢の骨を折り、気絶させる事でその発作を治めた。

たったの10分で妖気に耐性のある訓練場は湿度関係なく氷で覆われ壊れ、熱妖気をまとえない美幸も三日間ベットでの生活をしていた。

もちろん室内だったためこういう被害が出たのだが、2人が練習場として使っていた場所は、現在4人が能力の紹介をしている訓練室よりも4倍の広さはある。

そんな場所で湊の発作が起こるのは3人の死を表す。


「あん時は大変だったぜ。あたし以外全員ベットと恋人だったもんだから。美幸はいいが、お前ら2人は他人が世話するのを良しとしないからな」

「星夏⁉︎」

「よっ、愛する弟子たち」


足音も立てずに、扉を開ける音も出さずに湊を後ろからハグしたのは1級退治師の餅河星夏。

中畑美幸とのペアでの戦いでは最上級妖魔を倒したという実績を持つ人間だ。

最上級妖魔は数が少ない分圧倒的な力を持つため、彼女らの功績は歴史にも残るとも言われている。

わしゃわしゃと湊の頭を撫で、翔の元へ行くとじっくり観察し、次には赤崎の刀を観察した。


「なるほど、さすが赤崎家だな。普通の武器であれば翔は相当手加減しなきゃ行けないだろうが…人1人分強化するのと変わらない分の潤妖気をまとえているな」

「餅河さんの話は兄から聞いています!」

「あぁ、敦史か。恋人だってのにあの野郎は刻深刀こくみとうを見せてくれない。鏡花ちゃんはこうやって見せてくれるのになぁ」

「ん?恋人…?」


赤崎敦史と餅河星夏は半年間付き合っているが、キス一つしたことがない。

そのため、噂も何も広がらず、仲の良い者しかしらないし、2人が喋っているところを見るが、恋人らしい雰囲気はない。

理由としては、赤崎敦史は仕事が恋人と言うほど真面目で、恋などした事がなかった。

高校の時同じチームになってから星夏の炎に惚れ込み、4年間片思いをし、やっと実った恋だが接し方がわからず、仕事モードでしか接する事ができていないのだ。

星夏はよくそこが可愛いと美幸に自慢する。


「あの兄さんに…恋人が…」

「嫌だったのか?」

「いえ、刀を持っても持たなくても仕事人間な兄さんは餅河さんを幸せにしてるのかどうか…」

「確かに、デート誘うのはあたしだし、手を繋ぎに行くのもあたしだな」

「すみませんうちの兄が」

「いいさ。緊張している敦史も紳士なやつで好きだからな」


赤崎敦史も有名な退治師だ。

赤崎家を継ぐのは彼だと言われている。

1級退治師であり、退治数は誰よりも多い。

というのも、彼の刀は集団戦を有利としており、星夏とのタイマンでは彼が負ける。

が、中級の妖魔など、彼と彼の刀にかかれば下級と変わらない。

それほどまでに集団戦において最強とも言える。

時々火曜日だけではなく金曜日も更新すると思います!

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